Shuichiro Ogawa
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ノート · updated 2026-10-11

AIO(AI 検索への最適化)の産業界の潮流:何が測られ、何が売られ、何が争われているか

AI 検索や生成 AI の回答に自社や自分の情報が引用、推薦されるための最適化(AIO。

目次(10)
  1. AIO、GEO、AEO、LLMO という呼び名
  2. AI 要約はクリックをどれだけ減らしたか
  3. AI から各サイトへの送客の規模
  4. 何が引用されるのか
  5. 引用されやすい書き方の根拠
  6. 引用を数える計測の製品化
  7. 内容を AI に使わせるかどうかの制御と対価
  8. 日本での利用の広がりと制度の議論
  9. 学術研究が補うこと
  10. この整理が当てはまらないところ

AIO、GEO、AEO、LLMO という呼び名

AI の回答に自社の名前やページが出るように手を打つ仕事には、少なくとも四つの呼び名がある。 AIO(AI Optimization)、GEO(Generative Engine Optimization)、AEO(Answer Engine Optimization)、LLMO(LLM Optimization)である。 GEO は、2023 年に公開され 2024 年の KDD に採択された論文が名づけた語で、生成 AI の回答の中での自分の情報の見えやすさを上げる枠組みを指した(Aggarwal ほか 2024)。 国内では広告会社が研究組織の名前に使っている。 サイバーエージェントは 2025 年 7 月に「GEO ラボ」を、博報堂 DY ONE は「ONE-AIO Lab」を置き、後者は AIO を「AI 最適化」と書く(サイバーエージェント 2026、Hakuhodo DY ONE 2026)。

呼び名が違っても、指す対象は「AI の回答に引用され、推薦され、言及されること」で一致している。 提供者の側もそう扱っている。 Microsoft の Bing の担当者は「GEO、AIO、SEO と呼び名が何であれ、変わらないのは見えることがすべてだという点だ」と書いた(Madhavan 2025)。 Google は検索の公式の指南で AEO と GEO を名指しし、Google 検索から見れば生成 AI 検索への最適化は検索体験への最適化であり、「したがって今も SEO である」と書いた(Google Search Central 2026a)。

それでも、この仕事を SEO の延長とだけ見ると、産業界の動きのうち、引用を数える計測と、内容を AI に使わせるかどうかの選択を見落とす。 2025 年から 2026 年にかけて大きく動いたのは、書き方の手法よりも、この二つのほうだった。

AI 要約はクリックをどれだけ減らしたか

AI 要約が出るとクリックが減ることは、方向としてはどの資料でも一致する。 最も直接の測定は Pew Research Center のものである。 米国の成人 900 人の 2025 年 3 月の閲覧記録で、Google 検索 68,879 件のうち 12,593 件に AI 要約が出た。 AI 要約のある検索の後に従来の検索結果のリンクが押された訪問は 8% で、AI 要約のない検索の 15% の約半分だった。 AI 要約の中のリンクが押されたのは、AI 要約のある訪問の 1% だった(Pew Research Center 2025)。 AI 要約が出る検索の割合も一定ではない。 Semrush の 1,000 万語を超える追跡では、AI 要約が出る語の割合は 2025 年 1 月の 6.49% から 7 月に 25% 近くまで上がり、11 月には 15.69% に下がった(Semrush 2025a)。

SEO ツールの会社の測定は、減り方をもっと大きく見積もる。 Ahrefs は 30 万語の検索語の 1 位のページのクリック率を比べ、AI 要約の出る語では、AI 要約のない情報検索の語の推移から予測した値より 34.5% 低かった(2024 年 3 月と 2025 年 3 月の比較、Ahrefs 2025a)。 同じ方法で 2023 年 12 月と 2025 年 12 月を比べた更新版では、差は 58% に広がった(Ahrefs 2026a)。

ただし、この数字の読み方には注意が要る。 Ahrefs の更新版で、AI 要約の出ない情報検索の語でも、1 位のクリック率は 0.076 から 0.039 へ約半分に下がっていた(Ahrefs 2026a)。 Seer Interactive が顧客 42 社の情報検索の語 3,119 件を追った調査でも、2025 年第 3 四半期の有機検索のクリック率は前年比で、AI 要約が出て自社が引用されない語で 65.2%、引用された語で 49.4%、AI 要約の出ない語でも 46.2% 下がった(Seer Interactive 2025)。 クリックの減少には AI 要約の外の要因も重なっており、全部を AI 要約に帰すことはできない。 Ahrefs の 34.5% と 58% は、この共通の低下を差し引いたうえでの追加の差であり、Seer の数字は差し引く前の値である。

共通の低下と AI 要約の効果を分けるには、AI 要約の有無を無作為に変える必要がある。 Agarwal と Sen は、Chrome の拡張機能を入れた利用者を、AI 要約の出る通常の Google 検索と、AI 要約を取り除いた検索に無作為に割り付けた。 要旨によると、AI 要約が出ると外部サイトへの有機検索のクリックは 38% 減り、クリックのない検索の確率は 33% 上がり、広告のクリックと検索の回数は変わらなかった(Agarwal and Sen 2026)。 査読前のワーキングペーパーで本文は取得できず、ここでは要旨の範囲で書いた。

Google 自身は別の見方を示す。 検索の責任者 Liz Reid は 2025 年 8 月、Google 検索からサイトへの有機検索のクリックの総量は前年比で「比較的安定」しており、すぐ戻らない質の高いクリックは「わずかに増えた」と書いた(Reid 2025)。 数値と算出の方法は示されていない。 総量が安定していても、サイトごとの配分が変わることは Reid 自身が認めている。

AI から各サイトへの送客の規模

減ったクリックの代わりに AI から人が来るかというと、来てはいるが、量はまだ小さい。 Similarweb の推計では、AI のプラットフォームから各サイトへの参照の訪問は 2025 年 6 月に 11 億を超え、前年の 4.6 倍(357% 増)になった。 同じ報告は、ChatGPT の利用者の約 95% が今も Google を使うとし、数値はすべて第三者の資料に基づく推計だと注記している(Similarweb 2025)。 Adobe は 2025 年の年末商戦で、生成 AI から米国の小売サイトへの流入が前年比 693.4% 増えたとしたうえで、利用者の基数はまだ控えめだと書いた(Adobe 2026)。 BCG の 9 か国の消費者調査でも、買い物に関わる生成 AI の利用は 2025 年 2 月から 11 月に 35% 増えた(Boston Consulting Group 2026)。

利用者への調査も、AI の回答から元の情報源へ移る人が少ないことを示す。 米国の成人の 6 割は検索の AI 要約を読むと答え(Pew Research Center 2026)、Bain の 2024 年 12 月の調査(1,117 人)では、消費者の約 80% が検索の少なくとも 40% でクリックせずに済む結果に頼ると答えた(Bain & Company 2025)。 Reuters Institute の 2026 年の調査で、27 の市場の回答者全体のうち、AI から元のニュースへのリンクを「常に」か「よく」押すと答えたのは 4% で、検索は 19%、SNS は 17% だった(Reuters Institute 2026)。 この差には、AI をニュースに使う人がそもそも少ないことも含まれる。 日本を含む 6 か国の 2025 年の調査では、直近 1 週間に検索で AI の回答を見た人が 54% いて、そのうち要約の中のリンクを常によく押すと答えたのは 33% だった(Simon ほか 2025)。 どちらも自己申告であり、実際の行動と食い違いうると両報告は注記している。

クロールと送客の比率は、同じ不均衡をサイトの側から示す。 Cloudflare の自社網の観測では、2025 年 7 月に送客 1 件あたりのクロールは Anthropic で 38,065.7 回、OpenAI で 1,091.4 回、Perplexity で 194.8 回、Google で 5.4 回だった(Cloudflare 2025b)。 同社は、アプリからの送客は参照元の情報を持たないことがあり、比率が過大に出ている可能性を自ら認めている(Cloudflare 2025a)。

送客は少ないが価値が高い、という主張もある。 Semrush は、ChatGPT など Google 以外の AI 検索から来た訪問者は、従来の有機検索の訪問者の 4.4 倍の価値があるとした(Semrush 2025b)。 算出は成約率に基づくとあるが、標本と期間は示されていない。

何が引用されるのか

AIO の手法の多くは、「引用されれば得をする」を前提にしている。 しかし、何が引用されるかは、従来の SEO の成果とはずれている。 Ahrefs が 1 万 5,000 の問いで調べると、ChatGPT、Gemini、Copilot が引いたリンクのうち、同じ問いの Google の上位 10 件に入っていたのは平均 12% だった。 Perplexity だけは 3 件に 1 件近くが上位 10 件と重なった(Ahrefs 2025b)。 Google の AI 要約でも、引用された URL のうち同じ検索の上位 10 枠に入っていたのは 37.9% で、Ahrefs は 2025 年 7 月の前回調査の約 76% から下がったとする(Ahrefs 2026b)。 前回と今回で検出の方法が変わっているので、低下の幅は割り引いて読む必要がある。

引用元は少数のサイトに偏る。 Ahrefs の 2025 年 6 月の集計では、Wikipedia は ChatGPT の言及の 16.3% を占め、Perplexity では YouTube が 16.1%、Google の AI 要約では YouTube 9.5%、Wikipedia 8.4%、Reddit 7.4% だった(Ahrefs 2025c)。 Profound が Web の引用を含む米国の英語の ChatGPT の会話約 73 万件(2025 年 10〜12 月)を調べると、Wikipedia は全引用の 5% で引用のある会話の 18% に出て、Reddit は全引用の 3%、会話の 13% だった(Profound 2026)。

この偏りは固定されていない。 Semrush が 23 万の問いを 13 週にわたって毎週調べると、ChatGPT が回答で Reddit を引いた割合は 2025 年 8 月初めの 60% 近くから 9 月半ばの約 10% へ落ちた(Semrush 2025c)。 原因について、SEO の実務家のあいだでは Google の検索の仕様変更が挙げられたが、Semrush の担当者は、それだけが原因だとは考えにくいと述べている。

推薦そのものも再現しない。 SparkToro は約 600 人の協力者に 12 の質問を ChatGPT、Claude、Google の AI に計 2,961 回入力してもらった。 同じ質問に同じブランドの一覧が返る確率は 100 分の 1 未満で、同じ順序まで一致するのは 1,000 回に 1 回程度だった(Fishkin 2026)。 一方で、多数回たずねたときに各ブランドが出る頻度には一定の統計的な意味があると Fishkin は書いている。 共同で調べた人物が AI の可視性の計測の会社に移ったことも、Fishkin は自ら開示している。

引用されることと人が来ることは、別の量として扱う必要がある。 Pew の測定で AI 要約の中のリンクが押されたのは、AI 要約のある訪問の 1% だった(Pew Research Center 2025)。 Seer の調査では、引用された語の有機検索のクリック率(0.70%)は引用されない語(0.52%)より高かったが、Seer は引用がクリックを増やしたとは証明できないと注記している(Seer Interactive 2025)。

引用されやすい書き方の根拠

AIO の助言の中心にあるのは、引用されやすい書き方である。 その出発点の一つが GEO の論文で、Google の上位 5 件の文書から GPT-3.5 が回答を作る実験系で、統計の追加、引用文の追加、出典の明記が見えやすさを上げ、最良の手法は基準より最大 40% 上回り、Perplexity では最大 37% だった。 従来の SEO の語の詰め込みは効かなかった(Aggarwal ほか 2024)。

後続の検証は、この効果を支持しなかった。 C-SEO Bench は、GEO の手法を含む会話型検索向けの手法を、商品の推薦と質問応答の複数の分野で、新しい LLM を使って調べた。 54 の条件のうち順位の改善が有意だったのは 3 つで、多くの手法は効かないか、順位を下げることさえあった。 効いたのは、検索で上位に来て LLM の文脈の先頭に置かれるという従来の SEO の要因だった。 さらに、同じ手法を使う者が増えると全体の利得は減り、取り合いの性格を示した(Puerto ほか 2025)。

書き方を超えた操作は、実在の検索で成立することが報告されている。 商品の説明に細工した文字列を足すと LLM の推薦の首位に上がりやすくなること(Kumar と Lakkaraju 2024、未査読)、プロンプト注入で低順位の商品を押し上げ、それが Perplexity に転移すること(Pfrommer ほか 2024)、Bing と Perplexity で攻撃者の商品を推させられ、全員が攻撃すると全員の回答の質が下がる囚人のジレンマになること(Nestaas ほか 2025)である。 Google が、生成 AI の回答を操作する目的の量産ページは量産コンテンツの不正利用に当たると明記したのは、この線上にある(Google Search Central 2026a)。

提供者の公式見解は、業界で広まった手法の多くを否定している。 Google は 2026 年 5 月 15 日に生成 AI の機能向けの指南を新設し、AEO と GEO についての誤解を正す節を入れた(Google Search Central 2026b)。 指南は、llms.txt のようなファイルは Google 検索の見えやすさに益も害もなく Google 検索は無視すること、AI のために文章を細切れにする必要はないこと、Web 上で不自然な言及を集めても見かけほど役に立たないことを書く(Google Search Central 2026a)。 AI 要約と AI Mode に出るための追加の要件も特別な最適化もなく、新しい機械向けのファイルやマークアップも要らないとも書いている(Google Search Central 2026c)。 Microsoft は、AI に選ばれる秘訣はないとしつつ、見出し、リスト、表、Q&A、構造化データを勧める(Madhavan 2025)。 効果を示す数値は添えていない。

llms.txt は、業界で AIO の手法として語られることが多いが、提案の目的は別のところにある。 Jeremy Howard が 2024 年 9 月に出した提案は、エージェントが Web サイトを使う助けになる情報を一つのファイルにまとめるものである(Howard 2026)。 提案の文書は、OpenAI、Anthropic、Gemini が自社の開発者向け文書に llms.txt を置いていることを挙げるが、それぞれの AI 検索が llms.txt を読んで回答に使うとは書いていない。

引用を数える計測の製品化

書き方の手法の根拠が弱まる一方で、伸びているのは計測である。 Google は Search Console に生成 AI の成果の報告を設け、AI 要約と AI Mode で自サイトへのリンクが表示された回数を示す(Google 2026a)。 Bing は 2026 年 2 月に、Copilot と Bing の AI 要約で自サイトのページが引用された回数を示す機能を公開し、引用の回数はページの重要度や順位ではないと注記した(Bing Webmaster Team 2026a)。 6 月には、ある問いで自サイトが占める引用の割合を加え、これを観察のための指標で順位でも競争の得点表でもないと説明した(Bing Webmaster Team 2026b)。 どちらも表示や引用を数えるもので、クリックや売上への効果は示していない。

計測の会社には資金が集まっている。 AI の可視性を計測する Profound は 2025 年 8 月に Sequoia Capital が主導する 3,500 万ドルの調達を発表し(Profound 2025)、Peec AI は 2025 年 11 月に 2,100 万ドルの調達を発表した(Peec AI 2025)。 SEO ツールの各社も AI の可視性の計測を製品に加えており、本ノートが使った調査の多くは、その販売と利害を持つ会社の自社研究である。

計測の数字は、引用元の揺れと推薦の再現性の低さをそのまま受ける。 一回の問いの結果は再現しないので、計測は多数回の繰り返しの頻度で読むしかない(Fishkin 2026)。 提供者の計測も表示と引用の数までで、AI の回答を読んだ人がその後に何をしたかは分からない。

内容を AI に使わせるかどうかの制御と対価

計測と並んで動いたのは、内容を AI に使わせるかどうかを選ぶ仕組みである。 AI の提供者は、検索のための取得と学習のための取得を分けた。 OpenAI は、ChatGPT の検索に載るための OAI-SearchBot と学習用の GPTBot を別々に拒否できるとし、OAI-SearchBot を拒否したサイトは ChatGPT の検索の回答に出ないと書く(OpenAI 2026)。 Anthropic は Claude-SearchBot を、Perplexity は PerplexityBot を検索用として分けている(Anthropic 2026、Perplexity 2026)。

Google の AI 要約については、通常の検索と切り離して利用を拒む手段が争点になった。 日本新聞協会は 2026 年 4 月の声明で、通常の検索と AI 検索のクローラーの制御が同一で、AI 検索での利用を拒めば通常の検索にも出なくなると主張し、優越的地位の濫用の疑いを指摘した(日本新聞協会 2026)。

英国の競争当局 CMA は 2025 年 10 月 10 日に Google を一般検索で戦略的市場地位を持つ事業者に指定し、2026 年 6 月 3 日に出版社向けの行為要件を決めた。 要件は、AI 要約や AI Mode などの検索内の生成 AI 機能と Gemini などの検索外の生成 AI サービスへの利用から、出版社が内容を外せる実効的な制御を設けること、利用者の関与の指標を含む透明性、出典の明確で正確な表示を求め、実装の期限は 9 か月とした(CMA 2026a、CMA 2026b)。 Google の Search Console の案内は、AI 要約、AI Mode、Discover の生成 AI 機能から自サイトを外す設定を 2026 年 8 月 31 日に全世界のサイトへ展開したと書く(Google 2026b)。 欧州委員会は 2026 年 7 月 23 日、デジタル市場法の違反(検索での自社サービスの優遇と、Google Play での誘導の制限)で Google に計 8 億 9,000 万ユーロの制裁金を科し、検索の自社優遇の決定の原則を AI 要約と AI Mode にどう当てはめるかの Google の提案については対話を続けるとした(European Commission 2026)。

標準化と対価の仕組みも並行している。 IETF の作業部会は、コンテンツの AI での利用についての選好を表す仕組みの標準化を目的とし(IETF n.d.)、2026 年 9 月の草案は学習(train-ai)、AI の利用(ai-use)、検索(search)を分け、合意はまだ無いと明記する(Keller と Thomson 2026)。 その選好を HTTP の見出しと robots.txt で伝える草案は、Google と Mozilla の担当者が書いている(Illyes と Thomson 2026)。 もとの robots.txt の標準は、その規則がアクセスの認可ではないと定めており(Koster ほか 2022)、選好の表明も守るかどうかは取得する側に委ねられる。 Cloudflare は 2025 年 7 月に、AI のクローラーに HTTP 402 を返して支払いを求める有料クロールを非公開の試験として始め(Cloudflare 2025c)、2026 年 9 月には、買い手が利用ごとに価格を示し、利用を自己申告する方式を公開の試験に移した(Cloudflare 2026)。

出版社と規制当局が争っているのは、引用の多さよりも、引用と引き換えに内容を使わせるかどうかの選択と、その対価である。

日本での利用の広がりと制度の議論

国内の調査は、AI を検索に使う人が増えていることを示す。 サイバーエージェントの調査(全国の 10〜60 代 9,278 人、2026 年 2 月)で、検索に生成 AI を使うと答えた人は 37.0% で、2025 年 5 月の 21.3%、10 月の 31.1% から続けて上がった。 Google 検索の AI Mode を使う人は 21.0% だった(サイバーエージェント 2026)。 博報堂 DY ONE の調査(全国の 18〜69 歳 2,800 人、2026 年 3 月)では、AI 検索の利用者の 72.9% が 1 年前より利用が増えたと答え、検索の利用者の約半数が AI 検索を日常的に使う一方、8 割近くは今も Web 検索を使っていた(Hakuhodo DY ONE 2026)。 どちらも AIO や GEO の支援を売る広告会社の調査で、AI 検索の利用者の定義と割合の分母は示されていない。

制度の側では、公正取引委員会が 2025 年 12 月、ニュースの配信の実態調査のフォローアップを始めると発表し、生成 AI の検索や AI 要約がニュースの内容を許可なく使って回答を作っているという指摘を理由の一つに挙げた。 事務総長は会見で、それ自体が独占禁止法の問題に直結するとは必ずしも考えていないとも述べた(公正取引委員会 2025)。 2026 年 7 月には、ニュースを提供する事業者約 370 社へのアンケートを始めた(公正取引委員会 2026)。 結果は本ノートの時点で公表されていない。

学術研究が補うこと

学術研究は、産業界の資料が測らない二点を補う。 一つは、引用が正しいかどうかである。 2023 年の生成検索 4 つの監査では、回答の文のうち引用で完全に支えられていたのは平均 51.5%、引用のうち対応する文を支えていたのは 74.5% だった(Liu ほか 2023)。 米国の人口構成に合わせた 4,927 人の事前登録の無作為化実験では、人は生成 AI の検索を従来の検索より平均して信頼しなかったが、参照のリンクと引用は、それが誤りや捏造であっても信頼を上げた(Li と Aral 2025、未査読)。 引用されることを目標にする AIO は、引用が信頼を生む仕組みに乗っており、その引用の正しさは保証されていない。

もう一つは、引用元の偏りの向きである。 消費者向けの商品の問いでは、AI 検索の引用が第三者の評価や報道に大きく偏り、Google の検索より企業自身のサイトと SNS が少ないと報告された(Chen ほか 2025、未査読)。 1 万 1,000 の実際の検索語を 5 つのシステムで比べた研究は、AI の要約が、引いた情報源の中でも Wikipedia と長い文書を過大に、SNS と否定的な情報源を過少に反映すると報告した(Huang ほか 2026、未査読、EMNLP 2026 採択と記載)。 どちらも、自社のサイトを書き換えるより、第三者に書かれることのほうが引用に効く可能性を示すが、産業界の引用元の集計と同じく、対象の問いの種類に依存する。

この整理が当てはまらないところ

クリック率と引用元の数値の多くは、SEO ツールや計測の会社の自社研究で、販売と利害を持つ。 本ノートでは方法が書かれた事実の部分だけを使ったが、検索語の選び方は各社の顧客と製品に依存する。 実際の閲覧記録で測った Pew の調査は、米国の 1 か月の Google 検索に限られる。 AI 要約を無作為に隠した 2026 年の野外実験は、本文を取得できず要旨の範囲で使った。対象は Chrome の拡張機能を入れた利用者の Google 検索である。 Gartner の検索量の予測と McKinsey の AI 検索の消費者調査は、発行元の頁に到達できず使わなかった。 米国の出版社の対 Google の訴訟は、判決と訴状の本文に到達できず使わなかった。 日本の AIO の実施率を代表性のある標本で測った調査は見つからなかった。

関連ノート

未検証事項

主要主張に未検証の記述は残していない。 到達できなかった資料(Gartner の検索量の予測、McKinsey の AI 検索の消費者調査、Chartbeat の出版社の流入の報告、Penske Media と Chegg の対 Google の訴訟の訴状と判決、米国司法省対 Google の救済の判決、欧州委員会の 2025 年 12 月の調査開始の発表の本文)は、台帳に試行した経路とともに記録した。

参照文献


書いた人:小川 修一郎(Design Researcher / Consultant) 経歴を見る →