Shuichiro Ogawa
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ノート · updated 2026-09-18

模試の採点と作問で、どの作業が置き換わったか

国内の模試と大規模テストのうち採点工程と作問工程に限定した深掘り調査。採点で置き換わったのは判断ではなく、紙の運搬と集計と突合せである。

目次(14)
  1. 概要
  2. 採点工程で消えたもの、残ったもの、生まれたもの
  3. 手書き答案は一度文字に変換される
  4. 採点の担い手は会場から自宅へ移った
  5. 報酬の型は変わっていない
  6. 作問で置き換わったのは検索である
  7. 点検は何を確認しているか
  8. 作問工程で置き換えを止めている3つの条件
  9. 生成AIはたたき台までしか届いていない
  10. なぜたたき台で止まるのか
  11. たたき台は制度が定めた位置である
  12. 作問の時間は記録されていない
  13. データ活用が及んだ範囲
  14. 市場データに現れる非対称

概要

千葉県の公立高校入試で、令和5年度に900件を超える採点ミスが見つかった。 県立92校と市立6校の98校に及び、誤って不合格にされた受検者が6人いた。 採点は各校の教員が手作業で行っていた。

令和6年度から、県はデジタル採点を導入した。 採点は消えなかった。 同じ答案を2系統で採点し、二つの結果を突き合わせ、食い違いがあれば採点者どうしが協議して採点し直す手順が加わった。

本ノートの問いは、模試と大規模テストの採点工程作問工程で、どの作業が、どのように置き換わったかである。 対象は公的機関の資料、調査会社の市場データ、事業者の募集要項、労働市場の統計である。 収集は mode: industry で行い、4系統の台帳を source/review/mock-exam-scoring-item-writing/industry.md に置いた。

結論を5点に絞る。

第1に、採点で置き換わったのは判断ではなく、紙の運搬と集計と突合せである。 佐賀県は全県立学校にデジタル採点を入れて採点時間を50〜75%削減したが、教育長は「部分点の付く記述式問題は自動採点できない」と述べている。 埼玉県の仕様書は「自動採点により1次採点を行い、不一致だったものについてのみ目視による採点を行う」を工夫として認めている。 機械が引き受けるのは一致する部分であり、食い違う部分は人のもとに戻ってくる。

第2に、採点は1段ではなく2段になった。 手書きの答案は、まず画像処理モデルで文字に変換され、その結果が採点モデルに入る。 東京農工大学と大学入試センターの実験では、同じモデルが人手で書き起こした答案では Accuracy 78.8〜81.7 を出すのに対し、認識システムが書き起こした答案では 51.1〜80.8 まで落ちる。 文字起こしの誤りが採点の誤りになるという新しい誤差源が、工程の途中に挟まった。 採点の精度は、採点モデルだけでは決まらない。

第3に、採点の担い手は会場から自宅へ移り、報酬の型は変わっていない。 河合塾は在宅の業務委託で、答案1枚あたり20円前後から125円前後の出来高制という募集を出している。 Z会も出来高制で、指定された担当曜日の夜半までに採点を終えることを求める。 採点室に集合して時間給で働く仕事が、自宅で1枚いくらの仕事になった。 労働時間ではなく成果物の数で報酬が決まるという型そのものは、デジタル化の前後で変わっていない。

第4に、作問工程で置き換わったのは検索であって、判断ではない。 大学入試センターの研究開発部は、新規作成問題が過去問と重複していないかを確かめる全文検索システムを構築した。 そこでは「意味的な文書の一致や表記の揺らぎの吸収」より「検索による漏れのないこと」が優先される。 問題を生成する側は、教科書データと検索拡張生成を組み合わせた試作が「作問者が意図する問題生成が困難でした」という記録で終わっている。 作問の時間が記録されていないこと、点検が多重であること、問題を外部に漏らせないことが重なり、判断の置き換えには届いていない。

第5に、生成AIが届くのはたたき台までである。 その位置は技術の到達点であると同時に、制度が引いた線でもある。 文部科学省のガイドラインは出力をたたき台として扱い、最後は教職員が判断すると定める。 定期考査や小テストで児童生徒に使わせること、学習評価をAIの出力で行うことは、適切でない例として名指しで禁じられている。 経済産業省の実証に参加した教員の回答でも、削減幅は10分から30分の帯が最も多く、36%は効率化を感じないか、かえって時間がかかると答えている。 測定の側にも理由がある。 AIが作った問題の欠陥は過去問との重複ではなく、正答が複数成立する曖昧さと、難易度の統制に集中する。 作問と検証を同じモデルで回すと、モデル固有の誤りが両側で一致して誤問が通過する。 2023年と2026年の実装者の証言は、人間の確認が外せない点で一致している。

採点工程で消えたもの、残ったもの、生まれたもの

デジタル採点が短縮するのは、答案用紙を運び、点数を機械に読ませ、合計を突き合わせる部分である。 佐賀県の実証では、採点時間がA社の計測で約60%減、B社の計測で約67%減、文部科学省の資料を用いた試算で年間46.5時間減だった。 県は令和7年度から特別支援学校と夜間中学を除く全県立学校36校に導入し、約50〜75%の削減を見込む。 北海道でも、導入校は小学校で138校から171校へ、中学校で85校から103校へ、高校で45校から69校へ増えている。

セットアップの手作業も消えた。 デジタル採点システムの従来の初期設定は、氏名、出席番号、解答、得点表示部分の指定、文字認識の設定、配点の登録を手作業で行う必要があった。 スキャネットは模範解答をアップロードするだけで登録が完了する方式に変え、業界紙の取材に対して、これまで5分かかっていた作業が数秒で終わると説明している。 認識の対象も広がり、選択問題の一文字解答に加えて、ひらがな一文字と○×記号が自動採点の対象になった。

削減幅は問題の形に依存する。 佐賀県の事例集計では、高校の地歴公民が180分から60分に、中学の外国語が240分から50分に縮む一方、高校数学は180分から240分に、中学外国語の別の事例は50分から240分に増えている。 県は課題として、記述が多い問題や縦書きの解答用紙にデジタル採点が向かないこと、自動採点の精度が低いことを挙げる。 アプリの操作を覚え、答案を画面に移し、基準を確認する手間が、紙に赤ペンを入れる手間を上回る場合がある。

機械が引き受けないのは、部分点の判断である。 文部科学省は令和6年度の委託事業で、ルールベースと大規模言語モデルを組み合わせた自動採点を試作し、経年変化分析調査の記述式答案で精度を測った。 類型の一致率は、教師データ500件で59.23〜76.57%、1,000件で77.01〜81.28%だった。 同省の調達仕様は、短答式で5,000件、記述式で1,000件を抽出し、誤りゼロに至るまで点検することを求めている。 抽出した範囲に許される誤りの水準は、8割の一致ではなくゼロである。 令和3年の検討ワーキンググループの整理でも、記述式は人が目視で採点するものとされ、自動化は研究途上と位置づけられている。

デジタル採点は採点そのものを消さず、検証の工程を新設した。 千葉県は令和5年度の採点ミスを受けて、令和6年度から2系統の採点と突合せを導入した。 食い違いは採点者どうしの協議で決め直す。 合否の分かれ目に近い答案は全件を再点検し、県教育委員会がマニュアルを作り、採点と点検の方法を全校で揃える。 神奈川県は分岐点の上下15点以内の受検者を全員再点検する。 河合塾は「K-Web採点チェック」という職務を別に募集している。 採点済みの答案を人が検証し、必要なら修正する仕事である。

検証を省くと事故になる。 千葉市では、実施細目が4人で行うと定めていた点検を3人で実施し、紙に出力した答案の読み合わせを省いて画面上の確認だけにした。 18点と採点した項目を0点として集計する転記誤りが生じ、校長が戒告処分を受けた。

置き換えは一括では起きない。 Z会は添削と採点のシステムを内製で作り直すにあたり、「すべての現行システムが置き換わるのではなく、部分的に新たなシステムに切り替えていく必要がある」として、2023年2月の第一弾から順次リリースする方針を採った。 担当したエンジニアは、負荷は技術的な難しさより「方向性に不安を感じながら開発すること」にあると語る。 工程の置き換えは、完成した仕組みを配る作業ではなく、動いている仕組みを部分的に差し替え続ける作業として進む。

手書き答案は一度文字に変換される

記述式の自動採点は、採点モデルだけでは成立しない。 教育現場の答案は手書きが一般的で、画像処理モデルで文字に変換してから採点モデルに入力する2段構成になる。 筆跡が乱雑な場合が多く、変換の精度が採点の精度を左右する。

この依存の大きさは、東京農工大学と大学入試センターの共同研究が数値で示している。 中学生向け国語ドリルの短答式記述問題25問、1,372件を対象に、人手で文字起こしした答案と、手書き文字認識システムで自動的に文字起こしした答案を、同じモデルにかけた。 GPT-4o の Accuracy は、人手データで 78.8(Zero-shot)、80.7(Few-shot)、81.7(Fine-Tuning)である。 自動データでは 51.1、64.2、80.8 に落ちる。 Few-shot の落ち込みが最も大きく、研究は「ノイズを含む自動書き起こし答案の採点には、Fine-Tuning を行った場合と比較して Few-Shot 学習の性能は不十分」と結論する。 Fine-Tuning は影響を受けにくいが、それは採点モデルを作り直すたびに教師データを用意する必要があることを意味する。

ばらつきも拡大する。 Few-shot に使う設問を変えて20回試行した実験では、人手データの平均が75.1%、設問間の標準偏差が6.3%であるのに対し、自動データの平均は47.7%、設問間の標準偏差は11.3%だった。 研究は、このばらつきが文字認識の設問ごとの精度差によるものか、採点モデル自体の特性によるものかを切り分けられていないと明記する。 どこで誤っているかが分からないまま、精度だけが下がる状態である。

認識層を外した設計もある。 ある開発者は、キーワード一致と採点モデルの間に置いていた Embedding の類似度層を撤去した。 模範解答が「配列から偶数だけを取り出している」である問題に対し、誤答の「配列から奇数だけを取り出している」が類似度0.9超を記録し、最も高い点が確定する経路に入っていたためである。 否定、対義語、一つずれた答えに、類似度は構造的に無力だった。 節約できていた額は月7円であった。 代わりに置かれたのは、言いがちな誤答をデータベースに登録する仕組みと、採点モデルに根拠を逐語で引用させて回答本文とサーバー側で照合する仕組みである。 実データでは、判定が「該当なし」の25件にも引用が付いており、回答に存在しない文字列も含まれていた。

自動採点の検証そのものにも穴が開く。 中学校の教員が個人で作る採点ツールで、1200件を超える自己テストが全て成功と表示されていた。 そのうち14件は、設問が1問もない空の試験に対して走っていた。 原因はテストデータの1語の書き誤りだったが、未知の語を「その他」に寄せる安全装置が、誤ったデータをそのまま通していた。 語を修正しても既存のテストは1件も壊れなかった。 当該の処理について、テストが最初から何も確かめていなかったことになる。 開発者は値を検証する統合テストを27件追加し、練習用のデータは本番にあり得る値だけで作ること、件数がゼロでないことを確かめること、修正後に意図的に壊してテストが落ちることを確認することを再発防止として挙げている。

採点の担い手は会場から自宅へ移った

河合塾は模試の採点を在宅の業務委託で募集している。 報酬は出来高制で、答案1枚あたりの税込単価が20円前後から125円前後、これに各回定額の採点印刷費が加わる。 単価は模試の種類、科目、解答の分量で変わる。

作業の手順はこうである。 模試の問題と学習の手引きと採点基準を印刷して読み込み、Web上のアプリをスマートフォンで操作しながら基準に沿って採点する。 添削は求められていない。 ただし河合塾は、解答どおりに○×をつけるだけの単純作業ではなく、採点基準と受験生の解答を理解するための専門知識が必要だと書く。 プリンターは必須で、自宅外での印刷は認められていない。 2次選考の筆記試験と模擬採点も自宅で受けて返送する。 採点期間は1模試あたり10日から2週間で、その中に4日間の採点回が2回から4回置かれる。

Z会の在宅デジタル採点も構造は同じである。 画像データに変換された答案を専用のアプリケーションでパソコン上で採点し、複数の受験者について同じ問題をまとめて処理する。 指定された担当曜日に画像が配信され、その日の夜半までに採点を終えることが求められる。 応募資格は短大卒以上または現役の大学生と大学院生で、業務開始前に自宅で研修を受ける。研修費は支払われない。

採点だけを外注する事業もある。 教育測定研究所はISMSの登録範囲に「テスト問題の制作、運用、採点、分析に至るまでのBPO」を掲げる。 パーソルビジネスプロセスデザインは、システムによる自動採点では難しい記述式問題を目視で採点し、教員には論述問題だけを残す形のサービスを提供している。 教員が作ったテスト問題をシステムに搭載する作業も代行する。 学習塾向けのAI添削も同じ形を取る。 エデュケーショナルネットワークは、AIが答案の提出後すぐに添削を始め、その結果を講師が確認してから生徒に返却する仕組みを採る。 AIは答案を返さない。

報酬の型は変わっていない

在宅化は報酬の決まり方を変えていない。 河合塾もZ会も出来高制である。 資格試験の教材を作るアガルートアカデミーも、択一式のオリジナル問題の作成を1問1,500円、過去問題の解説を1問1,000円としている。 予備校の模試の作題を募集する求人には時給1,200円から1,500円という時間給の例もあるが、これは校正と点検と編集補助を同じ職務区分に並べたもので、作題だけの単価ではない。

単価をそのまま並べることはできない。 河合塾は依頼する模試が受験者数で変動し、配付枚数のノルマはないと明記する。 単価に枚数を掛けた額が収入になるわけではない。 税の扱いも情報源ごとに揃っていない。

採点という仕事が雇用統計のどこに現れるかは分からない。 日本標準職業分類にも賃金構造基本統計調査にも「採点者」という区分はなく、最も近い「個人教師、塾・予備校講師」からは塾講師だけを取り出せない。 分かるのは産業全体の数字である。 厚生労働省の雇用動向調査によれば、令和7年上半期の「教育、学習支援業」のパートタイム労働者の入職率は19.9%、離職率は19.6%で、全産業の中で最も高い。

作問で置き換わったのは検索である

作問の工程で機械が引き受けたのは、過去問や類似の問題を人が探す作業である。 大学入試センターの研究開発部は、新規に作成した問題が既存の問題と重なっていないかを確かめる全文検索システムを、部内の Linux サーバに構築した。 新作の問題ファイルを指定すると、そこから抽出されたキーワードごとに関連する過去問が並ぶ。 索引の生成はセンター試験の全科目で1.5時間程度、更新は差分登録で日次に行われる。

設計の優先順位がはっきりしている。 要件として「試験問題では用語が統一されており、通常、検索システムで要求される、意味的な文書の一致や表記の揺らぎの吸収についてはさほど重要でない。それよりも、検索による漏れのないことを最優先する」と書かれる。 一般的な検索が意味の近さを狙うのに対し、作問の現場が要るのは網羅である。 見落としがそのまま出題事故になるため、取りこぼしのなさのほうが大事になる。

人手に残ったのは、検索の外側である。 国語を含む縦書きの文書が検索できること、PDF と Word と Excel の中身が検索できることが要件に加わり、ファイル形式ごとの変換工程が生まれた。 数式は LaTeX 形式の検索がサポートされず、英字は語尾変化を考慮しないためワイルドカードで逃げる。 検索対象の過去問そのものは、市販の問題データ集を購入して人が持ち込む。 システムの仕様がブラックボックスでないこと、ソースコードが公開されていてコマンドで起動できることも要件に含まれ、開発者自身が一式を公開している。 道具が入っても、その道具が扱える形に資料を整える作業は残る。

点検は何を確認しているか

作問の点検は、問題の出来を評価する作業ではない。 問題が成立しているかを確かめる作業であり、確かめる対象は工程によって変わる。

作り終えた直後に見るのは3点である。 出題範囲と学習指導要領に収まっているか、解答が正しいか、点の計算が合っているか。 文部科学省の通知は、これを実施前だけでなく実施中と実施後にも行い、作題者以外を含めて二重三重に点検することを求める。 試験問題と解答は原則として公表するが、一義的な解答を示せない記述式問題については、出題の意図か複数の標準的な解答例を公表する扱いになる。

使う前に見るのは、問題が機能するかである。 大学入試センターは試行調査の結果から、正答率が極端に低い問題、正答率が総合的に高い受検者が誤答を選んでいる問題、識別力が低い問題を拾い、科目別のワーキンググループで検討した。 識別力は「設問ごとの識別力(項目得点と総点とのピアソン相関)」と定義される。 できる受検者とできない受検者を分けられているかを見る指標である。 出題のねらい、題材、形式、難易度については、各科目5名程度、全48名の大学教員から聞き取りを行っている。 目標とする平均正答率は設定していない。

点検の結果は、次の出題のために保存される。 大学入試センターは問題の蓄積と管理のシステムに、難易度と識別力(項目パラメタ)を問題と併せて保存すること、種問題から派生問題への関係を管理すること、頻繁な入れ替えと修正のためのメタ情報を付けることを求めた。 小問形式を前提としており、大問形式には設計変更が要る。 遠隔での問題作成と点検の可否も、セキュリティの面から慎重に検討するとしている。

この工程を機械に任せる試行は、まだ始まっていない。 文部科学省は令和9年度に、オンラインと生成AIを活用した試験問題の作成・点検作業を試行する調査研究を1件6,000万円で計上した段階にある。

作問工程で置き換えを止めている3つの条件

作問では、AIによる置き換えがほとんど確認できない。 止めている条件が3つ重なっている。

第1に、点検が多重である。 文部科学省は入試問題について、作題者以外を含めて二重三重に点検することを求める。 大学入試センターの問題作成部会は800人以内で、令和4年度の実績は22部会461人、6教科30科目を約2年間かけて作成し、部会ごとに年12回から19回、延べ320回と1,163日を費やした。 別に問題点検第一部会が160人程度、第二部会が30人以内、問題評価・分析委員会が95人以内置かれる。 作問は1人の作業ではなく、多数の会議体による反復である。 コンピュータ上で試験を実施する大学への聞き取りでも、作題は「紙のテスト以上に、問題の作成・点検に労力がかかる」と報告されている。 点検の負荷は、実施の形態が変わっても減らない。

第2に、問題を外部に漏らせない。 大学入試センターは入退室管理システムを置き、私物のパソコンとスマートフォンと記録媒体の持ち込みを禁じ、電子データを生体認証付きの専用サーバに隔離して外部ネットワークから遮断する。 委員の氏名は、その者が関与した試験を実施する年度の末日まで秘匿される。 同センターは問題の蓄積と管理のシステムを設計する際にも、遠隔での問題作成と点検の可否をセキュリティの面から慎重に検討するとしている。 在宅で答案を採点する仕組みは成立したが、在宅で問題を作る仕組みは成立していない。

第3に、問題は使えば減る資産である。 同センターの整理では、1科目あたり数千から数万問を要し、プレテストでは相当数の仮想受験者が問題内容を知るため、記憶による持ち出しは完全には防げない。 使い回せば識別力のような項目の特性が変わり、廃棄と追加が必要になる。 東京学芸大学附属世田谷小学校の実践報告は、採点して児童に解答を返し解説した時点で問題は実質的に公開され、そのままの再利用は公平に反すると述べる。 作問は一度作れば終わる作業ではなく、継続的に発生し続ける。

生成AIはたたき台までしか届いていない

作問に生成AIを入れる試みは、下書きの生成で止まっている。 文部科学省のガイドラインは校務での利活用の例に「教材・テスト問題の作成」を挙げるが、出力はたたき台として扱い、最終的な判断は教職員が行うとする。 経済産業省の実証事業では、ベネッセコーポレーションが生成AIによるテスト問題のたたき台の自動作成を小学校で試した。 実証は令和5年11月から令和6年2月まで、埼玉県の蕨市立北小学校と千葉県の私立昭和学院小学校で行われた。 最終成果報告書は経済産業省の委託調査報告書として公開されており、結果の内訳を一次資料で確認できる。

回答した教員は47名である。 教育の質向上に利点があるという回答が96%、業務時間の削減につながるという回答が64%で、削減幅は1テストあたり30分ほどと見込まれる。 削減幅の内訳は、1時間以上が11%、30分から1時間が13%、10分から30分が40%である。 残る36%は「効率化はほとんど感じられない」が21%、「逆に自力で1から作成するよりも問題・解答作成に時間がかかる」が15%に分かれる。 最も多い回答は10分から30分の帯にある。

この実証に採点は含まれていない。 報告書の主題はテスト作問の課題検証で、全文に採点という語が一度も現れない。 同じ公募テーマに採択された他の3社は校務の効率化、画像解析、指導記録の自動生成を扱っており、採点を主題にした実証はこの回に無い。 作問を主題にしていたのもベネッセ1社である。 目指す姿は3つのフェーズに分けられ、実証の範囲は第1フェーズの「教材の質進化」に限られる。 第2フェーズの「個別最適な学習」と第3フェーズの「学びの自律化」は範囲の外に置かれている。

報告書に掲載された出力例には、ハルシネーションの実例がそのまま残っている。 知識データを与えずに生成させた設問の解説に、富士山の所有について事実と異なる記述がある。 富士山の八合目以上は静岡県富士宮市の浅間大社の私有地で、1974年の最高裁判決で確定している。 報告書はこの出力を「一般的な内容にとどまる問題」の例として挙げており、記述の誤りには触れていない。

その先に進めていない理由は、失敗の記録に現れている。 印刷会社と教科書会社の共同プロジェクトは、教科書と問題集のデータに検索拡張生成を組み合わせて問題を作る仕組みを試作した。 検証を重ねた結論は「RAGの仕組みを構築するだけでは、作問者が意図する問題生成が困難でした」である。 出題形式と文章形式を揃えるためのプロンプトの検証と、教科書の構造に合わせたデータの分割の検証を経て、ようやく問題形式の指定と出題範囲に沿った生成、教科書の漢字と学年に合わせた表現ができるようになったという段階である。 過去問の正答率に基づく難易度の指定、過去問に似た問題の生成、図と表を扱うマルチモーダル処理は、いずれも課題として残っている。

生成が届かないぶん、測る側の規範はむしろ厚くなる。 テストの得点の精度を信頼性、テストが測りたいものを測れているかを妥当性と呼び、妥当性は Messick の6側面や Kane の解釈的論証で捉える。 そこで重視されるのは、妥当性を「確認する」「確立する」のではなく「高める努力をする」ものとして扱う姿勢である。 妥当性は達成される状態ではなく、更新され続ける過程になる。 生成が速くなっても、その過程を省くことはできない。

なぜたたき台で止まるのか

止まっている理由は、生成が使えないからではない。 そのまま使える割合が低く、しかも低さが特定の性質に集中しているからである。

成人学習者向けの問題生成を4つのモデルで検証した研究では、ハルシネーションが約5%、そのまま使えない設問が約8%だった。 最も多かった欠陥は過去問との重複ではない。 正答が複数成立する曖昧さである。 同じプロンプトでも4つのモデルが正答で一致しない例があり、多肢選択は生成が最も苦手な形式だった。

医学教育の研究では、ChatGPT が作った問題の49%に項目作成上の欠陥があり、22%に事実または概念の誤りがあった。 それでも91%(59/65)は「修正の出発点として妥当」と判定されている。 大半に手を入れる必要があり、かつ大半に手を入れる価値はあるという状態である。 著者らはこれを「被験者専門家の監督下でのみ実現可能」とまとめた。 91%という数字が、たたき台という言葉の実測値にあたる。

専門家が作った問題との比較では、差が難易度の統制に出る。 救急医学の一次試験で ChatGPT-4o の100問と専門家パネルの100問を比べると、事実の誤りは6%対4%、無関連は6%対0%、重複は14%対7%で、開きは小さい。 難易度の不適切さは14%対1%だった。 識別力は0.22対0.26で同程度だが、難易度指数は0.78対0.69で、AIの問題は易しい側に寄る。 作問時間は24.5人時対96人時である。 速さが足りないのではない。 作った問題をそのまま出題できるかの比が足りない。

難易度の統制が難しいというこの結果は、実装者の証言と一致する。 経済産業省の実証で作問側を担当したベネッセの担当者は、最も苦労した点を「これまで暗黙的に人がやっていた作業」を生成AIに教え込むことだと述べる。 具体的には単元ごとの内容の教示と難易度の設定である。 実証に参加した教員の反応は「ここまでプロンプトを書けば、良いものが作れるんだ」だった。 良い問題を作るには、暗黙知を明示的な指示に変換する工程が要る。 その工程を担うのは、生成AIではなく人である。

実証に参加した教員も、同じ理由を別の言葉で書いている。 「AIの精度が絶対でないため、結局チェックが必要になりそうな点や、テキストで生成された問題の出力にかかるコスト、AIに入力するプロンプトの精選や打ち込みなどを考慮すると、作業にかかる労力に対して生成AIを使うメリットが薄いと感じます」。 削減幅の回答が10分から30分の帯に集まり、36%が効率化を感じないという分布は、この記述と整合する。 一方で、たたき台そのものへの需要は強い。 「全てをゼロベースで作ることは購入テストが早いとなってしまうが、購入テストには『この問題はもっとこうしたい』という要望があるため、ベースが出る状態で、そこからこの問題だけ変えたいというアレンジができるような状態が一番ありがたいです」。 たたき台を求める声と、たたき台を仕上げる手間への不満が、同じ設問の自由記述欄に並んでいる。

選別と修正を挟めば届く。 91クラス1,686名を対象にした実試験の研究では、AIが作った試験と過去問ベンチマークを項目反応理論で比較し、識別力は1.3対1.2で同等だった。 ただし出題されたのは、自己修正のループを回して品質の評価が最も高かった上位10問である。 同等という結果が示すのは、AIが単独で到達した水準ではなく、選別を通って残った問題の水準である。

検証の段も同じ理由で人に残る。 作問と検証を同じモデルで回していた開発者は、作問側が誤った正解を確定させると同じモデルが同じ誤りを再現して一致し、誤問がそのまま通ることを見つけた。 トレースの誤りはランダムではなくモデル固有で体系的に生じるため、セッションを分けても独立にはならない。 対策として、作問と検証を別のモデルに分け、選択肢を並べ替え、どちらのモデルが検証したかを記録に残す形に変えている。 そのうえで、検証を通った問題も公開前に1問ずつ人が見る工程を残した。 「AIを2体積んでも人間は減りません」というのがその開発者の結論である。

2023年と2026年の証言を並べても、結論の側は動いていない。 GPT-3.5 が定型文を合格と判定したために GPT-4 へ移り、誤判定率7.9%を記録した実装も、記述式の採点で κ 0.7〜0.8 の一致を得た実践も、人間の最終責任とダブルチェックを外していない。 変わったのは、誤りを見つける方法である。

採点側では、規制当局が同じ位置に線を引いている。 イングランドの資格・試験規制当局は、AIを唯一の採点機構として点数を決めることは規制に適合しないとし、採点の判断には人間を要するとした。 説明のつかないブラックボックスは点数への異議申立てを困難にすることを理由に挙げ、採点性能が数学と英語で大きく異なることも記している。

教員の受け止め方もこの線に沿う。 韓国の小中高教員1,659名への調査で、生成AIの効果認識が最も高かったのは授業テーマと評価計画のアイデア出し(76.0%)だった。 最も低かったのはルーブリックを用いた採点補助(32.6%)である。 作る側の用途では評価が高く、判断する側の用途では低い。

導入は確認の作業を減らさず、種類を変える。 日本の教職員328名への調査では、生成AI活用で最も時間を取られている業務は「AIの使い方や指導法の自習・研究」(35.1%)で、次が「提出物のAI丸写しチェック」(32.4%)と「AI回答の正しさの確認」(32.4%)だった。 ファクトチェックと丸写しの確認は、AIが持ち込んだ工程である。

たたき台は制度が定めた位置である

文部科学省のガイドラインは、たたき台という位置を明示的に定めている。 生成AIはあくまで「たたき台」であり、最後は教職員自らがチェックし、推敲して完成させると書く。 そのうえで、定期考査や小テストで児童生徒に使わせること、学習評価を教師が判断せずにAIの出力で行うことを、適切でない例として名指しで禁じている。 たたき台という位置は、技術の到達点であると同時に、制度が引いた線でもある。

令和6年度以降、テスト問題の作成を主題にした公的実証は確認できない。 文部科学省の後続事業は校務に移り、所見の作成やアンケートの分析、不登校対応が中心になった。 ベネッセが後続事業で提供した校務用のチャットも、重点的な用途にテスト問題の作成を置いていない。 過年度事業の業務削減の一覧には学習指導案、所見、研修報告書、アンケート分析の短縮が並ぶが、テスト問題作成の事例は無い。

たたき台に届くまでの費用も記録に残っている。 令和6年度の実証では、プロンプトの作成そのものが大きな負担になった。 何を入力すればよいか分からずに利用を諦める教職員や、期待した品質の回答が得られずやりとりを重ねずに止める教職員が多く見られたという。 参照するデータの側も足を引っ張る。 表形式の帳票はセルの結合を解除する前処理を要し、手書きの資料や観察のメモは電子化を要した。 前処理の手間でデータの蓄積が進まず、生成AIが参照できるデータが少ないまま回答精度が上がらないという循環になっている。

大学入試センターは、自動作問を入試に使う際の懸念を7つに整理している。 信頼性と妥当性、制御の限界、ハルシネーション、問題の漏洩、著作物や過去問との重複、問題どうしの重複による多様性の欠如、バイアスと差別的表現である。 過去問との重複は、7つのうちの一つにすぎない。

この整理は、先行事例を検討したうえでの位置づけを前提にしている。 事例に共通する結論として示されるのは「自動作問はあくまで人間作問者の補助」であり、「問題の初期案作りとして、たたき台を作ってくれるという意味では非常に優秀だ」という評価である。 現実的な流れも「自動作問で問題の案を作って、人間による精査、修正をして使う」と書かれる。 対応策は5つ挙げられ、うち「一番大事」とされるのは人間専門家によるレビューとプレテストによる統計的な検証である。 いずれも人が作問する場合にも行う工程で、自動作問を入れても省けないものとして置かれている。

線がこの位置に引かれる理由は、評価の目的そのものにある。 パイロット校の実践に付された有識者コメントは、国語の単元で「構成を工夫する力」をAIが代替してしまっていること、提案のどれを採用しなかったかの学習者自身の判断が読み取れないこと、AIの回答を正しいものとして受け入れ誤りに気づかないまま使っていることを指摘する。 OECD の Digital Education Outlook 2026 は、学習過程を省略することを認知的なオフロードと呼び、生成AIの未来は教師のタスクの自動化の効率ではなく、教師が専門的な判断を行使できるかにかかるとする。 作問を機械に任せることが評価の目的と衝突するなら、任せられる範囲は技術の成熟とは別の場所で決まる。 いまのところ、両者は同じ場所に落ち着いている。

作問の時間は記録されていない

作問の負荷が測られない理由は、記録の側にある。 徳島大学が労働組合との団体交渉で示した説明では、検討会議の実施回数や採点に要した時間は一定程度収集できる。 ただし「自宅や研究室における問題作成とそれに費やした時間など教員個々の作業については、記録が残っていない場合も多い」という。 組合側はこれを裏返しにして、採点は所要時間が明確に計れると主張する。 朝に採点室へ集合し、採点が終わるまで出られないためである。

同じ非対称が報酬の設計に現れている。 公立鳥取環境大学は問題作成を1回40,000円、責任者を60,000円と定める。 徳島大学はポイント制を採り、数学で前期20ポイント、後期10ポイント、責任者に8ポイントを加算して計38ポイントとする。 支給額の根拠として大学が説明できるのは、記録の残る時間に限られる。

大学で作題に関わる教員への調査も、この工程の負荷を数値で示せていない。 東北大学の久保沙織は、作題関連業務を「作問」「配点と採点基準の設定および採点」「試験実施後の評価」の3つに分け、担当教員6人への半構造化面接から255のデータを得た。 負担の重さ、担当者が短いサイクルで入れ替わること、入試ミスのリスクが阻害要因として挙がっている。 標本は6人であり、全体を代表する数値ではない。

データ活用が及んだ範囲

データ活用が進んだのは、採点そのものより、採点の前後と設計の側である。

国立教育政策研究所は全国学力・学習状況調査に IRT を導入する計画で、中学理科を令和7年度、中学英語を令和8年度、国語と算数数学を令和9年度としている。 IRT スコアは500を基準に標準偏差100、IRT バンドは1から5の5段階で3を基準とし、バンド3の児童生徒は難易度3の問題をおおよそ80%の確率で正答できると説明される。 テストの設計が、正答率の実測から、項目の難易度と識別力の推定に移る。

大学入試センターも、識別力を「設問ごとの識別力(項目得点と総点とのピアソン相関)」として分析している。 平成29年の試行調査では正答率の低い問題がやや多く、識別力の低い問題と、正答率の高い受検者が誤答を選んでいる問題を、科目別のワーキンググループが検討した。 国立教育政策研究所の測定技術班は、難易度の幅を狭めれば特定の能力の推定精度は上がるが報告書の内容が乏しくなり、広げれば特徴づけは容易になるが精度が落ちるという関係を整理している。

問題を資産として蓄積する動きもある。 大学入試センターの資料には、医学系で約12,000問、歯学系で約8,000問を要する共用試験の例がある。 同センターの試算では、1万問を5年で蓄積するのに年約1億125万円、5年で約5億625万円がかかる。 文部科学省は令和9年度に6,000万円の調査研究を計上し、オンラインと生成AIを使った試験問題の作成と点検を試行する。

採点側では、自動採点の判断が最終決定にならない形で運用が組まれている。 文部科学省の試行は、機械採点に人間の独立した2回の採点と、その結果の確認を組み合わせる運用を示した。 埼玉県の仕様書は、自動採点を1次に置き、食い違いのみを目視にかける。 佐賀県の教育長が「部分点の付く記述式問題は自動採点できない」と述べたのは、この運用の限界を認めた発言である。 一方で同県の推進監は、選択式の問題が多い理科と社会と英語で削減効果が高く、「教員の感覚ではなく、データ分析をもとにした指導もできる」と述べている。 デジタル採点の価値は、採点時間の削減より、答案がデータになることに置かれ始めている。

米国の教員調査では、採点が AI 利用の進みにくい領域として現れる。 Gallup と Walton Family Foundation が2026年に公表した調査では、採点とフィードバックについて「一切ガイダンスがない」と答えた教員が58%で、10の業務のうち1対1の指導に次いで高い。 AI ツールを使っている教員は60%に達するが、そのうち採点に月1回以上使う者は16%で、授業準備や事務より少ない。 AI 利用者の57%は採点とフィードバックの質が改善したと答えており、使う者にとっての評価は高い。 ガイダンスが無いことと利用が少ないことが同時に観測されている。

市場データに現れる非対称

採点は市場として数えられ始めているが、作問は数えられていない。 国内の調査では、富士キメラ総研が教育 DX と ICT 関連の38品目に「デジタル採点システム」を置く。 同社の2023年版も39品目に同じ品目を持つ。 どちらにも「問題作成」に当たる品目はない。 矢野経済研究所の教育産業白書が挙げる15市場にも、学校向けビジネス調査の11市場にも、模試も採点も作問もない。

海外の調査には作問の区分があるが、金額がない。 The Business Research Company はコンテンツの下位区分に「Test Items And Question Banks」を置き、360iResearch はソフトウェアの下位区分に「Assessment Authoring Software」、Stratistics MRC は「Test Creation Platforms」を置く。 いずれも区分ごとの金額は開示していない。

金額が出てくるのはベンダーの主張においてだけである。 プロメトリックは自社の作問 AI について「従来のプロセスに比べて最大18倍のスピード」「レビュー時間を最大85%短縮」「試験開発コストを60%以上削減」と述べる。 出典も方法論も測定期間も標本も示されていないため、本調査では台帳から除外した。

国内のデジタル採点システム市場の金額も、公表された調査会社の資料からは確認できない。 富士キメラ総研の有料レポートの中にのみ存在するとみられる。

調査の範囲と手順

source-collection skill の mode: industry で収集した。 source-researcher を official(公的機関)、analyst(調査会社とシンクタンク)、developer-voice(製品開発者)、labor-market(労働市場)の4 profile で並行起動した。 labor-market profile は本来デザイン職を対象とするため、対象職種を採点と作問の職務に読み替えて適用した。 台帳は source/review/mock-exam-scoring-item-writing/industry.md に置いた。

公的機関の報告書は、事業ページが HTTP 403 を返す場合でも、委託調査報告書の掲載一覧から PDF を直接取得して本文を確認した。 経済産業省の最終成果報告書と大学入試センターの解説は、いずれもこの経路で頁単位の確認ができている。 PDF の取得失敗は、資料が存在しないことの証拠にはならない。

先行する調査 模試運営の負荷と AI 活用の現状 が模試運営の工程全体を扱ったのに対し、本ノートは採点と作問の2工程に限定して深掘りした。 ポジション判定が heavy の情報(方法論なしに自社製品の効果を数値で断定するもの)は台帳から除外し、本文にも用いていない。 数値は出典元の主張として書き、本ノートの検証結果ではない。

未検証事項

  • 文部科学省と自治体の PDF の多くが、FlateDecode と AES による圧縮で本文を抽出できず、記載は検索索引と要約に基づく。文書が存在しないことの証拠ではない。 要一次検証
  • 埼玉県の仕様書、千葉県の改善策ページは HTTP 404 を返し、キャッシュおよび索引経由で確認した。 要一次検証
  • 佐賀県の削減率50〜75%の算出方法と標本は非開示である。 要一次検証
  • 大学入試センターの一部資料は dncwww.boctac.net にあり、DNS が解決できないためアーカイブ経由で確認した。 要一次検証
  • 経産省「未来の教室」の事業ページ(HTML)は HTTP 403 を返すが、委託調査報告書の掲載一覧から最終報告書の PDF を取得し、本文を確認した。 要一次検証
  • プロメトリックの米国特許は HTTP 403 で一次を確認できていない。 要一次検証
  • Gallup の2025年調査は標本数と調査期間が非公開で、原報告も未取得である。 要一次検証
  • 6Wresearch は同一ページ内で成長率が矛盾する(見出し3.81%に対し年次9.8〜11.34%)。 要一次検証
  • 富士キメラ総研の国内デジタル採点市場規模は有料レポート内にあり、金額は取得できていない。 要一次検証
  • 教育測定研究所の ISMS 登録範囲は第三者認証の登録文言であり、実際の受託内容の内訳は非開示である。 要一次検証
  • 徳島大学の団体交渉資料の一部(席上配布資料)は非公開である。 要一次検証
  • 文部科学省の令和9年度調査研究6,000万円は調達予定額である。 要一次検証
  • ナガセの求人情報はハローワーク求人票の転載サイト経由で確認した。 要一次検証
  • 採点者と作問者を独立の職業として集計した公的統計は確認できなかった。 要確認
  • デジタル採点の導入による採点単価の経年変化を示す一次データは確認できなかった。 要確認
  • 生成AIの普及による作問者の募集要件と単価の変化を示す一次データは確認できなかった。 要確認
  • ベネッセの項目バンク規模(767項目、延べ7万人超、2パラメタ・ロジスティックモデル)は原典 PDF の証明書検証に失敗し、紹介ページにも数値の記載がない。 要一次検証
  • 大学入試センターの CBT 問題作成ワーキンググループの試行構築数値(問題素案181問から問題バンク登録32問、委員約20人5班、項目パラメタの正確な推定には1問あたり200〜500人程度が必要だが実証は約160人)は原典が404で、検索索引経由でのみ確認した。 要一次検証
  • ETS の e-rater の advisory flags と人間と機械の乖離閾値は、公式ページが要旨のみで本文を確認できていない。 要一次検証
  • TOPPAN の「採点精度90%以上」とスキャネットの「従来比約10%向上」は自社検証で、標本・期間・定義が非開示である。 要一次検証
  • ある開発者の Embedding 類似度層の撤去(DV2-05)と、教育家庭新聞の記事(DV2-04)は、発話者個人を特定できない(ハンドルのみ、媒体経由)。 要確認
  • 河合塾の採点運用ページは HTTP 403 を返し、既存の台帳を超える一次情報は得られなかった。 要一次検証
  • 大学入試センター研究開発部の技術文書(rd.dnc.ac.jp)は接続拒否で到達できなかった。 要一次検証
  • 教育同人社「はなるAI」の一次資料は確認できなかった。 要確認
  • 4モデル比較(ハルシネーション約5%、そのまま使えない設問約8%)の数値は原典 PDF の本文で確認できていない。 要一次検証
  • ChatGPT 生成問題の欠陥率49%と事実誤り22%は、出版社ページの要旨に基づく。 要一次検証
  • 救急医学の一次試験の比較数値は抄録経由で確認した。 要一次検証
  • AI作問の実試験投入(91クラス1,686名)は arXiv のプレプリントであり、査読を経ていない。 要確認
  • アルサーガパートナーズの調査は母集団の定義と抽出方法が非開示である。 要確認
  • ベネッセ実証の報告書は使用モデル(Azure OpenAI Service GPT-4)と入出力の項目までを開示するが、プロンプトの全文、生成した問題数、誤り率、教員による修正の工数は記載が無い。 要一次検証
  • ベネッセの担当者インタビューは公開日の記載がなく「2024年実施」のみである。 要一次検証
  • Zenn と note の開発者証言はハンドルのみで、本名・所属の裏取りがない。 要確認
  • 実証事業の公募段階で採点が想定されていたかは、事業者側の発表ページが現在リダイレクトされ確認できない。 要一次検証
  • 報告書に掲載された出力例が実際の生成ログそのものか、発表用に整えたものかは記載が無い。 要確認
  • 過年度事業の業務削減一覧にテスト問題作成の事例が無いことは、実施していないことの証明ではない。 要確認

参照文献

公的機関の一次情報(T1)

調査会社・シンクタンク(T2)

学術研究(作問と採点の評価)

事業者・教育機関の一次情報

製品開発者・実装者の一次証言(T3)

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書いた人:小川 修一郎(Design Researcher / Consultant) 経歴を見る →