ノートの分析と作品
引用ネットワーク
142 本のノートが引いた 4,227 件の文献を、ネットワークとして分析し、7 点の作品にする。
このサイトのノートは、末尾に参考文献(論文やウェブページ)を載せています。ここでは文献を点、1 本のノートを「そのノートが引いた文献をまとめて結ぶ線」とみなし、ノートどうしが同じ文献で出会う場所を描きます。
対象は2026年6月から2026年9月に書いた公開ノートです。同じデータを 7 通りに描き、分析でわかったことと方法、元データもあわせて公開します。
01
作品
動く作品(織物、星座、年輪)は、開くたびにブラウザの中で力の計算をして、文献の位置を決める。静止画(束、弧、流れ、流線)は、完成した形を一度に描く。束、弧、流れは決まった並びに置き、流線は動く作品と同じ力の計算で求めた位置を使う。
1 本の糸が 1 本のノートで、糸の集まる結び目が、2 本以上のノートが引いた文献である。
星は 2 本以上のノートが引いた文献で、一緒に引かれた星どうしを線で結ぶ。
中心から外へ時期が進み、文献は初めて引かれた時期の輪の上で、グループの扇形の中に置かれる。
文献を円周に並べ、一緒に引かれた文献どうしを、グループの道すじに沿って束ねた線で結ぶ。
ノートを書いた順に一列に並べ、同じ文献を引くノートどうしを弧で結ぶ。
左から右へ時間が進み、帯の太さは、その頃にそのグループの文献が引かれた回数である。
文献の位置から見えない流れの場をつくり、その流れに沿って線を引く。
マウスを重ねると名前が、押すとカード(ノートや文献へのリンク)が出る。Esc か余白を押すと閉じる。動く作品は「別の配置で生成」で配置を変えられ、「画像を保存」でいまの絵を保存できる。
実装:TypeScript と p5.js 2.3(p5 は canvas と描画ループを受け持ち、図形は Canvas 2D に直接描く)。ノートの集計とグループ分けはビルド時に graphology(Louvain 法、媒介中心性)で行い、配置の力の計算と各作品の描画は自作のコードで行う。サイトは Astro で静的に生成する。
- 1 2026年6月上旬〜7月中旬 AI でデザイナーの仕事と稼ぎはどう変わるか
- 2 2026年7月中旬〜下旬 研究の方法と、問いの立て方
- 3 2026年8月上旬〜下旬 学ぶことと、能力を測ること
- 4 2026年8月下旬 AI スロップと、デザインという分野の来歴
- 5 2026年9月中旬 デザインシステムと、仕事を載せる標準
- 6 2026年9月中旬〜下旬 AI に任せる判断と、つくって考える方法
この作品のしくみ (織物)
| 見た目 | 表すもの |
|---|---|
| 結び目 | 文献(2 本以上のノートが引いたもの) |
| 結び目の大きさ | 引用数 |
| 塗り/輪 | 種類(塗りは論文、輪はウェブページ) |
| 結び目の濃さ | グループ(薄いほどウェブ寄り) |
| 結び目どうしの近さ | 共引用数(多いほど近くに寄る) |
| 糸 | ノート(引いた文献を、近いものから順に通る) |
| 糸のまわりの粒 | そのノートだけが引いた文献(粒の位置に意味はない) |
| 小さな輪の糸 | 2 本以上のノートが引く文献を 1 件も引かないノート |
| 糸が加わる順(左下に時期) | 書いた日と時期(古いノートから) |
| 赤 | 選んだものと、引用数が最も多い文献 |
作り方
文献どうしを共引用数に応じたばねで引き合わせ、すべての文献を互いに押し合わせて、釣り合った場所に置く。ノートは書いた日の順に 1 本ずつ加わり、そのたびに糸が 1 本増え、新しい文献とばねが足される。開くたびに始まりの配置を変えるので形は変わるが、どれとどれが近いかはおおむね保たれる。
近さ ← 共引用数、重さ ← 引用数
参考
Jacomy et al.(2014)、Eades(1984)、Fruchterman & Reingold(1991)、Small(1973)、Yuksel et al.(2009)
実装
自作の力学シミュレーションと、結び目を通る糸の曲線(中心化 Catmull-Rom)。 src/lib/weave-works/weave.ts、src/lib/weave-works/physics.ts
この作品のしくみ (星座)
| 見た目 | 表すもの |
|---|---|
| 星 | 文献(2 本以上のノートが引いたもの) |
| 星の大きさ | 引用数 |
| 塗り/輪 | 種類(塗りは論文、輪はウェブページ) |
| 星の濃さ | グループ(薄いほどウェブ寄り) |
| 線 | 一緒に引かれたことのある 2 つの文献 |
| 線の太さと濃さ | 共引用数(多いほど太く濃い) |
| 星どうしの近さ | 共引用数(多いほど近くに寄る) |
| 灯る順(左下に時期) | 書いた日と時期(その文献を初めて引いたノートの順) |
| 赤 | 選んだものと、引用数が最も多い文献 |
作り方
織物と同じ力で文献を置き、一緒に引かれたことのある 2 つの文献を直線で結ぶ。ノートを書いた日の順に、そのノートが初めて引いた文献の星が灯り、初めて一緒に引いた組に線が引かれる。糸は描かない。
線の太さと濃さ ← 共引用数
参考
Jacomy et al.(2014)、Eades(1984)、Fruchterman & Reingold(1991)、Small(1973)
実装
自作の力学シミュレーション。 src/lib/weave-works/constellation.ts、src/lib/weave-works/physics.ts
この作品のしくみ (年輪)
| 見た目 | 表すもの |
|---|---|
| 点 | 文献(2 本以上のノートが引いたもの) |
| 点の大きさ | 引用数 |
| 塗り/輪 | 種類(塗りは論文、輪はウェブページ) |
| 点の濃さ | グループ(薄いほどウェブ寄り) |
| 中心からの距離(輪) | その文献が初めて引かれた時期(中心が最も古い) |
| 角度(扇形) | グループ(真上から時計回りに、ウェブ寄りから学術寄り) |
| 扇形の幅 | そのグループの文献の数 |
| 区画の中の位置 | 一緒に引かれる相手のいる向き(細かな位置に意味はない) |
| 刻み | ノート(書いた時期の輪の上の、最も多く引いたグループの扇形) |
| 最後の扇形の刻み | 2 本以上のノートが引く文献を 1 件も引かないノート |
| 刻みから点への線 | そのノートが引いた文献 |
| 赤 | 選んだものと、引用数が最も多い文献 |
作り方
輪と扇形を先に決め、文献は、初めて引かれた時期の輪とグループの扇形が交わる区画の中にだけ置く。区画の中では同じ区画の文献とだけ押し合い、共引用数のばねは区画をまたいで弱く働くので、一緒に引かれる相手のいる側へ少し寄る。軸をデータの値で固定するので、描き直しても同じものさしで比べられる。
半径 ← 初めて引かれた時期、角度 ← グループ
参考
Jacomy et al.(2014)、Eades(1984)、Fruchterman & Reingold(1991)、Small(1973)、Krzywinski et al.(2012)
実装
区画の中に拘束した自作の力学シミュレーション。 src/lib/weave-works/rings.ts、src/lib/weave-works/physics.ts
この作品のしくみ (束)
| 見た目 | 表すもの |
|---|---|
| 円周の印 | 文献(2 本以上のノートが引いたもの) |
| 印の大きさ | 引用数 |
| 塗り/輪 | 種類(塗りは論文、輪はウェブページ) |
| 印の濃さ | グループ(薄いほどウェブ寄り) |
| 円周の並び | グループ(真上から時計回りに、ウェブ寄りから学術寄り)。グループの中は初めて引かれた日の順 |
| 外側の細い弧 | グループの範囲 |
| 線 | 一緒に引かれたことのある 2 つの文献 |
| 線の太さと濃さ | 共引用数(多いほど太く濃い)と、両端のグループの濃さ |
| 線の曲がり | グループと時期の木をたどる道すじ(同じ道を通る線が束になる) |
| 赤 | 選んだものと、引用数が最も多い文献 |
作り方
文献をグループごとに円周に並べ、グループの中は初めて引かれた日の順にする。一緒に引かれた 2 つの文献を結ぶ線は、まっすぐ結ばず、グループと時期でできた木の道すじに沿って曲げる。同じ道を通る線が重なるので、よく結びつくグループの間に太い束が浮かぶ。
参考
Holten(2006)、Holten & van Wijk(2009)、de Boor(1978)
実装
自作の階層の束ね(Holten の方法)と B-spline。 src/lib/weave-works/bundle.ts
この作品のしくみ (弧)
| 見た目 | 表すもの |
|---|---|
| 刻み | ノート |
| 短く薄い刻み | ほかのノートと文献を 1 件も共有しないノート |
| 並び(横長は左から右、縦長は上から下) | 書いた順(間隔は等しい) |
| 基線の外の区切りと番号 | 時期 |
| 弧 | 文献を 1 件以上共有する 2 本のノート |
| 弧の太さと濃さ | 共有数(多いほど太く濃い) |
| 弧の大きさ | 書いた順の隔たり |
| 弧の濃さの段 | 共有する文献の最も多いグループ(薄いほどウェブ寄り) |
| 赤 | 選んだノート |
作り方
ノートを書いた順に、等しい間隔で一列に並べる。文献を共有する 2 本のノートを、その 2 本の間を直径とする半円で結ぶ。大きな弧ほど、書いた時期の離れたノートどうしが同じ文献でつながっている。
弧の太さと濃さ ← 共有数
この作品のしくみ (流れ)
| 見た目 | 表すもの |
|---|---|
| 横の位置 | 書いた日(左が古い) |
| 層 | グループ |
| 層の厚さ | その日付の前後に書いたノートが、そのグループの文献を引いた回数 |
| 層の濃さ | グループ(薄いほどウェブ寄り) |
| 層の並び | 早く現れたグループほど内側 |
| 縦の細い線と日付 | 時期の始まり |
| 下の刻み | その日に書いたノート(多いほど長い) |
| 赤 | 選んだノートが流れに足した分 |
作り方
ノートごとに、引いた文献(2 本以上のノートが引くもの)をグループごとに数え、その数をノートを書いた日の前後にならして広げ、グループごとに足し合わせる。グループごとの量を層にして積み、層のゆれが小さくなるように全体の上下の位置を決める。早く現れたグループを内側に置き、遅く現れたグループを外側に足す。
層の厚さ ← その頃の引用の回数
参考
Byron & Wattenberg(2008)、Havre et al.(2002)、Silverman(1986)
実装
自作のカーネル平滑化と wiggle 基線。 src/lib/weave-works/river.ts
この作品のしくみ (流線)
| 見た目 | 表すもの |
|---|---|
| 点 | 文献(2 本以上のノートが引いたもの) |
| 点の大きさ | 引用数 |
| 塗り/輪 | 種類(塗りは論文、輪はウェブページ) |
| 点の濃さ | グループ(薄いほどウェブ寄り) |
| 点どうしの近さ | 共引用数(多いほど近くに寄る) |
| 渦 | 文献の集まり(引用数が多いほど強い) |
| 渦の向き | グループ(隣り合うグループで逆に回る) |
| 線の太さと濃さ | 文献の密集の度合いと、その場所で最も強いグループの濃さ |
| 赤 | 選んだものと、引用数が最も多い文献 |
作り方
文献の位置は織物と同じ力で決める。文献ごとに引用数に応じた強さの渦を置き、回る向きをグループごとに交互にし、左から右へのゆるい流れを足して、見えない流れの場をつくる。その場に沿って、線どうしがほぼ同じ間隔を保つように線を引く。
渦の強さ ← 引用数
参考
Jobard & Lefer(1997)、Turk & Banks(1996)、Batchelor(1967/2000)
実装
自作の流れ場と Jobard–Lefer 法(配置は自作の力学シミュレーション)。 src/lib/weave-works/streamlines.ts、src/lib/weave-works/physics.ts
02
わかったこと
文献は 11 のグループ(よく一緒に引かれる文献のまとまり)に分かれ、ノートは書いた日で 6 つの時期に分かれる。
-
6 つの時期のすべてで引かれたグループは、「産業の観測」だけである。
文献 96 件、論文の割合 9%。ほかの 10 グループには、どれも引かれない時期がある。
-
論文がほぼすべてのグループは、1 つの時期に集中して引かれる。
論文の割合が 95% 以上の 4 グループは、どれも引用の 74% 以上が 1 つの時期に集まる。
-
グループどうしを最も強くつなぐ文献は、Doshi & Hauser 2024 である。
媒介中心性(ほかの文献どうしを結ぶ近道に出てくる度合い。Freeman, 1977)が最大の文献。これを引くノート 8 本は、11 グループのうち 7 グループの文献を引いている。
-
同じ文献を 1 件以上共有するノートの組は 524 組ある。
ノート 142 本からできる 10,011 組の 5% にあたる。
03
しくみ
ノートから数を取り出し、その数を作品ごとの規則で形にする。数えるのはサイトを生成するときの 1 回だけなので、同じノートからは毎回同じ数になる。
-
01
ノート
公開ノート 142 本。下書きは数えない。
-
02
引いた文献の一覧
各ノートの参考文献の節から DOI と URL を拾い、同じ文献を 1 件にまとめる。4,227 件になる。
-
03
下の 6 つの量を数える。
-
04
量を、位置、大きさ、濃さ、線に置き換える。規則は、各作品の下の「この作品のしくみ」にある。
数える 6 つの量
作品の下の「この作品のしくみ」も、この名前で使うデータを示す。
- 引用数
- その文献を引いたノートの本数。
- 書いた日と時期
- ノートが初めて書かれた日と、トップページと同じ 6 つの時期。
- グループ
- 一緒に引かれやすい文献のまとまり(自動で分けた 11 個)と、その中の論文の割合(ウェブ寄りか学術寄りか)。
- 種類
- 論文(DOI やプレプリント)か、ウェブページか。
織物、星座、年輪、束、流線で点(結び目)になるのは、2 本以上のノートが引いた文献 445 件だけである(引いた文献 4,227 件のうち)。1 本のノートだけが引いた文献は、織物で糸のまわりの粒になる。
式と係数は、分析ノートの「作品の式」にある。
グループの一覧
よく一緒に引かれる文献を、Louvain 法(Blondel et al., 2008)でグループに分ける。分かれ方の明瞭さはモジュラリティ(Newman & Girvan, 2004)で測る。計算が決めるのはどの文献が同じグループに入るかまでで、名前と説明は人が中身を読んで付けた。
一覧はウェブ寄り(論文の割合が低い)から学術寄りの順で、絵の濃さと年輪の扇形も同じ順に並ぶ。論文は DOI のある論文と arXiv などのプレプリント、ウェブページはあとから中身が変わりうるページを指す。
-
スキルの公的標準
デジタル人材のスキルを国が定めた標準です。
論文の割合 0%文献 1 件、よく引かれた時期:時期 5(2026年9月中旬)
-
産業の観測
デザインツールの更新履歴、AI 企業の発表、市場の調査、規制のページ。週次ウォッチが毎週見に行く場所です。
論文の割合 9%文献 96 件、よく引かれた時期:時期 1(2026年6月上旬〜7月中旬)
-
AI に任せる判断と評価の標準
判断を返す AI の設計資料と、AI をどう評価するかを決める公的な文書です。
論文の割合 25%文献 51 件、よく引かれた時期:時期 6(2026年9月中旬〜下旬)
-
デザインシステム
デザインシステムの仕様と、その効果を確かめた研究です。
論文の割合 63%文献 8 件、よく引かれた時期:時期 5(2026年9月中旬)
-
LLM による評価
言語モデルに採点や評価をさせる方法とその限界の研究です。
論文の割合 80%文献 15 件、よく引かれた時期:時期 2(2026年7月中旬〜下旬)
-
研究のすき間と問題の立て直し
研究の空白を探し、問題の立て方そのものを見直すときに引いた文献です。
論文の割合 83%文献 58 件、よく引かれた時期:時期 2(2026年7月中旬〜下旬)
-
AI とデザインの実務、教育
生成 AI がデザインの現場と教室に入ったとき何が起きるかを調べた研究です(HCI の学会 CHI が中心)。
論文の割合 90%文献 52 件、よく引かれた時期:時期 1(2026年6月上旬〜7月中旬)
-
構えと能力を測る
人の構えや能力を、何を手がかりにどう測るかを考えた文献です。
論文の割合 95%文献 39 件、よく引かれた時期:時期 3(2026年8月上旬〜下旬)
-
生成と創造性
ジェネラティブアートと、AI が人の創造性や発想の多様さをどう変えるかの研究です。
論文の割合 98%文献 43 件、よく引かれた時期:時期 3(2026年8月上旬〜下旬)
-
研究の問いの立て方
新しい問いの見つけ方と、つくることで研究する方法(Research through Design)の文献です。
論文の割合 100%文献 42 件、よく引かれた時期:時期 2(2026年7月中旬〜下旬)
-
学ぶことと認知負荷
人が学ぶとき頭にかかる負担と、学びを支える手立ての研究です。
論文の割合 100%文献 40 件、よく引かれた時期:時期 3(2026年8月上旬〜下旬)
6 つの時期
時期はトップページの「関心の推移」と同じ 6 つである。時間はノートを初めて書いた日(更新記録に初めて出た日)で数え、最後に直した日では数えない。
- 1
2026年6月上旬〜7月中旬
AI でデザイナーの仕事と稼ぎはどう変わるか
初めて書いたノート 44 本、初めて引かれた文献 149 件
最も多く引かれたグループ:産業の観測
- 2
2026年7月中旬〜下旬
研究の方法と、問いの立て方
初めて書いたノート 37 本、初めて引かれた文献 121 件
最も多く引かれたグループ:研究のすき間と問題の立て直し
- 3
2026年8月上旬〜下旬
学ぶことと、能力を測ること
初めて書いたノート 34 本、初めて引かれた文献 115 件
最も多く引かれたグループ:生成と創造性
- 4
2026年8月下旬
AI スロップと、デザインという分野の来歴
初めて書いたノート 10 本、初めて引かれた文献 18 件
最も多く引かれたグループ:産業の観測
- 5
2026年9月中旬
デザインシステムと、仕事を載せる標準
初めて書いたノート 5 本、初めて引かれた文献 11 件
最も多く引かれたグループ:デザインシステム
- 6
2026年9月中旬〜下旬
AI に任せる判断と、つくって考える方法
初めて書いたノート 12 本、初めて引かれた文献 31 件
最も多く引かれたグループ:AI に任せる判断と評価の標準
初めて引かれた文献は、2 本以上のノートが引く文献のうち、その時期のノートが初めて引いたものである。トップページと数が違うのは、ここでは公開ノートだけを数え、定期収集のウォッチのノートも含めるためである。
位置と距離が表すもの
- 織物、星座、流線では、文献の位置を前もって決めず、次の力が釣り合う場所に置く。共引用数が多い文献どうしほど強く引き合う。すべての文献は互いに押し合う。全体は真ん中へ弱く引かれる。引用数が多い文献ほど重く、押す力も少し強い。年輪も似た力を使うが、文献は決まった区画の中だけを動く。力の形は ForceAtlas2(Jacomy et al., 2014)にならい、重さはこのサイトで加えた。
- 重さの効き目を実測すると、重い文献は、同じ力を受けたときの動きは小さいが、実際の移動量は軽い文献とほぼ変わらなかった。多く引かれる文献ほど、引き合う相手も多いためである。
- 意味を持つのは相対的な近さだけである。近い文献ほど、同じノートで一緒に使われやすい。全体の形と向き(どちらが上か、右か)は開くたびに変わり、意味を持たない。距離を定規で測って比べることもできず、力で配置した図の近さには読みのあいまいさが残る(Venturini et al., 2021)。
- 力で配置した図は、始めの置き方で仕上がりが変わる。Gansner et al.(2005)は、同じ図を 25 通りのランダムな始め方で描いて比べている。1 つの配置だけを見せると偶然の形が答えに見えるので、このページは開くたびに別の配置を生む。ボタンの横の番号(「配置 1234」など)は配置の種(シード)で、URL の # の後にも入る。同じ番号の URL を開くと、同じ配置が再現される。何度生み直しても近くにいる文献どうしは、それだけ強く結びついている。
- 「スキルの公的標準」のグループは文献が 1 件だけで、ほかの文献と一度も一緒に引かれていないため、位置に意味はない。
数字
- 公開ノート
- 142 本
- 引かれた文献
- 4,227 件
- うち DOI(論文ごとの識別番号)つき 2,089 件
- 2 本以上のノートが引く文献
- 445 件
- 織物の結び目、星座の星
- 一緒に引かれた文献の組
- 5,870 組
- 星座の線
- グループ
- 11 個
- よく一緒に引かれる文献のまとまり
- モジュラリティ
- 0.73
- グループの分かれ方の明瞭さ。1 に近いほど明瞭
文献を 1 件以上読み取れたノートは 137 本。公開前の下書き(draft)のノート 33 本は数えていない。
元データと分析ノート
- 元データ(JSON)
このページと同じデータ。サイトを生成するたびに作り直す。
- 分析ノート
計算の手順と結果を記録したノート。
- 文献ノート
ネットワークの可視化とデータアートの方法について、先行研究をまとめたノート。
参考文献
分析と 7 点の作品は、次の文献の方法と考え方にもとづく。引用で分野の地図を描く試みは知識領域の可視化として Börner et al.(2003)にまとめられ、専用の道具に Chen(2006)の CiteSpace がある。
作品ごとの土台
分析の方法
- Small, H. (1973). Co-citation in the scientific literature: A new measure of the relationship between two documents. Journal of the American Society for Information Science, 24(4), 265–269. https://doi.org/10.1002/asi.4630240406
- Kessler, M. M. (1963). Bibliographic coupling between scientific papers. American Documentation, 14(1), 10–25. https://doi.org/10.1002/asi.5090140103
- Blondel, V. D., Guillaume, J.-L., Lambiotte, R., & Lefebvre, E. (2008). Fast unfolding of communities in large networks. Journal of Statistical Mechanics: Theory and Experiment, 2008(10), P10008. https://doi.org/10.1088/1742-5468/2008/10/P10008
- Newman, M. E. J., & Girvan, M. (2004). Finding and evaluating community structure in networks. Physical Review E, 69(2), 026113. https://doi.org/10.1103/PhysRevE.69.026113
- Freeman, L. C. (1977). A set of measures of centrality based on betweenness. Sociometry, 40(1), 35–41. https://doi.org/10.2307/3033543
- Brandes, U. (2001). A faster algorithm for betweenness centrality. Journal of Mathematical Sociology, 25(2), 163–177. https://doi.org/10.1080/0022250X.2001.9990249
- Battiston, F., Cencetti, G., Iacopini, I., Latora, V., Lucas, M., Patania, A., Young, J.-G., & Petri, G. (2020). Networks beyond pairwise interactions: Structure and dynamics. Physics Reports, 874, 1–92. https://doi.org/10.1016/j.physrep.2020.05.004
- Börner, K., Chen, C., & Boyack, K. W. (2003). Visualizing knowledge domains. Annual Review of Information Science and Technology, 37(1), 179–255. https://doi.org/10.1002/aris.1440370106
- Chen, C. (2006). CiteSpace II: Detecting and visualizing emerging trends and transient patterns in scientific literature. Journal of the American Society for Information Science and Technology, 57(3), 359–377. https://doi.org/10.1002/asi.20317
配置を力で生む方法(織物、星座、年輪)
- Jacomy, M., Venturini, T., Heymann, S., & Bastian, M. (2014). ForceAtlas2, a continuous graph layout algorithm for handy network visualization designed for the Gephi software. PLoS ONE, 9(6), e98679. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0098679
- Eades, P. (1984). A heuristic for graph drawing. Congressus Numerantium, 42, 149–160. https://www.cs.ubc.ca/~will/536E/papers/Eades1984.pdf
- Fruchterman, T. M. J., & Reingold, E. M. (1991). Graph drawing by force-directed placement. Software: Practice and Experience, 21(11), 1129–1164. https://doi.org/10.1002/spe.4380211102
- D3. (n.d.). d3-force [Software documentation]. D3. https://d3js.org/d3-force 公式ドキュメントを読んで確かめました(2026-09-23)。
- Gansner, E. R., Koren, Y., & North, S. (2005). Graph drawing by stress majorization. In Graph Drawing (GD 2004) (Lecture Notes in Computer Science, Vol. 3383, pp. 239–250). Springer. https://doi.org/10.1007/978-3-540-31843-9_25
- Venturini, T., Jacomy, M., & Jensen, P. (2021). What do we see when we look at networks: Visual network analysis, relational ambiguity, and force-directed layouts. Big Data & Society, 8(1). https://doi.org/10.1177/20539517211018488
- Krzywinski, M., Birol, I., Jones, S. J. M., & Marra, M. A. (2012). Hive plots: Rational approach to visualizing networks. Briefings in Bioinformatics, 13(5), 627–644. https://doi.org/10.1093/bib/bbr069
静止画の作品のアルゴリズム(束、弧、流れ、流線)
- Holten, D. (2006). Hierarchical edge bundles: Visualization of adjacency relations in hierarchical data. IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics, 12(5), 741–748. https://doi.org/10.1109/TVCG.2006.147
- Holten, D., & van Wijk, J. J. (2009). Force-directed edge bundling for graph visualization. Computer Graphics Forum, 28(3), 983–990. https://doi.org/10.1111/j.1467-8659.2009.01450.x
- Wattenberg, M. (2002). Arc diagrams: Visualizing structure in strings. In IEEE Symposium on Information Visualization (InfoVis 2002) (pp. 110–116). IEEE. https://doi.org/10.1109/INFVIS.2002.1173155
- Byron, L., & Wattenberg, M. (2008). Stacked graphs: Geometry & aesthetics. IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics, 14(6), 1245–1252. https://doi.org/10.1109/TVCG.2008.166
- Havre, S., Hetzler, E., Whitney, P., & Nowell, L. (2002). ThemeRiver: Visualizing thematic changes in large document collections. IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics, 8(1), 9–20. https://doi.org/10.1109/2945.981848
- Jobard, B., & Lefer, W. (1997). Creating evenly-spaced streamlines of arbitrary density. In Visualization in Scientific Computing ’97 (pp. 43–55). Springer. https://doi.org/10.1007/978-3-7091-6876-9_5
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曲線と数値計算
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