Notes ・ updated 2026-08-14
作れることは学べることか:エンドユーザー開発の学習効果を動機から読み直す
エンドユーザー開発(EUD)を、誰が、なぜ作るのかとそこで何が学ばれるのかの二軸で読み直すために、文献185件を軽量スコーピングで収集し、33クラスタで地図化した統合要約。 出発点は「ドメイン知識を持たない初学者(novice learners)に何が学ばれるか」だった。そこにシビックテック(市民が公共の問題のために自ら技術をつくる実践)を加え、さらに 自分自身の必要のために作るという動機を加えている。最後のものは、EUD 研究が最も基本的でありながら扱ってこなかった動機である。 姉妹ノートの end-user-development-literature は同じ対象を歴史、社会的要請、限界の軸で152件から地図化している。本ノートはそこで手薄だった「作ることが学習に何をもたらすか」を扱う。以下、既存コーパスの文献は E 番号、本コーパスの文献は N 番号で参照する。 本ノートが特定した「自分のために作る × 生成 AI」の交点の空白は、続編の genai-personal-software-literature(59件)が埋めている。本ノートの空白1、12、13、14 が生成 AI 期にどうなったかの再点検もそちらにある。 学習科学側の先行ノート: 足場かけと熟達支援の理論は learning-scaffolding-intervention-design、意図的な困難の設計は failure-driven-learning、生成 AI の学習害の実証は ai-cognitive-offloading-learning、害の主張の再現性は technology-education-harm-patterns、能力測定の方法論は ai-augmented-competency-measurement。 収集系統: source-researcher(profile: scholarly)3系統並行。規約
.claude/rules/collection-protocol.md(捏造ゼロ、出典追跡)。出典追跡つきの内部台帳はsource/review/end-user-development-novice-learning/papers.md。
調査メタ情報
- 収集日: 2026-08-14 / 件数: 185(第1次66件+第2次64件+第3次55件。探索段の候補207件、重複統合4件、除外18件)
- 期間: 1981–2026
- 第1次収集の設計(学習効果、66件): 3系統に分けて並行収集した。転移と学習成果の実証(25件)、初学者像とドメイン知識(28件)、AI とローコード期の学習成果(18件)である。第1系統には「プログラミングを学ぶと思考力が上がる」への否定的証拠を必ず含めるよう指示し、第2系統には論争のある論点(最小限ガイダンス、Dunning-Kruger 効果)の両側を対で集めるよう指示した。第3系統には即時のパフォーマンス指標と事後テストを区別して記録するよう指示している。
- 第2次収集の設計(シビックテック、64件): 同じく3系統。シビックテックの実践と学習(24件)、デジタル参加プラットフォーム(24件)、批判研究(20件)である。第1系統には「うまくいかなかったことを報告した研究」を必ず含めるよう指示し、第2系統には有名事例について成功譚ではなく査読研究による評価を探すよう指示し、第3系統には批判に対する擁護側の文献も最低3件含めるよう指示した。
- 利益相反による除外: 第2次収集では、vTaiwan と Polis についてプラットフォームの中心的な設計者や開発元のメンバーが著者に含まれる論文2件を除外し、独立した評価研究に絞っている。この判断の帰結として、vTaiwan の政策反映度を定量的に検証した独立の査読研究が本コーパスに存在しないことが分かった。
- 第3次収集の設計(自分の必要のために作る、55件): 第1次と第2次を終えた時点で、姉妹ノートの152件と本コーパスの130件を合わせた282件のいずれにも、この動機を主題とした文献が1件も入っていないことが判明したため実施した。3系統に分け、ユーザーイノベーション(26件)、自己目的の制作と学習(22件)、自作物の持続と放棄(20件)を収集した。第2系統には「自分ごとなら学習が進む」への否定的証拠とメイカー教育の効果を疑う査読研究を必ず含めるよう指示し、第1系統には規模推計への方法論的批判を必ず含めるよう指示している。
- 収集段の記述に対する検証: 第3次の第1系統は、26件中24件で要旨に到達できないまま主要貢献を記述して返した。根拠が「分野で定着した知見」である以上それは記憶からの生成であり、捏造ゼロの規約に抵触する。そこで親が OpenAlex API で要旨を再取得し(22件中17件で成功)、要旨で裏付けられない記述を4件で削除した。逆に、収集段が未確認としていた数値のうち2件(英国調査の標本1,173名と6.1%、面接対象12名)は要旨で直接確認できた。要旨を取得できなかった項目は、主要貢献をタイトルから確実に言える範囲に限定し、数値を一切書いていない。
- 網羅性の限界: 第3次収集は3系統とも WebSearch の予算が枯渇した状態で行われ、探索は Crossref と OpenAlex の API 直接照会に依存した。第2系統は「新規の探索が事実上できず、既知の候補を裏取りする形になった」と申告している。このクラスタ群は網羅性を主張できない。
- 除外: 計7件。5件は Crossref で書誌は確認できたが要旨に到達できず、主要貢献も手法も確認できなかったもの。1件はスコープ外(SNS のモデレーション行動)。ほかに収集段で predatory 誌の疑いのある1件と、非査読の投稿や対象外の文献を不採用にしている。
- 書誌の機械照合: DOI を持つ計128件を Crossref REST API に照会した。第1次分は一致62件、年の揺れ1件、Crossref 未登録だが DOI が解決するもの1件。第2次分は64件すべてで著者姓と発行年が一致した。捏造 DOI は0件。
- 媒体重心: 教育心理学系が15件、計算機教育系が26件、認知科学系が6件、AI 期の新しい媒体が11件(以上、第1次)、HCI と CSCW 系(CHI, CSCW, PACM HCI, DIS, PDC)が15件、政治学と行政学系(American Political Science Review, European Journal of Political Research, Government Information Quarterly, Public Administration Review)が13件、都市研究と社会学系(Urban Studies, New Media & Society, The Sociological Review)が10件、市民科学とコミュニティ情報学系が8件(以上、第2次)、その他26件。
TL;DR
エンドユーザー開発の文献が想定してきた利用者は、会計士であり、臨床家であり、研究者だった。 プログラミングは知らないが、自分の領域のことは誰よりも知っている人たちである。 Nardi が表計算の利用者に見たのも、ドメインの語彙で考えられるからこそ道具を使いこなす専門家だった(E17)。
ドメイン知識を持たない初学者は、この利用者像とは別の存在である。 熟達者が問題を原理で分類するのに対し、初学者は問題文の表層的な特徴で分類する(N49)。 何を作ればよいかを決める段階、つまり非整構造な問題を扱う段階で必要になるのは、道具の操作ではなくドメイン知識のほうである(N50)。 そして初学者に効く教え方は、知識を得た学習者には逆効果になる(N27)。 EUD の設計知見が「ドメイン専門家」を前提に積み上がっている以上、それをドメイン知識ゼロの初学者にそのまま転用する根拠はない。
作ることで何が学ばれるのかについては、40年分の答えが出ている。 プログラミングに近い技能への効果(近転移)は比較的頑健に支持される一方、一般的な思考力への効果(遠転移)は1984年の Pea & Kurland (N01) 以来、否定的か限定的な証拠しか得られていない。 Mayer ら (1986, N03) と Palumbo (1990, N05) が方法論の弱さを指摘し、Scherer ら (2019, N07) のメタ分析は、遠転移の効果が弱いことに加えて、準実験デザインほど効果量が過大評価される傾向まで報告している。
測っているものが確かなのかという疑いも消えていない。 計算論的思考テストの得点は既存の推論力テストと高く相関し、独自の学習成果を測っているとは言い切れない(N22)。 測定手法を系統レビューした研究は、妥当性のエビデンスを欠く研究が多いと結論する(N24)。 自己効力感は上がる。 ただしその上昇は実際の成績と正しく対応せず(N16)、成績をより強く予測するのは事前経験と組織化能力のほうだった(N14)。
生成 AI は、この構図を解消していない。 Arduino の入門実験では、AI を使わなかった群が事後テストでも自己効力感でも有意に優位だった(N54、N=33)。 一方、182名の1学期比較では ChatGPT 使用の可否で有意差が出ていない(N55)。 「AI が学習を損なう」とも「損なわない」とも、現在の証拠では言い切れない。 言えるのは、AI 支援下の学習成果を数週間以上あけた遅延テストで測った研究が、本コーパスに1件もないということである。
シビックテックは、ここに第三の条件を持ち込む。 業務でも学校でもなく、無償で公共のために作る場では、学習コストを払うかどうかの計算そのものが変わる。 そしてこの場では、ドメイン知識の所在が作り手から離れる。 業務の EUD では会計士が自分の表計算を作るが、シビックテックでは地域の課題を知る住民と、作れる技術者が別人になりやすい。 EUD が前提としてきた「ドメインを知る当人が自分で作る」という条件は、ここでは成り立たない。
参加が市民を変えるかについては、証拠が割れている。 熟議経験の質が主観的な成果と関連するという報告(N111)がある一方、提案が実装されるかを決めるのは熟議の質ではなく、コストと自治体内の政治的支持だった(N108、提案571件の多水準分析)。 ミニパブリックの提言が政府に無視された場合、正当性の認識はむしろ下がる(N112、n=3,102)。 学習の側では、シビックテックが能力を伸ばすという報告は小規模な事例か自己報告に限られ、統制群を伴う定量研究は本コーパスに1件もない。
ここまでの三つの条件(業務、教育、公共)には、共通して欠けているものがある。 自分自身が困っているから作るという動機である。 第1次と第2次を終えた時点で、姉妹ノートの152件と本コーパスの130件を合わせた282件のいずれにも、この動機を主題とした文献がなかった。 EUD 研究が「組織の需給不均衡」や「専門家不足」から語り始めたことの帰結だと思われる。
この動機を扱ってきたのは、EUD 研究の外側にある系譜だった。 von Hippel 以降のユーザーイノベーション研究は、開発者自身が唯一の利用者である場合を扱う。 英国の代表標本1,173名の調査では、消費者の6.1%(推計約290万人)が製品を自ら開発または改造していた(N137)。 ただしこの種の規模推計には、測定の枠組み自体への批判もある(N152, N153)。
そして学習の側から見ると、この動機は単純な促進要因ではない。 選択の付与に関するメタ分析41件は、効果はあるが条件によって減弱すると報告し(N157)、選択肢が過多になれば動機はかえって下がる(N155)。 最も示唆的なのは、物語という個人的な題材を与えた比較研究である。 動機は高まり、プログラミングに費やした時間は42%長くなったのに、基本的な構文の習得は与えられた課題の群と有意差がなかった(N164)。 自分ごとにすると増えるのは、まず学習に向かう時間と意欲であって、単位時間あたりの到達度ではない。
誰が学ぶのか
ドメイン知識という前提
EUD 研究の利用者像は、ドメイン知識を認知的な資源として当てにしている。 要求工学の研究は、この資源が実際に効くことを示す。 ただし同時に、ドメイン知識が暗黙の前提を疑えなくする逆機能も報告されている。 Hadar ら (2012/2014, N52) は、ドメイン知識の豊富な要求エンジニアほど問題理解は容易になる一方、その領域では自明とされる論点を見落としうると論じた。 Niknafs & Berry (2012, N51) は逆方向から、領域の知識を持たない分析者をチームに加えることが専門家の見落としを補うという仮説を、統制実験で支持している(著者ら自身は決定的でないと留保する)。
ここから言えるのは、ドメイン知識の有無が能力の高低ではなく、見えるものと見えないものの配置の違いだということである。 初学者は専門家が見落とす論点に気づける立場にありうる。 だが、その気づきを設計に変換する段階では別の問題が待っている。
表層で分類する段階
Chi, Feltovich & Glaser (1981, N49) の古典的な実験は、熟達者が物理の問題を原理で分類するのに対し、初学者は問題文の表層的な特徴で分類することを示した。 この差は、EUD の文脈では作るものの構造に直結する。 何が同じ問題で何が違う問題かを見分けられなければ、既存の解法を転用してよい場面の判断ができない。
Jonassen (1997, N50) が整構造問題と非整構造問題を区別したのは、この点に関わる。 非整構造問題の解決には、ドメイン知識、認識論的信念、問題を捉え直す能力が必要になる。 業務のために何かを作るという行為は、たいてい非整構造問題である。 初学者はそれを整構造問題として扱ってしまいやすい。
専門性逆転効果
Kalyuga ら (2003, N27) が定義した専門性逆転効果は、初学者に有効な教授法が知識を得た学習者には逆に負荷を高めて学習を阻害する現象である。 Sweller (1988, N25) の認知負荷理論に立てば、その理由は明快である。 ドメイン固有知識のスキーマがない状態で問題解決に取り組むと、手段目標分析に作業記憶が食われ、スキーマ獲得に回す資源が残らない。
この効果は、EUD の設計知見をそのまま初学者に持ち込めない理由になる。 Blackwell の注意投資モデル(E61)は、エンドユーザーが学習コストを払わないのは能力の欠如ではなく合理的な判断だと説明した。 その合理性は、ドメイン知識という資源を持つ利用者にとっての合理性である。 資源を持たない初学者が同じ判断をすると、学習しないまま作り続けることになる。
ただし、事前知識さえあればよいという単純化も支持されない。 Simonsmeier ら (2022, N30) は効果量8,776件のメタ分析で、事前知識の個人差の安定性は高い(rP+=.534)一方、事前知識が学習の伸びを予測する力は平均でほぼゼロ(rNG+=−.059)で、95%予測区間は[−.688, .621]と極めて広いと報告した。 知識は力であるという主張も、事前知識の効果は無視できるという主張も、この区間の広さの前では雑になる。
作ることは学びになるか
遠転移は支持されていない
「プログラミングを学べば一般的な思考力が伸びる」という主張は、EUD の教育的要請(E46, E47, E48)を支えてきた。 この主張の検証は40年前に始まり、最初の答えから否定的だった。
Pea & Kurland (1984, N01) は、1学年にわたる Logo 指導を受けた児童が計画能力の遠転移課題で対照群と有意差を示さなかったと報告した。 Mayer, Dyck & Vilberg (1986, N03) は先行研究を統合し、転移が確認できるのはプログラミング固有の技能に近い範囲に限られると論じた。 Palumbo (1990, N05) は、肯定的な結論を出した研究群の方法論を点検し、統制群の欠如、指導期間の短さ、尺度の妥当性不足によって結論が一貫しないと結論している。
Salomon & Perkins (1987, N04) の整理は、この否定的知見を条件の問題として立て直した。 転移には反復による自動化を経る経路(low road)と、意図的な抽象化を経る経路(high road)があり、どちらも自動的には起きない。 つまり、作れば学べるのではなく、転移が起きる条件を設計に組み込んだときにだけ学べる。
近年のメタ分析はこの構図を追認する。 Scherer, Siddiq & Sánchez Viveros (2019, N07) は、近転移は比較的頑健である一方、遠転移の効果は弱く、しかも準実験デザインの研究ほど効果量が過大評価される傾向があると報告した。 Liao & Bright (1991, N06) が小から中程度の正の効果量を報告していたことと合わせると、効果の推定値は研究デザインの厳密さと逆相関している。
対象領域の理解は深まるか
作ることで学ばれるのが一般的な思考力でないなら、対象領域の概念はどうか。 この問いに肯定的な証拠を出しているのは、構築主義の系譜の設計研究である。
Wilensky & Reisman (2006, N08) は、StarLogo で捕食被食関係のモデルを自ら構築させることで、生徒が生物学的現象の因果メカニズムを講義型指導より深く理解したと報告した。 Blikstein & Wilensky (2009, N09) は材料科学で同様の結果を示している。 ただし、これらは統制群を伴わない設計研究であり、効果の大きさを他の教授法と比較できる形にはなっていない。
Scratch のような環境での概念学習を縦断的に追った研究は、より慎重な像を描く。 Meerbaum-Salant ら (2013, N10) は複数校2年間の調査で、逐次実行やイベント処理の概念は定着した一方、変数と並行処理の概念は指導後も困難が残ったと報告した。 Grover, Pea & Cooper (2015, N11) も、概念テストの事前事後で有意な伸びを確認しつつ、変数などの誤概念は指導後も残ると報告している。 何が学ばれるかは、概念ごとに違う。
ここで空白が一つ見える。 本コーパスのドメイン概念学習の証拠は、エージェントベースモデリングの教育研究に偏っている。 会計や在庫管理のような業務モデルを自分で組むことがその領域の理解を深めるかを測った研究は、探索の範囲では見つからなかった。 EUD の実務文脈で最も広く使われている表計算について、概念学習の実証がないということになる。
自信は実力の代理指標にならない
自己効力感は、EUD 文脈で最も測られてきた学習成果である。 Compeau & Higgins (1995, N13) の尺度が標準として使われ、訓練の前後で水準が上がることも報告されている(N12)。
ただし、上がった自信が実力を表しているとは限らない。 Wiedenbeck (2005, N14) は非専攻学部生の1学期追跡で、自己効力感は有意に上昇したものの、成績とデバッグ成績をより強く予測したのは事前経験と組織化能力だったと報告した。 Gorson & O’Rourke (2020, N16) は3大学の CS1 受講生を調べ、自己評価が実際の成績と食い違って較正されていないことを示している。 経験を積めば自動的に正確な自己認識が育つわけではない。
自己効力感に近い構成概念として、興味や協働態度も測られてきた。 Kong ら (2018, N15) は小学生を対象に、プログラミングのエンパワーメント感、興味、協働態度が互いに正の関連を持つと報告している。 ただしこれらは態度の指標であって、何ができるようになったかとは別の層にある。
何を測ってきたのか
学習効果を論じるうえで避けられないのは、測定そのものへの疑いである。
Román-González ら (2017, N22) は、計算論的思考テストの得点が既存の推論力と問題解決力のテストと高く相関することを報告した。 これは、そのテストが指導によって新たに育つ独自の能力を測っているのか、それとも既存の認知能力の代理指標にすぎないのかという、構成概念妥当性の疑義になる。 Tang ら (2020, N24) の系統レビューは、CT 測定に用いられた手法の多くが信頼性と妥当性のエビデンスを欠くと結論した。 Popat & Starkey (2018, N23) も、コーディング学習の効果研究の多くが学習成果を厳密に測定していないと批判している。 測定基盤の未成熟は、この分野が早くから自覚してきた課題でもある。 Grover & Pea (2013, N20) は CT 教育研究の到達点を整理した時点で、定義の曖昧さと測定基盤の弱さを主要な課題として挙げていた。
測る側の工夫も進んでいる。 Weintrop & Wilensky (2015, N62) の可換アセスメントは、同じプログラムをブロックとテキストの両方の表記で提示することで、概念理解の測定を表記の慣れから切り離す方法である。 何を測っているのかが表記に汚染されるという問題は、抽象化を隠す環境を評価するときに必ず出てくる。
制作物を学習の証拠として使う方法にも限界がある。 Denner, Werner & Ortiz (2012, N18) は、中学生が自作したゲームの特徴を別途実施した概念理解テストの成績と照合し、制作物が理解の代理指標として部分的にしか妥当でないことを示した。 できあがったものが動くことは、作った人がその仕組みを理解していることを意味しない。
Lye & Koh (2014, N21) は、この偏りを研究設計の水準で指摘する。 CT 指導の研究の多くは「作る」段階に偏り、概念理解の深さを測る「省察」の段階の評価が手薄である。 Brennan & Resnick (2012, N19) が概念、実践、視点の3次元での評価枠組みを提案したのは、この偏りへの応答にあたる。
初学者は自分の理解をどう見誤るか
作れてしまうことは、理解したという感覚を生む。 Rozenblit & Keil (2002, N42) の説明深度の錯覚は、人が複雑な事物の仕組みを実際よりはるかに深く理解していると錯覚することを12の実験で示した。 この錯覚は事実知識や手続き知識より、説明的知識で特に強い。 動かせるが説明できないという状態は、EUD の初学者が置かれる典型的な位置である。
Bjork, Dunlosky & Kornell (2013, N43) のレビューは、学習者が現在の流暢さの主観的感覚に基づいて自分の学習状態を誤って評価しがちだと整理する。 初学者のプログラミング理解の研究は、この誤りが具体的にどこで起きるかを特定してきた。 Spohrer & Soloway (1986, N38) は、初学者の誤りが構文知識の欠如ではなくプラン構成レベルの誤解に根ざすことを示し、Soloway (1986, N37) はプログラミング学習を定型的解法パターンの構築と説明の習得として捉え直した。 Pea (1986, N36) は同じ時期に、初学者の誤りを並行性、意図性、自己中心性という3種の概念バグに分類し、これらが年齢層と言語を超えて現れることを報告している。 du Boulay (1986, N35) と Sorva (2013, N39) の notional machine(想定計算機)は、コードを書けることと実行の仕組みを理解していることが別だという事実を、学習目標の水準で扱う概念である。 この40年の蓄積は、Robins ら (2003, N17) と Qian & Lehman (2017, N40) のレビューに集約されている。 後者は初学者の困難を構文的、概念的、方略的知識の3層に整理し、誤概念の是正には概念変化の理論と教員の教科内容知識が要ると結論した。 どちらの条件も、教師のいない EUD の現場には存在しない。
ただし、「初学者は体系的に自信過剰である」という単純化は、査読済み文献の中でも係争中である。 Kruger & Dunning (1999, N41) の原典は成績下位群の大幅な過大評価をメタ認知能力の欠如に帰したが、Nuhfer ら (2017, N44) はその図示法がランダムノイズと作図慣行によって歪められていると論じ、Gignac & Zajenkowski (2020, N45) は929名のデータで DK 仮説が予測する異分散性を統計的に有意には検出できなかったと報告した。 Nuhfer & Fleisher (2026, N48) は N=11,229 で、低得点者の見かけ上の過大評価の多くが真の過信ではなく無関与な当て推量に起因すると分析している。 初学者の自己評価の誤りを議論に使うなら、DK 効果ではなく、較正の研究(N16, N43)や説明深度の錯覚(N42)に根拠を置くほうが安全である。
Prather ら (2020, N46) と Loksa ら (2022, N47) は、こうしたメタ認知的困難がプログラミング教育で明示的に扱われてこなかったことを指摘し、理論的基盤の乏しさを系統レビューで確認している。
どこまで手を貸すか
初学者に自由に探索させるべきか、手順を示すべきか。 この問いは学習科学で長く争われてきた。
Kirschner, Sweller & Clark (2006, N32) は、認知アーキテクチャと熟達者初学者差の知見から、構成主義的な発見学習や問題基盤学習のような最小限ガイダンス型の教授法が半世紀の実証研究に反すると論じた。 Hmelo-Silver, Duncan & Chinn (2007, N33) はこれに反論し、探究学習と問題基盤学習は実際には広範な足場かけを伴っており、無誘導の発見学習と混同されていると指摘した。
Alfieri ら (2011, N34) のメタ分析(164件)は、この対立に条件つきの決着をつけている。 無支援の発見学習は明示的指導に劣る(d=−0.38)一方、フィードバックや例題、足場かけ、説明の引き出しを伴う「強化された発見学習」は他の教授法より優位(d=0.30)である。 Mayer (2004, N31) も、3つの研究の波のいずれでも誘導発見学習が純粋発見学習より有効だったと総括した。
EUD は、この分類でいえば無支援の探索に近い。 業務のために何かを作る場面には、教師も、例題も、フィードバックの設計もない。 Renkl & Atkinson (2003, N28) のフェーディング(例題から問題解決へ段階的に置換する手続き)や、Kalyuga & Sweller (2004, N29) の知識水準に応じた適応的設計は、EUD の道具にはまず組み込まれていない。 Paas & van Merriënboer (1994, N26) が示した、文脈の変動性を高めた例題群が転移性の高いスキーマ獲得を促すという知見も同様である。 ここは、学習を目的に据えるなら設計の余地が残っている場所である。
AI とローコードは何を変えたか
作れる範囲と学べる範囲
生成 AI は、ドメイン知識のない初学者が動くものを作れる範囲を確実に広げた。 問題は、その範囲の拡大が学習の範囲の拡大を伴うかである。
証拠は割れている。 Johnson, Doss & Estepp (2024, N54) の Arduino 入門の実験(N=33)では、自己プログラミング群が ChatGPT 群より事後テスト得点(p=.03, d=0.76)でも自己効力感(p=.03, d=0.75)でも有意に優位だった。 一方 Kosar ら (2024, N55) の1学期比較(N=182)では、ChatGPT 使用の可否で実習課題にも中間試験にも有意差が出ていない。 Melanou & Beege (2026, N57) は、足場かけの強度を3条件で比べ、全条件で知識と批判的思考が有意に向上した一方、条件間には有意差がなかったと報告している。
Kazemitabaar ら (2023, N53) は、この分岐が使い方の水準で起きることを示す。 33名の学習者を観察し、生成と手作業を組み合わせる方略が事後テスト得点と正の傾向を示す一方、丸ごと生成させる方略は負の傾向を示した。 「AI を使うかどうか」ではなく「どう使うか」が効くという知見は、ai-cognitive-offloading-learning が答え提供型かガードレール付きかで害の有無が分かれると整理した結論と一致する。 Scholl & Kiesler (2024, N58) は298名の調査で、利用のしかたが無批判な受容から批判的関与まで幅広く分岐することを記述しており、この分岐が例外ではなく常態であることを示す。
分岐が起きるなら、次の問いはどちらへ倒れるかを何が決めるかである。 Hou ら (2024, N59) は、学生が生成 AI を質、応答速度、信頼性の軸で従来の支援資源と比較していること、そして生成 AI が教員や TA を完全には代替していないことを報告した。 援助を求める先を選ぶ判断そのものがメタ認知的な活動であり、その判断ができるかどうかは、初学者にとって学習の前提でなく学習の対象である。
Haindl & Weinberger (2024, N56) は、ChatGPT 支援群の提出コードのほうがルール違反も循環的複雑度も低いと報告した。 ただしこの研究は学習の定着を測っていない。 成果物の品質と学習成果は、測っている対象が違う。
抽象化を隠すことの帰結
抽象化を隠す環境が概念形成に何をするかについては、生成 AI 以前のブロック型プログラミング研究に手がかりがある。 Weintrop & Wilensky (2017, N63) は、高校の CS 授業でブロック型群が到達度テストで高い伸びを示す一方、テキスト型群は自分の経験を「専門的でリアル」と評価する傾向を報告した。
重要なのはその続きである。 Weintrop & Wilensky (2019, N64) は、5週間の導入環境のあと10週間かけて Java へ移行する過程を追い、導入時に見られた概念的な優位が10週間後には消失したことを報告した。 プログラミング実践にも態度にも有意差は残らなかった。 本コーパスで数週間以上あけた追跡を行っているのはこの研究だけであり、その唯一の長期追跡が、短期の優位は残らないという結果を出している。
生成 AI とローコードを組み合わせた環境について、同種の追跡はまだない。 自然言語で指示すれば動くものが出てくる環境で、利用者にどの概念が形成されるかを測った研究は、探索の範囲では見つからなかった。
職業訓練の文脈は学習科学とつながっていない
市民開発者の訓練を扱う研究は存在する。 Matook ら (2025, N66) は経験学習の要因とチーム学習がメタ認知的省察に与える影響を定量調査した。 McHugh ら (2023/2024, N65) は中等教育でのローコード導入を調べているが、対象は教員の認識であって生徒の学習成果ではない。
この領域の研究は組織論と情報システム研究の枠組みで書かれており、事前事後テストを伴う設計はほとんどない。 成人が業務目的で、単位も成績もない状況で学ぶという EUD 本来の文脈で、学習を測った研究が手薄なままである。
シビックテックという第三の条件
無償で公共のために作る
ここまで見てきた学習者は、給料のために作る人か、単位のために作る人だった。 シビックテックの参加者はどちらでもない。
この違いは、Blackwell の注意投資モデル(E61)が扱う費用便益の計算に直接効く。 業務では学習コストを払わないことが合理的でありえたが、報酬のない場では、そもそも参加すること自体が別の理由で選ばれている。 市民科学のボランティアを追った研究(N78)は、継続を支えるのが対象領域への関心と過去の経験である一方、離脱を招くのが時間の制約とデジタルプラットフォームの難しさだと報告した。 道具の使いにくさは、業務なら我慢して乗り越える対象だが、無償の活動では離脱の理由になる。
ハッカソンは、この場で最も研究されてきた形式である。 Porter ら (2017, N69) は参加者と NPO と主催者への面接から、フィランソロピー系ハッカソンがコード以外に技術力、人脈、デザイン手法への接触、専門アイデンティティの形成をもたらすと報告した。 ただし、何がどう効いているのかは整理されていない。 Falk ら (2021, N71) は16件の事例をプログラム理論で横断分析し、input から effect までの因果関係を組み立て直す枠組みをようやく提示した段階にある。
そして成果物は残らない。 Falk ら (2024, N73) がハッカソン研究の課題を6つ挙げたとき、その一つが「終了時にコードが放棄される」ことだった。 Lodato & DiSalvo (2016, N67) は、イシュー指向ハッカソンを2年間のエスノグラフィで追い、これを実験的な物質的参加として理論化しつつ、参加の形式性を批判的に検討している。 一方 Schrock (2016, N68) は、シビックハッキングを脱政治的な技術主義とみなす通説に反論し、データアクティビズムとしての政治的系譜を歴史から示した。
資金の調達もこの場では自前になる。 Gooch ら (2020, N87) はコミュニティ主導のクラウドファンディング4事例を分析し、プロジェクトを率いた人のエンパワーメント感が高まる一方で、時間負担、既存の人的ネットワークへの依存、そこに入っていない人の排除という課題が残ったと報告している。 資金を集められるかどうかが、すでに人脈を持つ人に偏る。
ドメイン知識が作り手から離れる
業務の EUD では、作る人がその領域を知っていた。 シビックテックでは、この二つがしばしば別人になる。
そうなると、既存コーパスの要求工学の知見が直接効いてくる。 領域を知らない分析者がチームに加わることが専門家の見落としを補う(N51)一方、領域を知る者は暗黙の前提を疑えなくなる(N52)。 シアトルの市民ハッカー15名への調査(N70)が報告した障壁は、まさにこの分離から生じている。 データの品質もメタデータも、行政の内部では自明で、外から来た作り手には見えない。
Rothschild ら (2022, N80) は行政と非営利のデータワーカー19名への面接から、周辺に位置する実践者が持つ文脈化の実践知を可視化した。 何のデータで、どう集められ、何が抜けているのかを知っているのは、往々にして技術者ではない側である。 Dove ら (2023, N81) が学生、商業利用者、市民テック関係者、行政職員を横断して調べたオープンデータ関与の動機と障壁も、この非対称の上に成り立っている。
分離を埋めるはずの協働設計にも、固有の困難がある。 Harrington, Erete & Piper (2019, N86) は低所得コミュニティでの参加型デザインを検討し、特権の再生産、歴史的文脈の軽視、意図せぬ害という緊張を同定した。 参加型デザインという手法そのものが、公平性を保証しない。 Lodato & DiSalvo (2018, N84) はスマートシティ構想内の3事例から、サンドボックス化、行政的空白、イデオロギー的不整合という3つの制度的制約を取り出している。 Corbett & Le Dantec の一連の研究(N83, N88)は、行政官と市民のあいだで信頼という語の理解自体がずれることを、2年間の共同デザインから報告した。
開発の側から見ると、困難は要件と引き渡しに集中する。 Knutas ら (2019, N85) は Code for Ireland の2プロジェクトを追跡し、自分たちで決めた品質基準は達成できた一方、要件定義、ステークホルダーの巻き込み、行政への引き渡しでつまずいたと報告した。 同じ著者らが後に技術者向けにまとめた実務指針(N89)も、この経験を土台にしている。 コミュニティ技術の設計を、コミュニティ、グループ、個人という3つの水準に分けて考える枠組み(N82)が早くから提案されていたのは、誰と作るかで設計が変わるからである。
学習は測られているか
学習を主題として測った研究は、この領域にも存在する。 Bhargava ら (2016, N75) と D’Ignazio & Bhargava (2016, N76) は、美術を用いたデータリテラシー教育と初学者向けツールの設計から、基礎的なデータ概念の習熟を報告した。 Ballard ら (2016, N74) は市民科学に参加した若者の環境科学的な行為主体性の発達を、事前事後の面接と観察で追っている。 Phillips ら (2018, N79) は、市民科学の個人学習成果を測るための概念枠組みを提示した。
ただし、これらはいずれも小規模な事例研究か自己報告である。 統制群を伴う定量的な効果測定は、本コーパスのシビックテック文献64件に1件もない。 成果物の品質については、訓練と検証と統計モデリングを組み合わせれば専門家水準の精度が得られうるという報告がある(N77)が、それは作られたデータの質の話であって、作った人が何を学んだかではない。
参加は市民を変えるのか
参加プラットフォームの実証研究を集めると、参加者が増えたことと市民の能力が変わったことが、別々に測られていることに気づく。 そもそも稼働しているものの多くは、共創と呼べる段階に届いていない。 Falco & Kleinhans (2018, N92) が113のプラットフォームを分類したとき、オンラインとオフラインの共創に現実的な可能性を示したのは約4分の1だった。 参加型予算の研究を139件で系統レビューした Bartocci ら (2022, N98) も、実施段階ごとの枠組みを整理する一方で研究上の空白を多く残している。
Decidim をカタルーニャの複数自治体で調べた研究(N96)は、参加者と新規参加層が増える一方、行政の側は情報収集と提案管理を重視しており、主権の移譲には至らない管理的な連続性が支配的だと報告した。 Decide Madrid では、高い初期期待が高い参加率を生んだあと、透明性の欠如と機能不全が後年のパフォーマンスを損ねた(N93)。 Menéndez-Blanco & Bjørn (2022, N97) は参加型予算に関わった自転車活動家の実践を追い、プラットフォームの設計が協働より競争的な相互作用を生み、集合的に自己統治する可能性をむしろ制限したと指摘している。
設計の選択が結果を変えることは、より大きなデータでも確認されている。 Moore ら (2020, N110) はコメント約4,500万件を用い、匿名、仮名、実名の3つの身元開示体制を比較した。 認知的複雑性が最も高かったのは仮名制であり、実名制へ移行したあとむしろ低下している。 実名にすれば議論の質が上がるという通念は、この規模の自然実験では支持されない。 Moats & Tseng (2023, N99) は vTaiwan の Pol.is を分析し、集約アルゴリズムが論争を賛成と反対の二値に整理する一方、元のコメントはより多様な立場を含んでいたことを示した。 議論の表示のしかたを線形から階層に変えるだけで論証の構造が改善したという報告(N91)もあり、設計の細部が結果に効く範囲は広い。 Tseng (2022, N95) が vTaiwan と Decide Madrid を比較して見たのは、ゲーム的な仕掛けが自動的に参加を高めるのではなく、感情的な困難と戦術的な悪用という摩擦を生むことだった。 Aragón ら (2017, N90) が Decidim Barcelona で見つけた、否定的な立場のコメントほど議論を引きつけるという傾向も、関与の量が熟議の質と同じでないことを示している。 投票と熟議を橋渡しするアルゴリズムの提案(N101)はこの延長にあるが、市民の側の成果を直接測ってはいない。
最も冷ややかな結果は、提案の行き先を追った研究から出ている。 Font ら (2018, N108) は参加型プロセスから出た提案571件を多水準分析し、実装されるかどうかを決めるのは、コスト、既存政策への挑戦度、自治体内の政治的支持だったと報告した。 よく議論すれば通るという因果は、ここでは支持されない。 そして van Dijk & Lefevere (2022, N112) の調査実験(n=3,102)は、ミニパブリックの提言が採用された場合には政治的支持が高まる一方、無視された場合には正当性の認識が下がりうることを示した。 参加の機会を作ることは、それ自体では中立ではない。
誰が参加したがるのかについては、通説とずれる知見がある。 Neblo ら (2010, N104) は全米2標本の調査と、実際の連邦議員が開いたオンライン熟議タウンホールへの招待実験を組み合わせ、熟議への意欲が想定より広く分布していること、そして従来型の党派的な政治参加に消極的な層ほど熟議への関心が高いことを示した。 同じ研究プログラムの続報(N106)は、参加者が周囲の非参加者へ議論を広げる波及効果も報告している。 ただしこれは参加したいと思う人の分布の話であり、実際に参加し続ける人が代表的かどうか(N107)とは別の論点である。
民主化批判との接続と、固有の論点
シビックテック批判は、既存コーパスの民主化言説批判(E52–E56)と同じ修辞構造を共有する。 参加すれば解放されるという語りが、実際には特定の統治や経済の合理性を覆い隠すという指摘である。 Kitchin (2014, N113) はデータ駆動型の都市経営が実証主義的な計測に都市運営を還元する危うさを指摘し、Shelton ら (2015, N115) は均質に語られる理念と、都市ごとの政治経済に規定された不均等な実装との乖離を「実際に存在するスマートシティ」として記述した。 Sadowski & Pasquale (2015, N116) は、これらの技術基盤が監視を常態化させる制御のスペクトラムとして働くと理論化している。 Vanolo (2014, N114) はスマートシティ言説が市民の自己規律を促す仕組みを統治性の概念で分析し、Cardullo & Kitchin (2019, N118) は「市民中心」を掲げる欧州の政策文書が、消費者ないし企業家としての市民像を前提にしていると論じた。 Johnson ら (2020, N119) の「取引的市民」は、インターフェースの設計が市民を政治的主体からクリック単位の存在へ縮減する機構を指す。 Cardullo & Kitchin (2018, N117) と Haughton & McManus (2020, N124) は、Arnstein の参加の梯子を使って、参加が名目的な段階に留まり争点が制度内に回収される過程を追っている。
固有性は、シビックテックが行政サービスの提供主体そのものに食い込む点にある。 EUD の民主化言説が組織内でのプログラミング能力の分配を問題にしたのに対し、シビックテック批判は公共サービスの生産責任が市民の無償労働へ移ることを問う。 Clark ら (2013, N122) はボストン市の311システムへの申請データから、人種、教育、所得による申請行動の分配的な偏りを実証した。 誰でも通報できる仕組みは、誰もが同じように通報する仕組みではない。 Crivellaro ら (2021, N125) は緊縮財政下のデジタル福祉サービスが既存の不正義を増幅しうると論じ、Voorberg ら (2015, N128) の系統レビューは、共創という言説が理論的に曖昧なまま肯定的に流通してきたと指摘する。
ただし、批判だけが証拠ではない。 Peixoto & Fox (2016, N129) は、ICT を用いた市民の声が行政の応答性を高めた事例と高めなかった事例を横断レビューし、効果が発現する条件を整理した。 Erete (2015, N127) は近隣コミュニティのオンラインのやり取りが住民の会合出席などの現実の行動を促す経路を実証している。 Linders (2012, N126) の we-government という類型化は、市民が公共サービスの生産に関わる形をいくつかに整理しようとした初期の試みにあたる。 参加型デザインの内部からも、合意形成モデルを批判して対立を認める闘争的な公共空間を対置する提案(N121)や、デザインが単一の合意的な公衆を前提とすることへの理論的な批判(N120)が出ている。
自分の必要のために作る
EUD 研究が通り過ぎた動機
エンドユーザーが自分で作る理由として、EUD 研究は組織の需給不均衡(既存コーパスの D1)、専門家不足、教育的な識字、公共善を挙げてきた。 どれも、作る理由が本人の外側にある。 自分が困っているから作る、という理由だけが説明されないまま残されてきた。
この動機を正面から扱ったのは、経営学と技術経営の側だった。 von Hippel (1976, N131) が科学機器のイノベーション過程で利用者の役割を論じ、1986年 (N132) には、きわめて新規な製品では通常の利用者の判断に頼れないとして、市場一般に先行して強いニーズを持つリードユーザーを新製品コンセプトの源泉に位置づけた。 2002年の von Hippel & Katz (N133) は、製造者がまず利用者ニーズを探索してから開発するという分業そのものを組み替え、開発の一部を利用者に委譲する設計を論じている。
規模の推計は2010年代に入って出てきた。 von Hippel, de Jong & Flowers (2012, N137) は、18歳以上の英国消費者1,173名の代表標本で、6.1%(推計約290万人)が製品を自ら開発または改造していることを測定した。 この種の調査としては最初のものである。
ただし、この数字を額面どおりに受け取ることには批判がある。 Bogers, Afuah & Bastian (2010, N152) は、利用者もイノベーションの源泉たりうるという議論以降に急増した文献をレビューし、批判したうえで研究課題を提示した。 Gault (2012, N153) は別の角度から、OECD と Eurostat の Oslo Manual がイノベーションを市場を基準に定義しているために、自分の利用のために製品を改造する消費者が公式統計から構造的に除外されていることを指摘している。 測っていないから存在しないことにされてきた、という指摘である。
自分のために作ったものは広がらない
自分のために作られたものの一部は、他者に渡る。 Harhoff, Henkel & von Hippel (2003, N134) は、無償で公開することが当人の利益になりうる条件を論じ、Baldwin & von Hippel (2011, N136) は生産者によるイノベーションの経済的成立性を、単独利用者によるものと開放型の協働によるものと対比して評価した。
だが、広がらないほうが多い。 de Jong ら (2015, N138) は、数百万人が自分のために新しい製品やサービスを開発しているという実証を踏まえたうえで、フィンランドのデータからその普及パターンを検討し、これを市場の失敗として概念化している。 作られたのに広がらないという現象は、外部要請から始まる EUD にはそもそも存在しない論点である。 業務システムは組織が展開し、公共のためのものは行政が引き取るかどうかで決まる。 自分のために作ったものだけが、広がるかどうかを誰も引き受けない。
一部は起業に転化する。 Shah & Tripsas (2007, N140) は、利用者がアイデアを創造、評価、共有、商業化する過程のプロセスモデルを構築し、古典的な起業プロセスと対比して、それが創発的かつ集合的であることを強調した。 Ogawa & Pongtanalert (2013, N141) は消費者イノベーターの特性と動機を類型別に検討している。
オープンソースは動機の実験室になった
自分のために作ったものが他者に渡る場面を最も多くの研究者が観察してきたのは、オープンソースである。
Shah (2006, N144) の出発点は率直である。 オープンソースは何千人もの開発者の自発的な努力に依存するが、なぜ参加するのかは十分に分かっていない。 そこから個々の開発者の視点で参加を理解する枠組みを帰納的に導出した。 Roberts, Hann & Slaughter (2006, N145) は、何が参加を動機づけるかがこの分野の中心主題だとしたうえで、動機、参加、成果の関係を縦断的に分析している。 Hertel ら (2003, N142) と Lakhani & Wolf (2005, N143) も参加動機の調査にあたる。 後者は287のプロジェクトに参加する開発者684名への調査である。 von Krogh ら (2012, N146) は、これらを統合して社会的実践として捉える枠組みを提示した。
日常の開発でも、同じ構図が小さく現れる。 Rosson, Ballin & Nash (2004, N147) は、組織のウェブコンテンツを自ら開発し保守するエンドユーザー12名への面接から、道具の使用と問題解決の方略を分析した。 Brandt ら (2009, N148) は、プログラマがウェブ上の探索、学習、コード記述を織り交ぜながら作業する実態を観察している。 作ることと学ぶことが分離していない。 Kuznetsov & Paulos (2010, N149) が DIY のコミュニティに見た「専門家アマチュア」も同じ位置にいる。 ただしこれは実証研究ではなく、現行の技術設計が人の好奇心と探究を伸ばす方向を見落としているという論説である。
課題が本人のものであるとき、学習に何が起きるか
ここが本ノートの主題との接点である。
選択を与えることの効果は、メタ分析で検討されている。 Patall, Cooper & Robinson (2008, N157) は41件を統合し、選択の付与が内発的動機、努力、課題遂行、有能感の知覚を高めると報告した。 ただし条件つきである。 逐次的に選択を課す場合、報酬を与えたあと、成人が対象の場合、そして実験室の外では、効果が減弱する。 Iyengar & Lepper (2000, N155) は逆側から、選択肢が過多になると満足度と動機がかえって低下することを示した。
内容を個人化することの効果は、より直接的に測られている。 Cordova & Lepper (1996, N154) は、小学生向けの算数課題で文脈化、個人化、選択の付与が、動機だけでなく関与の深さと一定時間内の学習量を増大させたと報告した。 Guzdial & Forte (2005, N156) の非専攻学生向けコースは、学生が自分の写真や音楽を操作する課題設計を採っている。
しかし、動機が上がることと到達度が上がることは別である。 Kelleher, Pausch & Kiesler (2007, N164) は、物語作りを軸にした環境と物語要素のない環境を比較した。 物語群は動機が高く、プログラミングに費やした時間が42%長かった。 それでも、基本的な構文の習得は両群で同等だった。 自分ごとの題材が増やしたのは学習に向かう時間であって、単位時間あたりの学習効率ではない。
自分の作りたいものを作る場面の一次研究は、この分野で長く参照されてきた。 Bruckman (1998, N162; 2000, N163) の仮想世界の研究は、ある学習者が自分の作りたいものを作る過程をマイクロ分析し、アイデンティティと社会的つながりに埋め込まれた状況的サポートが、脱文脈化した指導内容そのものより学習を助けたと論じた。 Maloney ら (2008, N165) は放課後施設の8歳から18歳が18か月で作った536件のプロジェクトを分析し、正式な指導や熟達したメンターがいなくても主要なプログラミング概念の使用が見られたと報告している。 ただし、いずれも統制群を伴う到達度の直接測定ではない。
興味がどう育つかについては理論と記述がある。 Hidi & Renninger (2006, N158) の4段階モデルは、外的に誘発された興味が自己主導的で持続的な関与へ移行する条件を定式化した。 Barron (2006, N159) は3名の青年の事例から、学校で芽生えた興味が学校外の自己開始型学習へ広がる5種の経路を識別している。 Ito ら (N160, N161) は、自己主導的な深い没入が専門的な技能形成につながる過程を大規模なエスノグラフィで記述した。
逆方向の証拠も見ておく必要がある。 Begel & Simon (2008, N166) は新卒開発者を最初の6か月間シャドーイングし、課題が明確に与えられる大学のカリキュラムが、自己主導的な問題設定への移行を十分に準備できていないと報告した。 与えられた課題だけで育つことにも、固有の脆弱性がある。
自分のために測る
自分のために作る対象は、道具だけではない。 自己追跡は、自分のためにデータを集めて自分で読む実践である。
Choe ら (2014, N167) は発表動画52件を分析し、持続的な実践が成立する一方で、指標を追いすぎる、文脈を記録しない、科学的厳密性を欠くといった落とし穴を報告した。 Epstein ら (2015, N169) は、中断とその後の再開を、失敗ではなくモデルの正常な構成要素として位置づけている。 持続することが前提ではない、という知見は、自分のために作られたものの寿命を考えるうえで重要である。 Rooksby ら (2014, N168) は、自己計測が個人的な行為というより社会的で協働的な実践として営まれる場合が多いことを報告した。
メイカー教育の証拠はどこまであるか
作ることによる学習を最も強く主張してきたのは、メイカー教育である。 本コーパスでは、その効果を疑う査読研究を意識的に集めた。
結果として見えるのは、この領域の実証基盤自体が薄いという構造である。 Halverson & Sheridan (2014, N171) は研究の文脈を整理した位置づけ論文であり、学習成果の実証データを提示していない。 Martin (2015, N173) は道具、コミュニティ基盤、マインドセットの3要素で整理しつつ、証拠基盤の構築を今後の課題と位置づけた。 Sheridan ら (2014, N172) の3つのメイカースペースの比較事例研究は、参加者が問題を発見し、モデルを構築し、技能を適用し、知識を交換する過程を記述するが、統制群も事前事後の定量測定も伴わない。 Papavlasopoulou ら (2017, N175) の系統レビューも、この領域の実証研究群を対象としている。
さらに Vossoughi, Hooper & Escudé (2016, N174) は、公平性志向のメイカー教育が、どう枠づけられるかによって労働者階級や有色人種の生徒の学びの可能性を狭めも広げもすると論じた。 誰が「メイカー」として可視化され、誰が周辺化されるかという問いである。
自分のために作ったものの行き先
作った後どうなるかについては、定量的な実証が最も厚い領域がある。 ただし重要な限定がつく。
Avelino ら (2017, N177) は人気の GitHub アプリで truck factor を算出し、46%が1、28%が2だと報告した。 一人が抜ければ機能不全になるプロジェクトが半数近くある。 Coelho ら (2020, N182) は2,927プロジェクトを1年追跡し、約6分の1が非メンテナンス化したと報告し、Ait ら (2022, N183) は2016年に始まった1,127リポジトリの生存分析から、5年後の生存率が5割未満であることを示した。 Coelho & Valente (2017, N180) は廃止されたプロジェクトのメンテナ104名への調査から失敗要因を9個特定し、Miller ら (2025, N185) は依存先の放棄後の対応を分析して、終了が明示された場合は除去が速いことを報告している。
限定というのはこうである。 これらはすべて公開された GitHub プロジェクトの研究であり、公開すら意図していない自己利用の道具の追跡ではない。 個人スクリプト、業務中に自作したマクロ、研究者の私的コードがどれくらい生き延びるかを追った大規模実証は、本コーパスにない。 厳密に言えば、この領域が明らかにしてきたのは「自分のために作ったもの」ではなく「一人で背負うことになったもの」の行方である。
組織の中に残る自作物については、別の系譜がある。 Avdic (2018, N181) は公務員の表計算開発を、道具の活用としての一次的専有と、利用者の学習や組織要求の変化に伴う継続的改変としての二次的専有に区別した。 Spierings ら (2016, N179) は、公式システムの隙間を自作の道具で埋めて使い続ける実践を理論化し、受容、拒否、隠れたワークアラウンド、公然のワークアラウンドの4類型を示している。 McGill (2002, N176) は、経験の浅いエンドユーザー開発者が自作アプリケーションの品質を専門家の評価より高く見積もる傾向を報告した。
自作物への愛着そのものを扱った研究は、探しても見つからなかった。 IKEA effect、心理的所有感、デジタル所有物のいずれの角度から探索しても、自作ソフトウェアと結びつけた文献は0件だった。 自分で作ったものを手放しにくいという直観は、この分野ではまだ測られていない。
レビュー論文への含意
「EUD は学習に良いか」という問いは、そのままでは答えられない。 何を学習成果と呼ぶかで答えが変わり、しかもその答えは40年前から分かれているからである。 使える問いの立て方は、どの学習成果が、どの学習者に、どの条件で生じるかである。
三つの層に分けると、証拠の強さの違いがはっきりする。
- 近転移(プログラミングに近い技能): 比較的頑健に支持される(N07)。ただし測定が制作物に依存する場合、理解の代理指標としての妥当性に限界がある(N18)。
- ドメイン概念の理解: 統制群のない設計研究では肯定的(N08, N09)だが、概念ごとに定着が異なり(N10, N11)、業務文脈の実証はない。
- 遠転移(一般的な思考力): 1984年以来、否定的か限定的(N01, N03, N05, N07)。この主張を論文で使うことは、現在の証拠では正当化できない。
学習者を分けることも同じくらい効く。 EUD の設計知見はドメイン専門家を前提に積み上がっており、専門性逆転効果(N27)はその知見を初学者に転用できない理由を与える。 姉妹ノート end-user-development-literature が整理した「生成 AI が下げたのは学習コストであって検証コストではない」という構図は、初学者に対して二重に厳しく働く。 検証には対象領域の知識が要るからである。 ドメイン知識のない初学者は、作れる範囲が広がっても、作ったものが正しいかを判断する手がかりを持たない。 業務担当者が誤りの可能性を警告されてもなお生成コードの重大な欠陥を検出できなかったという報告(E81)は、ドメイン知識を持つ人たちの話である。
シビックテックを加えた段階で、学習者の条件は三つに分かれた。 給料のために作る場、単位のために作る場、無償で公共のために作る場である。 だがこの三つは「誰のために作るか」という一軸でしか分かれていない。 自分の必要から作るという動機を入れると、もう一軸が要る。
| 自分の必要から始まる | 外から与えられる | |
|---|---|---|
| 自分のために作る | 自作の道具、趣味の制作、自己追跡(E1–E5, E10, E12) | (成立しにくい) |
| 他者のために作る | 困っている人を見て作る、シビックテックの一部(D1) | 業務命令、学校の課題、受託開発(既存 D1, C1–C4) |
EUD 研究の主流が扱ってきたのは、この表の右下である。 「組織の需給不均衡」も「専門家不足」も、作る理由が本人の外側にあることを前提にしている。 左上を扱ってきたのは EUD 研究ではなく、ユーザーイノベーション研究とオープンソースの動機研究という別の系譜だった。 両者はほとんど相互に引用しない。 既存コーパスの EUC と EUD が管理と解放の語彙で分かれていたのと同じ断絶が、ここにも別の形である。
四つの条件で違うのは、学習コストを払う理由(報酬、評価、関心、自分の困りごと)、ドメイン知識の所在(作り手自身、教材、別の人)、成果物の行き先(業務システム、提出物、行政と地域、自分の手元)である。 EUD の学習効果を論じるとき、この四つを同じ枠で語ることはできない。
とくにシビックテックでは、EUD が前提としてきた条件が一つ外れる。 ドメインを知る当人が自分で作るという条件である。 外れた結果として何が起きるかは、要求工学が別の文脈で記述してきた(N51, N52)。 知らない者が問いを開き、知る者が前提を閉じる。 シビックテックの協働設計が繰り返し報告してきた困難(N83, N86, N88)は、この構造の帰結として読める。
空白(未充足の論点)
- 遅延テストによる定着測定がほぼない。AI 支援下の学習成果を扱う5件のうち、数週間以上あけた遅延テストを設計に組み込んだ研究は0件で、最長は学期内の中間試験(N55)である。本コーパス全体で真の長期追跡は N64(10週間後)だけであり、その1件が「短期の優位は消失する」という結果を出している。「AI で作れるようになった初学者が、支援なしでも作れるようになるか」を測った研究は見つからなかった。
- 生成 AI とローコードを組み合わせた環境の概念形成研究がない。抽象化を隠す環境の影響の実証は、AI 以前のブロックとテキストの比較にとどまる。
- 業務文脈の表計算モデリングにおける概念学習の実証がない。ドメイン概念の構築による学習の証拠はエージェントベースモデリングの教育研究に偏り、EUD で最も使われている道具についての実証がない。
- 職業訓練の文脈に学習科学的な設計がない。市民開発者の訓練研究は組織論の枠組みが中心で、事前事後テストを伴うのは1件、それも自己報告に依存する。
- ドメイン知識ゼロの成人学習者を対象とした EUD 研究がない。本コーパスの学習者像は K-12 と大学生が中心である。成人が業務目的で、単位も成績もない状況で学ぶという EUD 本来の条件で初学者の学習を追跡した研究はない。
- 日本語圏の実証がない。姉妹ノートが観察した学術言説と実務言説の非対称は、学習効果の領域でも同じ形で現れる。
シビックテックを加えて見えた空白
- シビックテックの学習成果に統制群を伴う定量研究がない。学習を主題として測った研究(N69, N74, N75, N76, N79)は小規模な事例か自己報告に限られる。「シビックテックが個人の能力を伸ばす」という証拠と、「参加や成果物の定着は容易でない」という反証的な証拠を、同じ強度では並べられない。後者のほうが多様な文脈から収斂して得られている。
- 成果物の持続性を横断追跡した研究がない。ハッカソン終了後のコード放棄は研究課題として指摘されている(N73)が、複数の市民主導プロジェクトを横断して生存率や維持の実態を追った実証はない。
- 参加しない層への調査がない。参加者の障壁を扱う研究(N70)はあるが、参加しなかった人々そのものを対象にした調査は見つからなかった。参加の不平等を実証したのは行政側の申請データ分析(N122)であり、当事者の語りではない。
- vTaiwan の政策反映度を検証した独立研究がない。開発者自身による記述を除外した結果、この著名事例について「実際に政策へどれだけ反映されたか」を定量的に検証した独立の査読研究が存在しないことが分かった。
- シビックテックと業務 EUD の学習効果を比較した研究がない。同じ人が同じ道具を、報酬のある業務と無償の公共活動で使ったときに学習がどう違うかを検討した研究は、両コーパスを通じて存在しない。
空白1と5を合わせると、レビュー論文の貢献の置き場所が見える。 AI 支援下でドメイン知識のない成人が業務のために何かを作る場面で、遅延テストによって定着を測った研究は存在しない。 この設計を提案すること自体が、現在の文献の到達点を一歩越える。
自分の必要という動機を加えて見えた空白
- 自作物への愛着を測定した実証がない。IKEA effect、心理的所有感、デジタル所有物のいずれの角度で探索しても、自作ソフトウェアと結びつけた文献は0件だった。自分で作ったものを手放しにくいという直観は、まだ測られていない。
- 非公開の自己利用ツールを追跡した実証がない。放棄率の大規模実証はすべて公開された GitHub プロジェクトが対象であり、個人スクリプトや業務中に自作したマクロの生存を追った研究はない。この領域が明らかにしてきたのは「一人で背負うことになったもの」の行方であって、「自分のために作ったもの」の行方ではない。
- 自分のために作ることと与えられて作ることを直接比較した学習研究がない。自己選択の研究は課題内容の選択を扱い、事例研究は自己選択の場面のみを扱う。同一の学習者集団で二つの条件を比較した設計はない。Kelleher ら (N164) が最も近いが、比較しているのは題材の個人的意味であって動機の出所ではない。
- ユーザーイノベーションの規模推計と EUD 研究が接続されていない。消費者の6.1%が製品を開発または改造しているという推計(N137)と、EUD 研究が扱うエンドユーザー開発者の人口推計(既存コーパスの Scaffidi ら)は、方法論も定義も異なるまま並存している。突き合わせた研究は見つからなかった。
空白7と11は、そこに比較の軸を足す。 報酬の有無で学習コストを払う理由が変わるなら、同じ道具でも学ばれるものが変わるはずである。 この比較を設計できれば、EUD の学習効果を「道具の性質」ではなく「作る条件」の関数として論じられる。
空白14はその設計を具体化する。 自分の必要から始まった制作と、外から与えられた制作を同じ学習者集団で比較し、遅延テストで定着を測る。 Kelleher ら (N164) が動機と時間の差を出しながら到達度に差を出さなかったことを踏まえるなら、この比較の予測は「時間は増えるが単位時間あたりの効率は変わらない」になる。 それが正しいかどうかは、まだ誰も確かめていない。
未検証事項
2026-08-14 に全185件を再検証した。 DOI を持つ182件を Crossref REST API へ照会して書誌を機械照合し、要旨が取得できたものからは標本と手法の記述を抜き出した。 書籍と会議録、掲載誌の査読水準、プレプリントの査読版の有無は、出版社と学会の一次ページで個別に確認した。
再検証で確定した主な数値は次のとおりである。
- N02(Clements & Gullo 1984): 6歳児18名を12週間の介入に無作為配置。事前測定は受容語彙、衝動性と熟慮性、拡散的思考の三つ
- N06(Liao & Bright 1991): 432件の比較を対象とし、その89%が正の効果量、研究重みづけ平均は0.41
- N12(Torkzadeh & Koufteros 1994): 30項目の計算機自己効力感尺度を学部生224名に、入門科目の開始時と終了時の2回実施
- N30(Simonsmeier ら 2022): 8,776の効果量を対象としたメタ分析
- N118(Cardullo & Kitchin 2019): 2017年の Smart City Expo における市職員と出展企業への面接20件
- N122(Clark ら 2013): ボストン市の2010年から2011年の1年分のサービス要求を、地理空間分析と負の二項回帰で分析
- N124(Haughton & McManus 2020): 主要情報提供者25名への面接と、住民説明会や抗議行動6件への参加
- N127(Erete 2015): 5地域で3年間、住民45名への面接と7,000件超のオンライン投稿の質的内容分析
- N143(Lakhani & Wolf 2005): 287プロジェクトの開発者684名への調査。初回収集で削除した数値を復活させた
- N156(Guzdial & Forte 2005): 履修者の約90%が A から C を取得し、80%が一学期後も影響を報告
- N178(Avelino ら 2016): 67の対象システムの開発者に確認を求め、84%が結果に同意または部分同意
- N48(Nuhfer & Fleisher 2026): Numeracy 19(1), art.1479 として巻号が確定
- N61(Paludo & Montresor 2026): Italian Journal of Educational Technology 34(1) に2026年2月26日掲載の査読論文で、対象は学生40名。Crossref には未登録だが DOI は解決する
- N161(Ito ら 2013): Digital Media and Learning Research Hub 発行の研究総合報告書(ISBN 978-0-9887255-0-8)であり、査読出版物ではない
- N177(Avelino ら 2017): PeerJ Preprints のまま査読出版されていない。同サービスは2019年9月に新規受付を停止した。N178 とは著者構成が異なる別個の成果物である
- N160(Ito ら): DOI が指すのは2019年の MIT Press Open 版(10周年版)で、序文が加わるほかは2009年版と本文が同一とされる
残る未検証は次のとおりで、いずれも要旨に記載がなく本文に到達できていないものである。
- 標本や手法の詳細が要旨から確定できない: N29(参加者数), N51(統計的詳細), N66(標本数), N79(一次データの範囲), N94(効果の外的妥当性), N96(調査の標本数。非公表であることは追認), N100(パイロットの規模), N102(標本規模と実施形態。要旨自体が取得できない), N103(実験がオンラインか対面か。2006年11月にフィンランドで実施したことのみ確定), N105(どちらの形式が優位か), N107(データ収集方法), N109(サーベイの標本規模), N123, N130, N138, N140, N141, N144, N145, N148, N150, N151, N152, N154, N155, N166, N168, N175, N176, N181, N184, N185
[要一次検証] - メタ分析と尺度の内訳: N06 が対象とした研究数そのもの(比較数432は確定), N12 の訓練前後での因子構造の変化の内容, N30 が収録した研究の期間
[要一次検証] - 書誌は確定したが本文または詳細要旨に到達できていない: N117, N119, N131, N134, N135, N142, N162, N170(いずれも Crossref で巻号頁を確定済み。主要貢献の記述はタイトルと書誌の範囲にとどめている)
[要一次検証] - 査読版が存在しないプレプリント: N60(Ma ら 2025。arXiv の journal-ref は空)
[要一次検証] - N72(Almeida & de Souza 2022): オートエスノグラフィ(n=1)のワークショップ論文であり、一般化可能性が限定的(未検証ではなく既知の限界)
- 全185件に共通して、各文献の「主要貢献」は書誌と要旨に基づく要約であり、本文全体を読んで確認したものではない。論文執筆時には、少なくとも本文で論拠に使う文献は原著に当たり直す必要がある
発行年については、17件でオンライン先行公開の年と誌面の号の年が分かれる(N23, N40, N52, N63, N65, N74, N95, N96, N98, N99, N110, N111, N112, N117, N139, N160, N179)。 本ノートはオンライン先行の年で統一して引用している。参照文献の側では、初回収集で年に疑義が付いていた N74 と N179 にだけ誌面の号を併記した。
参照文献
転移の検証(A1)
- N01. Pea, R.D. & Kurland, D.M. (1984). On the cognitive effects of learning computer programming. New Ideas in Psychology, 2(2), 137–168. https://doi.org/10.1016/0732-118x(84)90018-7
- N02. Clements, D.H. & Gullo, D.F. (1984). Effects of computer programming on young children’s cognition. Journal of Educational Psychology, 76(6), 1051–1058. https://doi.org/10.1037/0022-0663.76.6.1051
- N03. Mayer, R.E., Dyck, J.L. & Vilberg, W. (1986). Learning to program and learning to think: What’s the connection? Communications of the ACM, 29(7), 605–610. https://doi.org/10.1145/6138.6142
- N04. Salomon, G. & Perkins, D.N. (1987). Transfer of cognitive skills from programming: When and how? Journal of Educational Computing Research, 3(2), 149–169. https://doi.org/10.2190/6f4q-7861-qwa5-8pl1
- N05. Palumbo, D.B. (1990). Programming language/problem-solving research: A review of relevant issues. Review of Educational Research, 60(1), 65–89. https://doi.org/10.3102/00346543060001065
- N06. Liao, Y.C. & Bright, G.W. (1991). Effects of computer programming on cognitive outcomes: A meta-analysis. Journal of Educational Computing Research, 7(3), 251–268. https://doi.org/10.2190/E53G-HH8K-AJRR-K69M
- N07. Scherer, R., Siddiq, F. & Sánchez Viveros, B. (2019). The cognitive benefits of learning computer programming: A meta-analysis of transfer effects. Journal of Educational Psychology, 111(5), 764–792. https://doi.org/10.1037/edu0000314
ドメイン概念の構築による学習(A2)
- N08. Wilensky, U. & Reisman, K. (2006). Thinking like a wolf, a sheep, or a firefly: Learning biology through constructing and testing computational theories. Cognition and Instruction, 24(2), 171–209. https://doi.org/10.1207/s1532690xci2402_1
- N09. Blikstein, P. & Wilensky, U. (2009). An atom is known by the company it keeps: A constructionist learning environment for materials science using agent-based modeling. International Journal of Computers for Mathematical Learning, 14(2), 81–119. https://doi.org/10.1007/s10758-009-9148-8
- N10. Meerbaum-Salant, O., Armoni, M. & Ben-Ari, M. (2013). Learning computer science concepts with Scratch. Computer Science Education, 23(3), 239–264. https://doi.org/10.1080/08993408.2013.832022
- N11. Grover, S., Pea, R. & Cooper, S. (2015). Designing for deeper learning in a blended computer science course for middle school students. Computer Science Education, 25(2), 199–237. https://doi.org/10.1080/08993408.2015.1033142
自己効力感と態度(A3)
- N12. Torkzadeh, G. & Koufteros, X. (1994). Factorial validity of a computer self-efficacy scale and the impact of computer training. Educational and Psychological Measurement, 54(3), 813–821. https://doi.org/10.1177/0013164494054003028
- N13. Compeau, D.R. & Higgins, C.A. (1995). Computer self-efficacy: Development of a measure and initial test. MIS Quarterly, 19(2), 189–211. https://doi.org/10.2307/249688
- N14. Wiedenbeck, S. (2005). Factors affecting the success of non-majors in learning to program. Proc. ICER 2005, 13–24. https://doi.org/10.1145/1089786.1089788
- N15. Kong, S.C., Chiu, M.M. & Lai, M. (2018). A study of primary school students’ interest, collaboration attitude, and programming empowerment in computational thinking education. Computers & Education, 127, 178–189. https://doi.org/10.1016/j.compedu.2018.08.026
- N16. Gorson, J. & O’Rourke, E. (2020). Why do CS1 students think they’re bad at programming? Investigating self-efficacy and self-assessments at three universities. Proc. ICER 2020, 170–181. https://doi.org/10.1145/3372782.3406273
測定と構成概念の妥当性(A4)
- N17. Robins, A., Rountree, J. & Rountree, N. (2003). Learning and teaching programming: A review and discussion. Computer Science Education, 13(2), 137–172. https://doi.org/10.1076/csed.13.2.137.14200
- N18. Denner, J., Werner, L. & Ortiz, E. (2012). Computer games created by middle school girls: Can they be used to measure understanding of computer science concepts? Computers & Education, 58(1), 240–249. https://doi.org/10.1016/j.compedu.2011.08.006
- N19. Brennan, K. & Resnick, M. (2012). New frameworks for studying and assessing the development of computational thinking. Proc. AERA 2012 Annual Meeting, Vancouver, BC, 2012年4月13–17日, 25pp. https://scratched.gse.harvard.edu/ct/files/AERA2012.pdf
- N20. Grover, S. & Pea, R. (2013). Computational thinking in K-12: A review of the state of the field. Educational Researcher, 42(1), 38–43. https://doi.org/10.3102/0013189x12463051
- N21. Lye, S.Y. & Koh, J.H.L. (2014). Review on teaching and learning of computational thinking through programming: What is next for K-12? Computers in Human Behavior, 41, 51–61. https://doi.org/10.1016/j.chb.2014.09.012
- N22. Román-González, M., Pérez-González, J.C. & Jiménez-Fernández, C. (2017). Which cognitive abilities underlie computational thinking? Criterion validity of the Computational Thinking Test. Computers in Human Behavior, 72, 678–691. https://doi.org/10.1016/j.chb.2016.08.047
- N23. Popat, S. & Starkey, L. (2018). Learning to code or coding to learn? A systematic review. Computers & Education, 128, 365–376. https://doi.org/10.1016/j.compedu.2018.10.005
- N24. Tang, X., Yin, Y., Lin, Q., Hadad, R. & Zhai, X. (2020). Assessing computational thinking: A systematic review of empirical studies. Computers & Education, 148, 103798. https://doi.org/10.1016/j.compedu.2019.103798
認知負荷とドメイン知識(B1)
- N25. Sweller, J. (1988). Cognitive load during problem solving: Effects on learning. Cognitive Science, 12(2), 257–285. https://doi.org/10.1207/s15516709cog1202_4
- N26. Paas, F.G.W.C. & van Merriënboer, J.J.G. (1994). Variability of worked examples and transfer of geometrical problem-solving skills: A cognitive-load approach. Journal of Educational Psychology, 86(1), 122–133. https://doi.org/10.1037/0022-0663.86.1.122
- N27. Kalyuga, S., Ayres, P., Chandler, P. & Sweller, J. (2003). The expertise reversal effect. Educational Psychologist, 38(1), 23–31. https://doi.org/10.1207/s15326985ep3801_4
- N28. Renkl, A. & Atkinson, R.K. (2003). Structuring the transition from example study to problem solving in cognitive skill acquisition: A cognitive load perspective. Educational Psychologist, 38(1), 15–22. https://doi.org/10.1207/s15326985ep3801_3
- N29. Kalyuga, S. & Sweller, J. (2004). Measuring knowledge to optimize cognitive load factors during instruction. Journal of Educational Psychology, 96(3), 558–568. https://doi.org/10.1037/0022-0663.96.3.558
- N30. Simonsmeier, B.A., Flaig, M., Deiglmayr, A., Schalk, L. & Schneider, M. (2022). Domain-specific prior knowledge and learning: A meta-analysis. Educational Psychologist, 57(1), 31–54. https://doi.org/10.1080/00461520.2021.1939700
ガイダンスをめぐる論争(B2)
- N31. Mayer, R.E. (2004). Should there be a three-strikes rule against pure discovery learning? American Psychologist, 59(1), 14–19. https://doi.org/10.1037/0003-066x.59.1.14
- N32. Kirschner, P.A., Sweller, J. & Clark, R.E. (2006). Why minimal guidance during instruction does not work. Educational Psychologist, 41(2), 75–86. https://doi.org/10.1207/s15326985ep4102_1
- N33. Hmelo-Silver, C.E., Duncan, R.G. & Chinn, C.A. (2007). Scaffolding and achievement in problem-based and inquiry learning: A response to Kirschner, Sweller, and Clark (2006). Educational Psychologist, 42(2), 99–107. https://doi.org/10.1080/00461520701263368
- N34. Alfieri, L., Brooks, P.J., Aldrich, N.J. & Tenenbaum, H.R. (2011). Does discovery-based instruction enhance learning? Journal of Educational Psychology, 103(1), 1–18. https://doi.org/10.1037/a0021017
初学者のプログラム理解(B3)
- N35. du Boulay, B. (1986). Some difficulties of learning to program. Journal of Educational Computing Research, 2(1), 57–73. https://doi.org/10.2190/3lfx-9rrf-67t8-uvk9
- N36. Pea, R.D. (1986). Language-independent conceptual “bugs” in novice programming. Journal of Educational Computing Research, 2(1), 25–36. https://doi.org/10.2190/689t-1r2a-x4w4-29j2
- N37. Soloway, E. (1986). Learning to program = Learning to construct mechanisms and explanations. Communications of the ACM, 29(9), 850–858. https://doi.org/10.1145/6592.6594
- N38. Spohrer, J.C. & Soloway, E. (1986). Novice mistakes: Are the folk wisdoms correct? Communications of the ACM, 29(7), 624–632. https://doi.org/10.1145/6138.6145
- N39. Sorva, J. (2013). Notional machines and introductory programming education. ACM Transactions on Computing Education, 13(2), 1–31. https://doi.org/10.1145/2483710.2483713
- N40. Qian, Y. & Lehman, J. (2017). Students’ misconceptions and other difficulties in introductory programming: A literature review. ACM Transactions on Computing Education, 18(1), 1–24. https://doi.org/10.1145/3077618
メタ認知と自己評価の較正(B4)
- N41. Kruger, J. & Dunning, D. (1999). Unskilled and unaware of it. Journal of Personality and Social Psychology, 77(6), 1121–1134. https://doi.org/10.1037/0022-3514.77.6.1121
- N42. Rozenblit, L. & Keil, F. (2002). The misunderstood limits of folk science: An illusion of explanatory depth. Cognitive Science, 26(5), 521–562. https://doi.org/10.1207/s15516709cog2605_1
- N43. Bjork, R.A., Dunlosky, J. & Kornell, N. (2013). Self-regulated learning: Beliefs, techniques, and illusions. Annual Review of Psychology, 64, 417–444. https://doi.org/10.1146/annurev-psych-113011-143823
- N44. Nuhfer, E., Fleisher, S., Cogan, C., Wirth, K. & Gaze, E. (2017). How random noise and a graphical convention subverted behavioral scientists’ explanations of self-assessment data. Numeracy, 10(1), art.4. https://doi.org/10.5038/1936-4660.10.1.4
- N45. Gignac, G.E. & Zajenkowski, M. (2020). The Dunning-Kruger effect is (mostly) a statistical artefact. Intelligence, 80, art.101449. https://doi.org/10.1016/j.intell.2020.101449
- N46. Prather, J., Becker, B.A., Craig, M., Denny, P., Loksa, D. & Margulieux, L. (2020). What do we think we think we are doing? Metacognition and self-regulation in programming. Proc. ICER 2020, 2–13. https://doi.org/10.1145/3372782.3406263
- N47. Loksa, D., Margulieux, L., Becker, B.A., Craig, M., Denny, P., Pettit, R. & Prather, J. (2022). Metacognition and self-regulation in programming education: Theories and exemplars of use. ACM Transactions on Computing Education, 22(4), 1–31. https://doi.org/10.1145/3487050
- N48. Nuhfer, E. & Fleisher, S. (2026). Unskilled but aware of it: Understanding self-assessment by estimating guessing from cognitive-metacognitive paired measures. Numeracy, 19(1), art.1479. https://doi.org/10.5038/1936-4660.19.1.1479
ドメイン知識と問題定義(B5)
- N49. Chi, M.T.H., Feltovich, P.J. & Glaser, R. (1981). Categorization and representation of physics problems by experts and novices. Cognitive Science, 5(2), 121–152. https://doi.org/10.1207/s15516709cog0502_2
- N50. Jonassen, D.H. (1997). Instructional design models for well-structured and ill-structured problem-solving learning outcomes. Educational Technology Research and Development, 45(1), 65–94. https://doi.org/10.1007/bf02299613
- N51. Niknafs, A. & Berry, D.M. (2012). The impact of domain knowledge on the effectiveness of requirements idea generation during requirements elicitation. Proc. IEEE RE 2012, 181–190. https://doi.org/10.1109/re.2012.6345802
- N52. Hadar, I., Soffer, P. & Kenzi, K. (2012/2014). The role of domain knowledge in requirements elicitation via interviews: An exploratory study. Requirements Engineering, 19(2), 143–159. https://doi.org/10.1007/s00766-012-0163-2
AI 支援下の学習成果(C1)
- N53. Kazemitabaar, M., Hou, X., Henley, A., Ericson, B.J., Weintrop, D. & Grossman, T. (2023). How novices use LLM-based code generators to solve CS1 coding tasks in a self-paced learning environment. Proc. Koli Calling 2023. https://doi.org/10.1145/3631802.3631806
- N54. Johnson, S., Doss, W. & Estepp, C. (2024). Using ChatGPT with novice Arduino programmers. Journal of Research in Technical Careers, 8(1). https://doi.org/10.9741/2578-2118.1152
- N55. Kosar, T., Ostojić, D., Liu, Y.D. & Mernik, M. (2024). Computer science education in the ChatGPT era. Mathematics, 12(5), 629. https://doi.org/10.3390/math12050629
- N56. Haindl, P. & Weinberger, G. (2024). Does ChatGPT help novice programmers write better code? A comparative study. IEEE Access. https://doi.org/10.1109/access.2024.3445432
- N57. Melanou, E. & Beege, M. (2026). Scaffolding generative AI as a tutor: A quasi-experimental study of learning outcomes and motivational, cognitive and metacognitive processes. Education Sciences, 16(4). https://doi.org/10.3390/educsci16040651
メタ認知と援助要請(C2)
- N58. Scholl, A. & Kiesler, N. (2024). How novice programmers use and experience ChatGPT when solving programming exercises. Proc. IEEE FIE 2024. https://doi.org/10.1109/fie61694.2024.10893442
- N59. Hou, I., Mettille, S., Man, O., Li, Z., Zastudil, C. & MacNeil, S. (2024). The effects of generative AI on computing students’ help-seeking preferences. Proc. ACE 2024. https://doi.org/10.1145/3636243.3636248
- N60. Ma, B., Li, Y., Li, X., Chen, T., Tang, Y., Xie, T., Gu, X., Shimada, A. & Konomi, S. (2025). Scaffolding metacognition in programming education: Understanding student-AI interactions and design implications. arXiv:2511.04144. https://arxiv.org/abs/2511.04144
[要一次検証] - N61. Paludo, M. & Montresor, A. (2026). Toward a new paradigm of AI-powered programming education through metacognition. Italian Journal of Educational Technology, 34(1), 2026年2月26日掲載(査読誌。Crossref 未登録で DOI は mEDRA 等の別登録機関経由と見られる). https://doi.org/10.17471/2499-4324/1457
抽象化を隠す環境と概念形成(C3)
- N62. Weintrop, D. & Wilensky, U. (2015). Using commutative assessments to compare conceptual understanding in blocks-based and text-based programs. Proc. ICER 2015. https://doi.org/10.1145/2787622.2787721
- N63. Weintrop, D. & Wilensky, U. (2017). Comparing block-based and text-based programming in high school computer science classrooms. ACM Transactions on Computing Education, 18(1), 1–25. https://doi.org/10.1145/3089799
- N64. Weintrop, D. & Wilensky, U. (2019). Transitioning from introductory block-based and text-based environments to professional programming languages in high school computer science classrooms. Computers & Education, 142, 103646. https://doi.org/10.1016/j.compedu.2019.103646
職業訓練と再教育(C4)
- N65. McHugh, M., Carroll, N. & Connolly, C. (2023/2024). Low-code and no-code development platforms: A case study in secondary education. Computers in the Schools, 41(4), 399–424. https://doi.org/10.1080/07380569.2023.2256729
- N66. Matook, S., Wang, Y. & Axelsen, M. (2025). Experiential learning for citizen developers: Training IT talent in low-code development and metacognitive reflection. Business & Information Systems Engineering, 67(1), 7–30. https://doi.org/10.1007/s12599-024-00921-3
シビックハッカソンと市民ハッキング(D1)
- N67. Lodato, T.J. & DiSalvo, C. (2016). Issue-oriented hackathons as material participation. New Media & Society, 18(4), 539–557. https://doi.org/10.1177/1461444816629467
- N68. Schrock, A.R. (2016). Civic hacking as data activism and advocacy: A history from publicity to open government data. New Media & Society, 18(4), 581–599. https://doi.org/10.1177/1461444816629469
- N69. Porter, E., Bopp, C., Gerber, E. & Voida, A. (2017). Reappropriating hackathons: The production work of the CHI4Good Day of Service. Proc. CHI 2017. https://doi.org/10.1145/3025453.3025637
- N70. Young, M. & Yan, A. (2017). Civic hackers’ user experiences and expectations of Seattle’s open municipal data program. Proc. HICSS-50. https://doi.org/10.24251/hicss.2017.324
- N71. Falk, J., Kannabiran, G. & Hansen, N.B. (2021). What do hackathons do? Understanding participation in hackathons through program theory analysis. Proc. CHI 2021. https://doi.org/10.1145/3411764.3445198
- N72. Almeida, L.A. & de Souza, C.R.B. (2022). A social-cognitive analysis of a female-focused hackathon. Proc. GEICSE Workshop (ICSE 2022). https://doi.org/10.1145/3524501.3527597
- N73. Falk, J., Nolte, A., Huppenkothen, D., Weinzierl, M., Gama, K., Spikol, D., Tollerud, E., Chue Hong, N., Knäpper, I. & Hayden, L.B. (2024). The future of hackathon research and practice. IEEE Access, 12. https://doi.org/10.1109/access.2024.3455092
データリテラシーと市民科学の学習(D2)
- N74. Ballard, H.L., Dixon, C.G.H. & Harris, E.M. (2016). Youth-focused citizen science: Examining the role of environmental science learning and agency for conservation. Biological Conservation, 208, 65–75(誌面は2017年4月号). https://doi.org/10.1016/j.biocon.2016.05.024
- N75. Bhargava, R., Kadouaki, R., Bhargava, E., Castro, G. & D’Ignazio, C. (2016). Data murals: Using the arts to build data literacy. Journal of Community Informatics, 12(3). https://doi.org/10.15353/joci.v12i3.3285
- N76. D’Ignazio, C. & Bhargava, R. (2016). DataBasic: Design principles, tools and activities for data literacy learners. Journal of Community Informatics, 12(3). https://doi.org/10.15353/joci.v12i3.3280
- N77. Kosmala, M., Wiggins, A., Swanson, A. & Simmons, B. (2016). Assessing data quality in citizen science. Frontiers in Ecology and the Environment, 14(10), 551–560. https://doi.org/10.1002/fee.1436
- N78. Frensley, T., Crall, A., Stern, M., Jordan, R., Gray, S., Prysby, M., Newman, G., Hmelo-Silver, C., Mellor, D. & Huang, J. (2017). Bridging the benefits of online and community supported citizen science. Citizen Science: Theory and Practice, 2(1), art.4. https://doi.org/10.5334/cstp.84
- N79. Phillips, T., Porticella, N., Constas, M. & Bonney, R. (2018). A framework for articulating and measuring individual learning outcomes from participation in citizen science. Citizen Science: Theory and Practice, 3(2). https://doi.org/10.5334/cstp.126
[要一次検証] - N80. Rothschild, A., Meng, A., DiSalvo, C., Johnson, B., Shapiro, B.R. & DiSalvo, B. (2022). Interrogating data work as a community of practice. PACM HCI, 6(CSCW2), art.371. https://doi.org/10.1145/3555198
- N81. Dove, G., Shanley, J., Matuk, C. & Nov, O. (2023). Open data intermediaries: Motivations, barriers and facilitators to engagement. PACM HCI, 7(CSCW1), art.135. https://doi.org/10.1145/3579511
協働設計、信頼、制度的制約(D3)
- N82. Erete, S.L. (2013). Community, group and individual: A framework for designing community technologies. Journal of Community Informatics, 10(1). https://doi.org/10.15353/joci.v10i1.2671
- N83. Corbett, E. & Le Dantec, C.A. (2018). Exploring trust in digital civics. Proc. DIS 2018. https://doi.org/10.1145/3196709.3196715
- N84. Lodato, T. & DiSalvo, C. (2018). Institutional constraints: The forms and limits of participatory design in the public realm. Proc. PDC 2018. https://doi.org/10.1145/3210586.3210595
- N85. Knutas, A., Palacin, V., Maccani, G. & Helfert, M. (2019). Software engineering in civic tech: A case study about Code for Ireland. Proc. ICSE-SEIS 2019, 41–50. https://doi.org/10.1109/icse-seis.2019.00013
- N86. Harrington, C., Erete, S. & Piper, A.M. (2019). Deconstructing community-based collaborative design: Towards more equitable participatory design engagements. PACM HCI, 3(CSCW), art.216. https://doi.org/10.1145/3359318
- N87. Gooch, D., Kelly, R.M., Stiver, A., van der Linden, J., Petre, M., Richards, M., Klis-Davies, A., MacKinnon, J., Macpherson, R. & Walton, C. (2020). The benefits and challenges of using crowdfunding to facilitate community-led projects in the context of digital civics. International Journal of Human-Computer Studies, 134. https://doi.org/10.1016/j.ijhcs.2019.10.005
- N88. Corbett, E. & Le Dantec, C.A. (2021). Designing civic technology with trust. Proc. CHI 2021. https://doi.org/10.1145/3411764.3445341
- N89. Knutas, A., Palacin, V., Maccani, G., Aragon, P., Wolff, A. & Mocek, L. (2022). Civic code for social change: Lessons in civic tech grassroots for software engineers. IEEE Software, 39(6), 64–72. https://doi.org/10.1109/ms.2022.3179670
参加プラットフォームの設計と実証(D4)
- N90. Aragón, P., Kaltenbrunner, A., Calleja-López, A., Pereira, A., Monterde, A., Barandiaran, X.E. & Gómez, V. (2017). Deliberative platform design: The case study of the online discussions in Decidim Barcelona. Social Informatics (LNCS 10540). https://doi.org/10.1007/978-3-319-67256-4_22
- N91. Aragón, P., Gómez, V. & Kaltenbrunner, A. (2017). Detecting platform effects in online discussions. Policy & Internet, 9(4), 420–443. https://doi.org/10.1002/poi3.158
- N92. Falco, E. & Kleinhans, R. (2018). Digital participatory platforms for co-production in urban development. International Journal of E-Planning Research, 7(3). https://doi.org/10.4018/ijepr.2018070105
- N93. Royo, S., Pina Martínez, V. & García-Rayado, J. (2020). Decide Madrid: A critical analysis of an award-winning e-participation initiative. Sustainability, 12(4). https://doi.org/10.3390/su12041674
- N94. Arana-Catania, M., Van Lier, F.-A., Procter, R., Tkachenko, N., He, Y., Zubiaga, A. & Liakata, M. (2021). Citizen participation and machine learning for a better democracy. Digital Government: Research and Practice, 2(3). https://doi.org/10.1145/3452118
[要一次検証] - N95. Tseng, Y.-S. (2022). Rethinking gamified democracy as frictional: A comparative examination of the Decide Madrid and vTaiwan platforms. Social & Cultural Geography, 24(8). https://doi.org/10.1080/14649365.2022.2055779
- N96. Borge, R., Balcells, J. & Padró-Solanet, A. (2022). Democratic disruption or continuity? Analysis of the Decidim platform in Catalan municipalities. American Behavioral Scientist, 67(7). https://doi.org/10.1177/00027642221092798
[要一次検証] - N97. Menéndez-Blanco, M. & Bjørn, P. (2022). Designing digital participatory budgeting platforms: Urban biking activism in Madrid. Computer Supported Cooperative Work, 31(4). https://doi.org/10.1007/s10606-022-09443-6
- N98. Bartocci, L., Grossi, G., Mauro, S.G. & Ebdon, C. (2022). The journey of participatory budgeting: A systematic literature review and future research directions. International Review of Administrative Sciences, 89(3). https://doi.org/10.1177/00208523221078938
- N99. Moats, D. & Tseng, Y.-S. (2023). Sorting a public? Using quali-quantitative methods to interrogate the role of algorithms in digital democracy platforms. Information, Communication & Society, 27(5). https://doi.org/10.1080/1369118x.2023.2230286
- N100. Kermanshahi, S.N., van der Tuin, I., Dirks, S., Overkempe, T., Hardman, L. & Pieters, T. (2024). Re-mediatization as a new digital approach towards local political deliberation. Digital Society, 3(3). https://doi.org/10.1007/s44206-024-00154-7
[要一次検証] - N101. Yang, J.C. & Bachmann, F. (2025). Bridging voting and deliberation with algorithms: Field insights from vTaiwan and Kultur Komitee. Proc. ACM FAccT 2025. https://doi.org/10.1145/3715275.3732205
熟議の効果、代表性、政策反映(D5)
- N102. Fishkin, J.S. & Luskin, R.C. (2005). Experimenting with a democratic ideal: Deliberative polling and public opinion. Acta Politica, 40(3), 284–298. https://doi.org/10.1057/palgrave.ap.5500121
[要一次検証] - N103. Grönlund, K., Setälä, M. & Herne, K. (2010). Deliberation and civic virtue: Lessons from a citizen deliberation experiment. European Political Science Review, 2(1), 95–117. https://doi.org/10.1017/s1755773909990245
[要一次検証] - N104. Neblo, M.A., Esterling, K.M., Kennedy, R.P., Lazer, D.M.J. & Sokhey, A.E. (2010). Who wants to deliberate—and why? American Political Science Review, 104(3), 566–583. https://doi.org/10.1017/s0003055410000298
- N105. Monnoyer-Smith, L. & Wojcik, S. (2012). Technology and the quality of public deliberation: A comparison between a citizen forum and an online forum. International Journal of Electronic Governance, 5(1). https://doi.org/10.1504/ijeg.2012.047443
[要一次検証] - N106. Lazer, D., Sokhey, A.E., Neblo, M.A., Esterling, K.M. & Kennedy, R. (2015). Expanding the conversation: Multiplier effects from a deliberative field experiment. Political Communication, 32(4), 552–573. https://doi.org/10.1080/10584609.2015.1017032
- N107. Su, C. (2017). From Porto Alegre to New York City: Participatory budgeting and democracy. New Political Science, 39(1), 67–75. https://doi.org/10.1080/07393148.2017.1278854
[要一次検証] - N108. Font, J., Smith, G., Galais, C. & Alarcón, P. (2018). Cherry-picking participation: Explaining the fate of proposals from participatory processes. European Journal of Political Research, 57(3), 615–636. https://doi.org/10.1111/1475-6765.12248
- N109. Pow, J., van Dijk, L. & Marién, S. (2020). It’s not just the taking part that counts: ‘Like me’ perceptions and support for the legitimacy of minipublics. Journal of Deliberative Democracy, 16(2). https://doi.org/10.16997/jdd.368
[要一次検証] - N110. Moore, A., Fredheim, R., Wyss, D. & Beste, S. (2020). Deliberation and identity rules: The effect of anonymity, pseudonyms and real-name requirements on the cognitive complexity of online news comments. Political Studies, 69(1), 45–65. https://doi.org/10.1177/0032321719891385
- N111. Knobloch, K.R. & Gastil, J. (2021). How deliberative experiences shape subjective outcomes: A meta-analysis of citizens’ initiative reviews. Journal of Deliberative Democracy, 18(1). https://doi.org/10.16997/jdd.942
- N112. van Dijk, L. & Lefevere, J. (2022). Can the use of minipublics backfire? A survey experiment. European Journal of Political Research, 62(1). https://doi.org/10.1111/1475-6765.12523
スマートシティと統治性の批判(D6)
- N113. Kitchin, R. (2014). The real-time city? Big data and smart urbanism. GeoJournal, 79(1), 1–14. https://doi.org/10.1007/s10708-013-9516-8
- N114. Vanolo, A. (2014). Smartmentality: The smart city as disciplinary strategy. Urban Studies, 51(5), 883–898. https://doi.org/10.1177/0042098013494427
- N115. Shelton, T., Zook, M. & Wiig, A. (2015). The ‘actually existing smart city’. Cambridge Journal of Regions, Economy and Society, 8(1), 13–25. https://doi.org/10.1093/cjres/rsu026
- N116. Sadowski, J. & Pasquale, F. (2015). The spectrum of control: A social theory of the smart city. First Monday, 20(7). https://doi.org/10.5210/fm.v20i7.5903
- N117. Cardullo, P. & Kitchin, R. (2018). Being a ‘citizen’ in the smart city: Up and down the scaffold of smart citizen participation in Dublin, Ireland. GeoJournal, 84(1), 1–13. https://doi.org/10.1007/s10708-018-9845-8
[要一次検証] - N118. Cardullo, P. & Kitchin, R. (2019). Smart urbanism and smart citizenship: The neoliberal logic of ‘citizen-focused’ smart cities in Europe. Environment and Planning C: Politics and Space, 37(5), 813–830. https://doi.org/10.1177/0263774X18806508
[要一次検証] - N119. Johnson, P.A., Robinson, P.J. & Philpot, S. (2020). Type, tweet, tap, and pass: How smart city technology is creating a transactional citizen. Government Information Quarterly, 37(1), 101414. https://doi.org/10.1016/j.giq.2019.101414
[要一次検証]
参加の脱政治化と公平性(D7)
- N120. DiSalvo, C. (2009). Design and the construction of publics. Design Issues, 25(1), 48–63. https://doi.org/10.1162/desi.2009.25.1.48
- N121. Björgvinsson, E., Ehn, P. & Hillgren, P.-A. (2012). Agonistic participatory design: Working with marginalised social movements. CoDesign, 8(2–3), 127–144. https://doi.org/10.1080/15710882.2012.672577
- N122. Clark, B.Y., Brudney, J.L. & Jang, S.-G. (2013). Coproduction of government services and the new information technology: Investigating the distributional biases. Public Administration Review, 73(5), 687–701. https://doi.org/10.1111/puar.12092
[要一次検証] - N123. Gabrys, J. (2017). Citizen sensing, air pollution and fracking: From ‘caring about your air’ to speculative practices of evidencing harm. The Sociological Review, 65(2_suppl), 172–192. https://doi.org/10.1177/0081176917710421
[要一次検証] - N124. Haughton, G. & McManus, P. (2020). Participation in postpolitical times. In Hou, J. & Knierbein, S. (eds.) Learning from Arnstein’s Ladder. Routledge, 228–250. https://doi.org/10.4324/9780429290091-19
[要一次検証] - N125. Crivellaro, C., Coles-Kemp, L. & Wood, K. (2021). ‘Computer says no’: Exploring social justice in digital services. In Hope Under Neoliberal Austerity. Policy Press, ch.7. https://doi.org/10.1332/policypress/9781447356820.003.0007
共同生産と条件付きの擁護(D8)
- N126. Linders, D. (2012). From e-government to we-government: Defining a typology for citizen coproduction in the age of social media. Government Information Quarterly, 29(4), 446–454. https://doi.org/10.1016/j.giq.2012.06.003
- N127. Erete, S.L. (2015). Engaging around neighborhood issues: How online communication affects offline behavior. Proc. ACM CSCW 2015, 1590–1601. https://doi.org/10.1145/2675133.2675182
[要一次検証] - N128. Voorberg, W.H., Bekkers, V.J.J.M. & Tummers, L.G. (2015). A systematic review of co-creation and co-production: Embarking on the social innovation journey. Public Management Review, 17(9), 1333–1357. https://doi.org/10.1080/14719037.2014.930505
- N129. Peixoto, T. & Fox, J. (2016). When does ICT-enabled citizen voice lead to government responsiveness? IDS Bulletin, 47(1). https://doi.org/10.19088/1968-2016.104
- N130. Falco, E. & Kleinhans, R. (2018). Beyond technology: Identifying local government challenges for using digital platforms for citizen engagement. International Journal of Information Management, 40. https://doi.org/10.1016/j.ijinfomgt.2018.01.007
[要一次検証]
ユーザーイノベーションの理論と実証(E1)
- N131. von Hippel, E. (1976). The dominant role of users in the scientific instrument innovation process. Research Policy. https://doi.org/10.1016/0048-7333(76)90028-7
[要一次検証] - N132. von Hippel, E. (1986). Lead users: A source of novel product concepts. Management Science, 32(7), 791. https://doi.org/10.1287/mnsc.32.7.791
- N133. von Hippel, E. & Katz, R. (2002). Shifting innovation to users via toolkits. Management Science, 48(7), 821. https://doi.org/10.1287/mnsc.48.7.821.2817
- N134. Harhoff, D., Henkel, J. & von Hippel, E. (2003). Profiting from voluntary information spillovers: How users benefit by freely revealing their innovations. Research Policy. https://doi.org/10.1016/s0048-7333(03)00061-1
[要一次検証] - N135. Franke, N. & Shah, S. (2003). How communities support innovative activities: An exploration of assistance and sharing among end-users. Research Policy. https://doi.org/10.1016/s0048-7333(02)00006-9
[要一次検証] - N136. Baldwin, C. & von Hippel, E. (2011). Modeling a paradigm shift: From producer innovation to user and open collaborative innovation. Organization Science. https://doi.org/10.1287/orsc.1100.0618
- N137. von Hippel, E., de Jong, J.P.J. & Flowers, S. (2012). Comparing business and household sector innovation in consumer products: Findings from a representative study in the United Kingdom. Management Science. https://doi.org/10.1287/mnsc.1110.1508
- N138. de Jong, J.P.J., von Hippel, E., Gault, F., Kuusisto, J. & Raasch, C. (2015). Market failure in the diffusion of consumer-developed innovations: Patterns in Finland. Research Policy. https://doi.org/10.1016/j.respol.2015.06.015
[要一次検証] - N139. von Hippel, E. (2017). Free Innovation. MIT Press(ハードカバーは2016年11月18日刊). ISBN 978-0-262-03521-7. CC BY-NC-ND 4.0 のオープンアクセス版あり. https://doi.org/10.7551/mitpress/9382.001.0001
消費者イノベーターと起業(E2)
- N140. Shah, S.K. & Tripsas, M. (2007). The accidental entrepreneur: The emergent and collective process of user entrepreneurship. Strategic Entrepreneurship Journal. https://doi.org/10.1002/sej.15
[要一次検証] - N141. Ogawa, S. & Pongtanalert, K. (2013). Exploring characteristics and motives of consumer innovators: Community innovators vs. independent innovators. Research-Technology Management. https://doi.org/10.5437/08956308x5603088
[要一次検証]
オープンソースの動機(E3)
- N142. Hertel, G., Niedner, S. & Herrmann, S. (2003). Motivation of software developers in open source projects: An internet-based survey of contributors to the Linux kernel. Research Policy. https://doi.org/10.1016/s0048-7333(03)00047-7
[要一次検証] - N143. Lakhani, K.R. & Wolf, R.G. (2005). Why hackers do what they do: Understanding motivation and effort in free/open source software projects. In Feller, J., Fitzgerald, B., Hissam, S. & Lakhani, K.R. (eds.) Perspectives on Free and Open Source Software, MIT Press, 3–22. ISBN 978-0-262-06246-4. https://doi.org/10.7551/mitpress/5326.003.0005
- N144. Shah, S.K. (2006). Motivation, governance, and the viability of hybrid forms in open source software development. Management Science. https://doi.org/10.1287/mnsc.1060.0553
- N145. Roberts, J.A., Hann, I.-H. & Slaughter, S.A. (2006). Understanding the motivations, participation, and performance of open source software developers: A longitudinal study of the Apache projects. Management Science. https://doi.org/10.1287/mnsc.1060.0554
[要一次検証] - N146. von Krogh, G., Haefliger, S., Spaeth, S. & Wallin, M.W. (2012). Carrots and rainbows: Motivation and social practice in open source software development. MIS Quarterly. https://doi.org/10.2307/41703471
日常のなかのプログラミング(E4)
- N147. Rosson, M.B., Ballin, J. & Nash, H. (2004). Everyday programming: Challenges and opportunities for informal web development. Proc. IEEE VL/HCC 2004. https://doi.org/10.1109/vlhcc.2004.26
- N148. Brandt, J., Guo, P.J., Lewenstein, J., Dontcheva, M. & Klemmer, S.R. (2009). Two studies of opportunistic programming: Interleaving web foraging, learning, and writing code. Proc. CHI 2009. https://doi.org/10.1145/1518701.1518944
[要一次検証]
メイカーと個人的製作(E5)
- N149. Kuznetsov, S. & Paulos, E. (2010). Rise of the expert amateur: DIY projects, communities, and cultures. Proc. NordiCHI 2010. https://doi.org/10.1145/1868914.1868950
- N150. Tanenbaum, T.J., Williams, A.M., Desjardins, A. & Tanenbaum, K. (2013). Democratizing technology: Pleasure, utility and expressiveness in DIY and maker practice. Proc. CHI 2013. https://doi.org/10.1145/2470654.2481360
[要一次検証] - N151. Hui, J.S. & Gerber, E.M. (2017). Developing makerspaces as sites of entrepreneurship. Proc. CSCW 2017. https://doi.org/10.1145/2998181.2998264
[要一次検証]
規模推計と測定への批判(E6)
- N152. Bogers, M., Afuah, A. & Bastian, B. (2010). Users as innovators: A review, critique, and future research directions. Journal of Management. https://doi.org/10.1177/0149206309353944
- N153. Gault, F. (2012). User innovation and the market. Science and Public Policy. https://doi.org/10.1093/scipol/scs005
自己選択と学習成果(E7)
- N154. Cordova, D.I. & Lepper, M.R. (1996). Intrinsic motivation and the process of learning: Beneficial effects of contextualization, personalization, and choice. Journal of Educational Psychology, 88(4), 715–730. https://doi.org/10.1037/0022-0663.88.4.715
[要一次検証] - N155. Iyengar, S.S. & Lepper, M.R. (2000). When choice is demotivating: Can one desire too much of a good thing? Journal of Personality and Social Psychology, 79(6), 995–1006. https://doi.org/10.1037/0022-3514.79.6.995
[要一次検証] - N156. Guzdial, M. & Forte, A. (2005). Design process for a non-majors computing course. Proc. SIGCSE 2005. https://doi.org/10.1145/1047344.1047468
[要一次検証] - N157. Patall, E.A., Cooper, H. & Robinson, J.C. (2008). The effects of choice on intrinsic motivation and related outcomes: A meta-analysis of research findings. Psychological Bulletin, 134(2), 270–300. https://doi.org/10.1037/0033-2909.134.2.270
興味の発達と自己主導的な学習(E8)
- N158. Hidi, S. & Renninger, K.A. (2006). The four-phase model of interest development. Educational Psychologist, 41(2), 111–127. https://doi.org/10.1207/s15326985ep4102_4
- N159. Barron, B. (2006). Interest and self-sustained learning as catalysts of development: A learning ecology perspective. Human Development, 49(4), 193–224. https://doi.org/10.1159/000094368
- N160. Ito, M., Baumer, S., Bittanti, M., boyd, d., Cody, R. ほか (2009/2019). Hanging Out, Messing Around, and Geeking Out: Kids Living and Learning with New Media. MIT Press. https://doi.org/10.7551/mitpress/11832.001.0001
- N161. Ito, M., Gutiérrez, K.D., Livingstone, S., Penuel, B., Rhodes, J.E., Salen, K., Schor, J., Sefton-Green, J. & Watkins, S.C. (2013). Connected Learning: An Agenda for Research and Design. Connected Learning Alliance. ISBN 9780988725508. https://clalliance.org/publications/connected-learning-an-agenda-for-research-and-design/
自分の作りたいものを作る場面(E9)
- N162. Bruckman, A. (1998). Community support for constructionist learning. Computer Supported Cooperative Work, 7(1–2), 47–86. https://doi.org/10.1023/a:1008684120893
[要一次検証] - N163. Bruckman, A. (2000). Situated support for learning: Storm’s weekend with Rachael. Journal of the Learning Sciences, 9(3), 329–372. https://doi.org/10.1207/s15327809jls0903_4
- N164. Kelleher, C., Pausch, R. & Kiesler, S. (2007). Storytelling Alice motivates middle school girls to learn computer programming. Proc. CHI 2007, 1455–1464. https://doi.org/10.1145/1240624.1240844
[要一次検証] - N165. Maloney, J., Peppler, K., Kafai, Y., Resnick, M. & Rusk, N. (2008). Programming by choice: Urban youth learning programming with Scratch. Proc. SIGCSE 2008. https://doi.org/10.1145/1352135.1352260
- N166. Begel, A. & Simon, B. (2008). Novice software developers, all over again. Proc. ICER 2008, 3–14. https://doi.org/10.1145/1404520.1404522
[要一次検証]
自己追跡という自分のための道具(E10)
- N167. Choe, E.K., Lee, N.B., Lee, B., Pratt, W. & Kientz, J.A. (2014). Understanding quantified-selfers’ practices in collecting and exploring personal data. Proc. CHI 2014, 1143–1152. https://doi.org/10.1145/2556288.2557372
- N168. Rooksby, J., Rost, M., Morrison, A. & Chalmers, M. (2014). Personal tracking as lived informatics. Proc. CHI 2014, 1163–1172. https://doi.org/10.1145/2556288.2557039
[要一次検証] - N169. Epstein, D.A., Ping, A., Fogarty, J. & Munson, S.A. (2015). A lived informatics model of personal informatics. Proc. UbiComp 2015, 731–742. https://doi.org/10.1145/2750858.2804250
メイカー教育の実証基盤(E11)
- N170. Blikstein, P. (2013). Digital fabrication and ‘making’ in education: The democratization of invention. In FabLabs: Of Machines, Makers and Inventors. transcript Verlag, 203–222. https://doi.org/10.14361/transcript.9783839423820.203
[要一次検証] - N171. Halverson, E.R. & Sheridan, K. (2014). The maker movement in education. Harvard Educational Review, 84(4), 495–504. https://doi.org/10.17763/haer.84.4.34j1g68140382063
- N172. Sheridan, K., Halverson, E.R., Litts, B., Brahms, L., Jacobs-Priebe, L. & Owens, T. (2014). Learning in the making: A comparative case study of three makerspaces. Harvard Educational Review, 84(4), 505–531. https://doi.org/10.17763/haer.84.4.brr34733723j648u
- N173. Martin, L. (2015). The promise of the maker movement for education. Journal of Pre-College Engineering Education Research, 5(1), art.4. https://doi.org/10.7771/2157-9288.1099
- N174. Vossoughi, S., Hooper, P.K. & Escudé, M. (2016). Making through the lens of culture and power: Toward transformative visions for educational equity. Harvard Educational Review, 86(2), 206–232. https://doi.org/10.17763/0017-8055.86.2.206
- N175. Papavlasopoulou, S., Giannakos, M.N. & Jaccheri, L. (2017). Empirical studies on the Maker Movement, a promising approach to learning: A literature review. Entertainment Computing, 18, 57–78. https://doi.org/10.1016/j.entcom.2016.09.002
[要一次検証]
自作物の持続と放棄(E12)
- N176. McGill, T.J. (2002). User-developed applications: Can end users assess quality? Journal of Organizational and End User Computing. https://doi.org/10.4018/joeuc.2002070101
[要一次検証] - N177. Avelino, G., Valente, M.T. & Hora, A. (2017). What is the truck factor of popular GitHub applications? A first assessment. PeerJ Preprints. https://doi.org/10.7287/peerj.preprints.1233v3
- N178. Avelino, G., Passos, L., Hora, A. & Valente, M.T. (2016). A novel approach for estimating truck factors. Proc. ICPC 2016, 1–10. https://doi.org/10.1109/icpc.2016.7503718
- N179. Spierings, A., Kerr, D. & Houghton, L. (2016). Issues that support the creation of ICT workarounds: Towards a theoretical understanding of feral information systems. Information Systems Journal, 27(6), 775–794(誌面は2017年11月号). https://doi.org/10.1111/isj.12123
- N180. Coelho, J. & Valente, M.T. (2017). Why modern open source projects fail. Proc. ESEC/FSE 2017. https://doi.org/10.1145/3106237.3106246
- N181. Avdic, A. (2018). Second order interactive end user development appropriation in the public sector: Application development using spreadsheet programs. Journal of Organizational and End User Computing. https://doi.org/10.4018/joeuc.2018010105
[要一次検証] - N182. Coelho, J., Valente, M.T., Milen, L. & Silva, L.L. (2020). Is this GitHub project maintained? Measuring the level of maintenance activity of open-source projects. Information and Software Technology. https://doi.org/10.1016/j.infsof.2020.106274
- N183. Ait, A., Cánovas Izquierdo, J.L. & Cabot, J. (2022). An empirical study on the survival rate of GitHub projects. Proc. MSR 2022. https://doi.org/10.1145/3524842.3527941
- N184. Kaur, R. & Chahal, K.K. (2022). Exploring factors affecting developer abandonment of open source software projects. Journal of Software: Evolution and Process. https://doi.org/10.1002/smr.2484
[要一次検証] - N185. Miller, C., Jahanshahi, M., Mockus, A., Vasilescu, B. & Kästner, C. (2025). Understanding the response to open-source dependency abandonment in the npm ecosystem. Proc. ICSE 2025. https://doi.org/10.1109/icse55347.2025.00004
[要一次検証]
(アクセス日は第1次収集分が 2026-08-14、シビックテック分も自分の必要のために作る分も同日。本文で E 番号で参照した文献は姉妹ノート end-user-development-literature の参照文献節にある。到達確認の詳細は内部台帳 source/review/end-user-development-novice-learning/papers.md の Provenance 節に記録した。)