デザイン研究者/デザインコンサルタント
小川 修一郎
人が試し、やり直せる環境を、デザインでつくっています。
研究でも事業の設計でも、使う人が試せる形を先につくり、反応を見て直していきます。
デザインと AI を専門とし、教育の事業会社で新規事業と R&D を、コンサルティングファームでサービスと事業の設計を担ってきました。研究と実装を一人で往復できるのが持ち味です。
ご相談を受けていること
- UX とサービス設計
- 事業戦略から画面設計までの一貫した担当
- 新規事業の立ち上げ
- 構想から試作(PoC)、事業化、運用までの全工程
- 生成 AI の導入
- 2021 年からの実務経験と、研究と実装の両面
- 効果検証
- 実験(RCT)と行動ログによる効果の数値化
- 共同研究と講演
- 生成 AI と学習、デザインの職能をめぐる研究と、高校や大学での登壇
案件の概要と時期を添えてご連絡ください。
背景
仕事の進め方と経歴
-
研究する
人が試し、やり直せる環境が成り立つ条件を、実験と文献で調べます。
査読論文 3 本(筆頭 1 本)と特許 1 件があり、総務省の検討会で構成員を務めました。
-
つくる
試作から本番まで、クラウドとアプリを自分の手で組みます。
講師評価を予測するシステムを本番に組み込みました。講師管理工数を前年比 40% 削減し、顧客満足度を前年差 +2 ポイント改善しました。
-
確かめる
実験と行動ログで効果を測り、次の判断の基準にします。
生成 AI の教育活用を、技術調査から効果測定まで単独で確かめ、査読論文にまとめました。
経歴
教員、エンジニア、教育の事業会社、コンサルティングファームの順に立場を変えてきました。デザインでは、2019 年から美術大学で情報表現とデザインの演習を担当しています。AI では、2021 年から生成 AI を実務で導入し、教育での活用を効果測定まで行って査読論文にまとめました。
スキル
- デザイン
- 顧客とユーザーの理解/価値発見と定義/デジタルプロダクト設計
- ビジネス変革
- 事業戦略と技術の事業化/仮説検証/成果指標の設計
- データ整備・活用
- 生成 AI と LLM の活用/統計分析と可視化/データ基盤
- テクノロジー
- クラウド活用/サーバレスとコンテナ/フロントエンド開発
スキル名はデジタルスキル標準 ver.2.0(経済産業省と IPA)の共通スキルリストに対応しています。
スキルの内訳(22 項目)
- デザイン
- 顧客とユーザーの理解/価値発見と定義/デジタルプロダクト設計/ユーザー視点の検証/共創のファシリテーション/デザインプロセス管理/体験価値ガバナンス/デザインによる組織運営
- ビジネス変革
- 事業戦略と技術の事業化/仮説検証(PoB:事業性の検証)/成果指標の設計(KGI / KPI)/プロジェクト管理(PMP®)/マーケティング
- データ整備・活用
- 生成 AI と LLM の活用/統計分析と可視化(Python、Looker Studio)/データ基盤(BigQuery)
- テクノロジー
- クラウド活用(GCP / AWS / Azure)/サーバレスとコンテナ(Docker / Lambda / Firebase)/フロントエンド開発(React / Vue / Next.js / Nuxt.js)/バックエンド開発(FastAPI / Django / Nest.js)/データベース(PostgreSQL / MySQL / Firestore)/SRE と CI/CD(GitHub Actions)
このスキルの表では、デザインを造形に限らず、人を起点とする価値創造と問題解決の手段として扱っています(経済産業省『デザイン政策ハンドブック 2020』)。
実績
案件
教育の事業が中心で、金融とヘルスケアの案件もあります。
代表的な 5 件。新しい順
-
金融機関 BtoC 契約プロセスの UX 刷新
2025–2026
契約プロセスの UX 刷新を、3〜5 年の中長期構想からタッチポイントごとの画面デザインまでリードしました。構想では AI 同士が契約を結ぶ AI to AI の仕組みも検討し、デザイン業務は生成 AI を活用して効率化しています。
定量的な成果は、守秘義務のため公開していません。
- 企画
- 要件定義
- 設計
- 導入と運用
-
生成 AI の教育活用 R&D
2023–2025
生成 AI を教育で使う条件を、技術調査からインタラクション設計、効果測定まで単独で確かめました。
定量的な成果は、守秘義務のため公開していません。論文にした範囲は、査読論文(STEM 教育研究 Vol.7)に掲載されています。
- 調査
- 仮説検証
- 設計
- 実装
- 効果測定
-
学習継続支援の行動デザイン R&D
2021–2022
学習を続けられる条件を行動デザインの観点から研究し、生成 AI(デジタルヒューマン技術)で個別の介入を提案するシステムを開発しました。
定量的な成果は、守秘義務のため公開していません。
- 設計
- 実装
-
マルチモーダル感情解析システム
2020–2021
音声と表情を AI で解析して講師評価を予測するシステムを開発し、本番サービスに組み込みました。
講師管理工数を前年比 40% 削減し、顧客満足度を前年差 +2 ポイント改善しました。
- 調査
- 仮説検証
- 実装
- 効果測定
- 導入と運用
-
IoT / LPWA 新規事業開発
2018–2019
IoT と省電力広域無線(LPWA)を使う新規事業を、技術調査からデバイスと基盤の開発、事業化の検証まで自分の手で進めました。
定量的な成果は、守秘義務のため公開していません。
- 企画
- 調査
- 仮説検証
- 設計
- 実装
※ 守秘義務により、案件のビジュアルの公開は控えています。
研究
研究していること
生成 AI と学習、デザインの職能を題材に、人が試し、やり直せる環境が成り立つ条件を研究しています。
論文
-
バイブコーディング体験によるプログラミング非熟練者のアプリ制作意欲への効果
情報教育シンポジウム 2026 論文集(情報処理学会), pp.103–110, 2026、査読あり
共著
-
Educational Effects of Pair Programming with Generative AI for Novice Learners
New Perspectives in Science Education 15th Ed., pp.330–337, 2026、査読あり
共著
-
通信教育課程の大学生を対象とした生成 AI チャットボット Creative Copilot によるオンライン講義でのジェネラティブアート制作支援:STEAM 教育実践のための新たなアプローチの評価
STEM 教育研究 Vol.7, pp.32–41, 2025、査読あり
筆頭著者
関心の推移
調べてきたことの移り変わり
ノートの記録から読める範囲で、関心の移り変わりを月ごとに分けました。題材は月ごとに変わりますが、繰り返し戻ってくる問いもあります。
-
2026年6月
AI でデザイナーの仕事と稼ぎはどう変わるか
デザイナーの役割と課金の仕組みを産学の討議で論じ、一つの討議に追記を重ねました。下旬からは、AI エージェントの体験とデザイナーの報酬を、学術と産業の資料を対にして調べました。
-
2026年7月
デザイナーの報酬と期待、そして研究の方法
前半は、AI への期待ギャップ、キャリア、報酬を学術と産業の対で調べ続けました。中旬からはデザイン研究の方法論と問いの立て方に移り、AI 研究の空白を探すノートを、見方を変えながら 4 本続けました。
-
2026年8月
学ぶことと能力の測定、AI スロップとデザインの来歴
失敗から学ぶ設計、生成 AI に頼ることの影響、自分で作ることの学習効果と、ギャルマインドのような構えを何で測れるのかを調べました。月末は、AI が量産する質の低い生成物をデザイン史から読み直し、日本のデザイン研究の来歴を一次資料で追いました。
-
2026年9月
仕事を載せる標準、AI に任せる判断、新規性の見つけ方
デザインシステムの効果の証拠と、工程とスキルが載る公的な標準を確かめたあと、型づけられた判断だけを返す AI と模試の採点を例に、人の判断のどこまでが AI に移るのかを調べました。下旬は、この wiki の引用ネットワークを絵にする作品と、新規性の芽をどこで見つけるかに移っています。
-
2026年10月
最初の有利と運、ジュニアの育ち方、デザインの教育と哲学
努力できることも才能か、最初の有利は運かを学術文献で確かめ、コンサルティングとデータ可視化を買う側が何に価値を見るのかを産業界の資料で調べました。続けて、生成 AI で下積みが減るときにジュニアが何を引き継げればよいか、デザイン教育とデザイン哲学が何を担ってきたかを追っています。
題材が変わっても、デザイナーという仕事がどこに位置づくのか、人の能力や仕事の成果を何で測るのか、という二つの問いには繰り返し戻ってきています。
2026年10月11日までの更新記録にもとづき、日本語ノート 219 件から定期収集のウォッチ 19 件を除いた 200 件(非公開のノートを含む)を、最初に記録した日の月で分けています。
記録
ノート
AI とデザインの調査と考察を、つくる過程もあわせて公開しています。
-
生成 AI で大学生の動機とエンゲージメントは上がるのか:Xia ら(2025)のメタ分析を読む
2026-10-24
Xia、Li、Yang、Weng、Chiu(2025、Computers and Education: Artificial Intelligence)は、大学生を対象に生成 AI を使う群と使わない群を比べた 33 件を統合し、動機づけで g = 1.20(12 件)、四つのエンゲージメントで g = 0.52〜0.87 の正の効果を報告した。本文を読むと、この数字が支える範囲は狭い。組み入れた研究には生成型でないチャットボット(回答をデータベースから選ぶもの、会話の筋書きを組むもの)と、2022 年 11 月の区切りより前の研究が入り、対照群が何をしたかは符号化されていない。測度の多くは質問紙の自己報告で、全体の異質性の指標は本文と表に無い。公開データから計算し直すと、I² は 85〜93% で、五つの区分の予測区間はどれも負の値を含んだ。動機づけの大きな平均は、教室内だけで使った 3 件(g = 2.94)に引かれており、この 3 件を除くと 0.58 になる。データには、対照群の欄に実験群の変化量を写した誤りと、本文に書かれていない 6 行の除外もあった。結論のうち、理系で効く、個人学習で効く、ChatGPT で効くという部分は、調整変数の表が支えていない。既存の知見と照らすと、動機と取り組みの自己報告が上がることは、AI を外したあとに何が残るかとは別の問いで、無作為化した実験では内発的動機に差が出ず、作文の点が上がっても知識の獲得と転移には差が無かった例がある。人が試し、やり直せる環境をつくるという見方からは、この論文は、AI が答えを渡したのか、学習者が先に試してから AI に聞いたのか、何度やり直したのかを符号化していないので、効果が試行を支えたのか短くしたのかを判定できない。
-
AI エージェントは 70 年で何度流行り、デザインはそのたびに何をしたか(学術研究から)
2026-10-24
「AI エージェント」という考えが 1950 年代から 2026 年までにどう生まれ、流行り、退き、戻ってきたかを、AI と HCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)の学術文献 47 件で整理し、その出入りの中でデザインが役目を果たしたかを確かめた。源流は二つあり、Turing と McCarthy は自分で考え教えられて賢くなる機械を構想し、Licklider は機械が人を超えるまでの長い期間を人と計算機が密に組んで考える時代とみた。1990 年代にエージェントはインタフェースの言葉になった。Maes は学習するインタフェースエージェントを個人秘書の比喩で説明し、その課題を能力と信頼の二つに置いた。Apple の Erickson は、適応する機能と、それを生き物のように見せる比喩を分け、見せ方の研究を求めた。同じ時期に最も強い批判もデザインの側から出た。Norman は難しさは技術より社会の側にあると書き、Lanier は人がエージェントを賢く見せるために自分を愚かにすると論じ、Shneiderman は Maes との討論で責任を中心の論点に置き、人の姿をした画面は失敗してきたと述べた。Office 97 のアシスタントの元になった Lumière の研究では、使いやすさの実験室での実験で的外れな助言が利用者に高くつくことが分かっていたが、製品は人物の姿を前面に置き、助けを出すかを確からしさと効用で決める仕組みを使わなかった。言葉がインタフェースから退いたあいだも、自動化の水準、信頼の較正、混合主導の原則、人と AI の相互作用の 18 の指針といった道具はデザインと人間工学の側に残った。2016 年のチャットボットの流行は 2018 年に退き、UX デザイナーは機械学習を素材として扱いにくいと報告した。2022 年以降の LLM エージェントは機械学習の側から戻ってきて、その総説は 1990 年代の定義を引用し、ウェブと OS の課題で人の成功率 78.24% と 72.36% に対しエージェントは 14.41% と 12.24% にとどまった。デザインの研究は、自律の水準を能力と別の設計判断として扱い、計画と実行を人と分け合う画面を作り、宣伝された用途を 31 人が試すと心のモデルとのずれに阻まれることを示した。デザインは能力を生む役ではなかったが、能力をどう見せ、どこまで任せるかを決める語彙を各時代に出してきた。その語彙が製品で守られたかは、Office アシスタントの一例を除いて確かめられていない。
-
個人情報の漏えいが続くとき、デザイナーは何ができ、どこで付加価値を出せるか(産業界の資料から)
2026-10-24
個人情報の漏えいが続くなかで、デザイナーに何ができ、どこで付加価値を出せるかを、産業界の資料(個人情報保護委員会、消費者庁、デジタル庁、FTC、NIST、EDPB、ICO、NCSC、各国の消費者当局と個人情報保護当局の一斉調査、Verizon、IBM、東京商工リサーチ、JNSA、Pew、JIPDEC の公表値、Microsoft、Google、GitHub、メルカリ、ヌーラボ、GOV.UK の当事者の証言)で整理した。漏えいの原因は資料で違って見える。上場企業の公表事故ではウイルス感染と不正アクセスが 64.4% で、誤表示と誤送信は 20.5% だった。全事業者の漏えい等報告では、紙だけが漏れた事案が 76.9%、1,000 人以下の事案が 93.6% で、病院や薬局の書類の誤交付とクレジットカードの誤送付が多い。侵害の 62% に人が関わるが、最初の侵入経路の首位は脆弱性の悪用(31%)で、画面の設計が届くのは漏えいの一部である。その一部で、規制当局と当事者は、利用者に気をつけさせる設計から、間違えにくく作る設計へ移っている。デジタル庁はパスワードとワンタイムパスワードの組み合わせがリアルタイム中継型のフィッシングを防げないとし、NIST はパスワードの組成規則を禁じ、パスワードマネージャーと貼り付けを認めた。パスキーを導入した企業の当事者は、勧める場所(設定画面からの登録は 1% 未満、登録の 97% が勧誘の画面から)、言葉、失くしたときの回復を設計の論点として語った。同意と解約の画面は規制の対象になり、27 の消費者当局の一斉調査では 642 事業者の 75.70% が少なくとも一つのダークパターンを使い、FTC と Amazon の和解では、加入しない選択の明確なボタンと加入と同じ容易さの解約が求められた。日本でも消費者庁の検討会がダークパターンの包括的な規律を検討すべきとした。付加価値は、規制当局がデザイナーを名指しして求める仕事(設計段階での関与、既定の設定、学際チーム)と、当事者が数えた問い合わせの減少(2FA の必須化で関連の問い合わせが 3 分の 1 減)に現れる。セキュリティやプライバシーに強いデザイナーの給与や求人が伸びたことを示すデータは見つからなかった。学術版は designer-security-privacy-value-literature。