Shuichiro Ogawa
English

ノート · updated 2026-09-26

新規性の主張はどう確かめ、どう守り、どう書くか:投稿前の確認から論文の束まで

著者は投稿前と査読中に新規性の主張をどう確かめて守るのか、そして論文を何から順に決めて書くのかという二つの問いに、医学の evidence-based research、査読研究、学会と出版規範の公式文書、先取権の経済学、LLM による新規性チェックの評価、編集者論説と執筆過程研究から答えた文献ノート。学術文献76件(プレプリント1件を含む)と公式文書12件の計88件を集め、本文では67件を使う。

目次(18)
  1. 「我々の知る限り」は何を保証しているのか
  2. 先行研究を確かめずに始めた研究は何を繰り返したか
  3. 探せば見つかるという前提はどこで破れるか
  4. 査読者は originality を何として読んでいるか
  5. 同じ原稿への判定はどれくらい揺れるか
  6. 投稿先によって新規性の重さは違う
  7. 先を越されたら新規性は消えるのか
  8. LLM に新規性を確かめさせてよいか
  9. 論文は何から先に決めるのか
  10. 書きながら考えるのか、考えてから書くのか
  11. どこへ、どの順で出すか
  12. 査読への応答は判定を動かすか
  13. 一つの研究を何本の論文にするか
  14. 確認できることと、できないこと
  15. 投稿前に通す確認
  16. 執筆計画の立て方
  17. 収集の空白
  18. Footnotes

「我々の知る限り」は何を保証しているのか

序論のどこかで、著者は「我々の知る限り、〜を示した研究はまだない」と書く。 この一文は二つのものに依存している。 書いた時点で著者が探した範囲と、読んだ時点で査読者が知っている範囲である。 前者は著者の手の内にあり、後者はない。

姉妹ノートの 新規性のある問いはどこから来るのか:四つの座とその組合せの学術的検討 は、新規性が論文のどこに宿るかを扱った。 新規性はどう作られ、どう名乗られるか:確立戦略の類型 は、新規性をどう作り、どう名乗るかを扱った。 どちらも、名乗った新規性が投稿の前後でどう扱われるかには踏み込んでいない。 投稿前に何を確かめれば「我々の知る限り」が空文でなくなるのか。 査読者はその一文を何と照らし合わせて読むのか。 先を越されたら、確かめた新規性はどうなるのか。 そして、こうした確認を織り込んだうえで、論文は何から順に決めて書けばよいのか。

確かめる作業を尽くしても、読む側の判定は揺れる。 では、著者の手の内にある部分と、ない部分の境目はどこにあるのか。

先行研究を確かめずに始めた研究は何を繰り返したか

新規性の確認を、採否の問題ではなく研究の無駄の問題として扱ってきたのは医学である。 臨床試験では、答えの出た問いを繰り返すことが、被験者を効果の分かった治療の比較に割り付けることを意味するからだ。

Robinson と Goodman は、2004年に出版された227件のメタ分析に含まれる1963年から2004年の試験1,523件について、各試験の報告が1年以上前の同種の試験をどれだけ引用しているかを数えた。 引用された先行試験の割合は中央値で0.21で、関連する報告の4分の1に届かなかった。 引用できる先行試験が5件以上あった1,101件のうち、23%は一件も引用せず、別の23%は一件だけを引用していた。

Fergusson らは、心臓手術の出血を抑える aprotinin の試験で同じことを追った。 1987年から2002年にかけて64件の試験が行われたが、累積メタ分析のオッズ比は1992年6月に出た12番目の試験の時点で0.25に安定していた。 その後の試験が引用した先行試験は中央値で20%にとどまり、後続の報告44件のうち最大規模の試験を引用したのは7件(15%)だった。 後続の試験は新しい問いを立てたのではなく、答えの出た問いを、先行試験をほとんど引用しないまま繰り返していた。

この二つの計量が、規範の根拠になった。 Chalmers と Glasziou は、研究の証拠を作って報告する過程で生じる無駄を「避けられる無駄」として論じた。 Clarke、Hopewell、Chalmers は、臨床試験は関連する証拠の系統的レビューで始まり系統的レビューで終わるべきだという主張に、「12年経っても待っている」という副題を付けた。 Lund らはこれを evidence-based research(EBR)と呼び、研究の無駄を避けるために、既存の証拠の系統的レビューなしに新しい研究をするべきではないと論じた。 医学の外では、この規範は投稿前の新規性の確認と同じ作業を指している。 確認しないまま書いた「我々の知る限り」は、たまたま知らなかったことの申告になる。

探せば見つかるという前提はどこで破れるか

であれば、探す手続きを厳密にすれば足りるのだろうか。 Greenhalgh と Peacock は、複雑な証拠を扱う系統的レビューで採用した一次資料495件が、どこから見つかったかを監査した。 最初に定めたプロトコル(データベースと手作業の検索)で見つかったのは30%だった。 51%は参考文献の参考文献をたどる snowballing で、24%は個人的な知識や人脈で見つかった。 彼らの結論は、複雑な証拠のレビューはプロトコル駆動の検索だけには頼れない、というものである。

Wohlin は、この snowballing をソフトウェア工学の系統的文献研究の手続きとして書き下した。 開始集合を決め、その参考文献をたどる後方 snowballing と、その文献を引用した文献をたどる前方 snowballing を繰り返す手続きで、既存の系統的文献レビューを再現して評価している。 キーワード検索が取りこぼしやすいのは、同じ概念を別の語で書いた研究や、隣の分野で先に書かれた研究だと考えられる。 引用の網は、語の違いに左右されずにそうした研究へ届く。

それでも、探索は構造的に閉じない。 同じ発見が独立に複数回なされる多重発見は、科学史では例外ではなかった(Merton の singletons と multiples は 新規性のある問いはどこから来るのか:四つの座とその組合せの学術的検討 に整理した)。 「我々の知る限り」を守るとは、探した範囲を読者が検証できる形で書くことであって、誰も先に書いていないことを証明することではない。

査読者は originality を何として読んでいるか

著者が確かめた新しさと、査読者が読む新しさは、同じ物差しで測られているとは限らない。

Guetzkow、Lamont、Mallard は、人文学と社会科学の五つの学際的フェローシップ審査のパネリストに面接し、彼らが originality をどう定義しているかを調べた。 自然科学を対象にした科学社会学は、originality を新しい発見と新しい理論の生産として定義してきた。 パネリストの定義はもっと広かった。 新しいアプローチ、理論、方法、データを使うこと、新しい題材を扱うこと、研究の少ない領域で研究すること、新しい知見を出すこと。 分野による偏りもある。 人文学者と歴史家はアプローチの新しさを明らかに優先し、人文学者はデータの新しさも重んじた。 社会科学者は方法の新しさを最も多く挙げたが、ほかの種類の新しさも幅広く評価した。 そしてパネリストは、提案の originality を研究者の人格、特に真正さと誠実さの表れとして読むことが多かった。

Dirk は同じ問いを自然科学の論文の構造から立てた。 論文の仮説、方法、結果の三要素が、それぞれ既報か新規かを組み合わせると、originality は8類型に分かれる。 経験の長い科学者301名に郵送で尋ね、206名(68%)が回答した。 彼らが自分の高被引用論文230本のうち209本に類型を割り当てたところ、最も多かったのは「新しい仮説、既報の方法、新しい結果」だった。 既存の方法を使い、仮説と結果で新しさを出す論文が、高被引用論文の典型だったことになる。 大部分を慣習的な参照に置き、一点だけ非典型な組合せを差し込む論文が高被引用になるという Uzzi らの結果(新規性はどう作られ、どう名乗られるか:確立戦略の類型)と、近い形をしている。

読む側の位置も判定を動かす。 Travis と Collins は英国の研究会議の助成審査委員会を観察し、審査者が自分と近い理論的立場の提案を好む cognitive particularism を、制度上の縁故よりも重い現象として提示した。 Teplitskiy らは、査読者に科学的妥当性だけを評価するよう指示している PLOS ONE で、神経科学の原稿7,981件の査読を分析した。 査読者は、共著ネットワーク上で自分に近い著者を、近さ一段あたり1.0から4.0の尺度で約0.11点好意的に評価していた。 縁故から得るものがないはずの「遠い」査読者と「とても遠い」査読者のあいだにも差があり、彼らはこれを学派どうしの実質的な見解の違いと解釈している。 近い査読者を外すだけでは偏りは取れない、というのが彼らの結論である。

同じ原稿への判定はどれくらい揺れるか

査読者の読み方が一つに定まらないなら、判定そのものも揺れているはずである。

Bornmann、Mutz、Daniel は、学術誌の査読者間信頼性を報告した48研究(原稿19,443件、信頼性係数70個)をメタ分析した。 平均の ICC と r² は .34、平均の Cohen の κ は .17 で、一致は低かった。 多くの原稿を扱った研究ほど、報告される一致は低かった。

Pier らは NIH の審査過程を再現し、43名の査読者に同じ25件の R01 申請を独立に評価させた。 申請の質について、査読者のあいだに定性的にも定量的にも一致は見られなかった。 同じ数の長所と短所を点数に換算する仕方さえ、査読者ごとに違った。 採否は、提案された研究よりも、どの査読者に当たったかで決まっているように見えた。

揺れは、後から見て誤りと分かる判定も生む。 Siler、Lee、Bero は、医学の有力3誌に投稿された原稿1,008件を追跡した。 最終的に出版された808本のうち、最も引用された14本(上位約2%)は3誌すべてに不採択にされていて、うち12本は査読に回されないデスクリジェクトだった。 それでも全体としては、査読者の評点が低い原稿ほど出版後の被引用が少なく、査読は価値を加えていた。

判定の揺れのうち、著者が動かせる部分もある。 Bordage は医学教育の研究報告に対する査読コメントを分析し、不採択理由の上位10項目を数えた。 統計の不備、結果の過剰解釈、測定用具の不備、標本の小ささや偏りが上位を占め、先行研究レビューの不完全さや古さは8位(3.1%)だった。 問題の重要性と関連性は、不採択理由としては上位10項目に入らず、採択原稿の強みとして最も多く挙がった(20.2%)。 査読者が新規性の欠如として書く判定の一部は、実際には先行研究の読み落としや主張の言い過ぎとして記録されている。

審査の手続きも判定を形作る。 Langfeldt はノルウェー研究会議の複数の助成審査方式を観察し、審査者が実際に使う基準を決めているのは審査指針よりも評点の尺度と予算の制約であることを見出した。 新規性をどれだけ重く見るかは、規程の文言だけでは決まらない。

投稿先によって新規性の重さは違う

では、規程の文言は何を定めているのか。 日本の学会の査読規程は、新規性を他の基準と明示的に交換している。

電子情報通信学会の和文論文誌は、新規性、有効性、信頼性、了解性の四項目で判定する。 システム開発やソフトウェア開発の論文では、既存の技術の組合せで開発した場合、その組合せの理由が新規性の対象になりうる。 論文一般について、有効性が高ければ新規性はさほど高くなくても採録の対象になり、新規性が高ければ信頼性はさほど高くなくても採録の対象になる。 サーベイ論文の新規性は新しい見地や新しい系統立てでよく、必ずしも重視しない。

情報処理学会の論文誌は、新規性、有用性、正確さ、構成と読みやすさ、本学会との関連の5項目で評価し、総合評価3以上を採録の目安とする。 査読は加点方式で、「石を拾うことはあっても玉を捨てることなかれ」を方針に掲げる。 第1回の査読では、どう修正すればオリジナリティが明確になって採録されるかを具体的に示すよう査読者に求めている。 既発表を理由に不採録とするなら文献を明示し、「ほとんど自明」だけの理由説明は避けるよう定めている。

日本デザイン学会の『デザイン学研究』は、原稿種別で基準を変える。 「論文」には独創性を求め、萌芽的な研究でも独創性に富み発展性が期待できれば認める。 「報告」は史料、調査、実験のほか、ワークショップ、教育、デザイン実践の実践報告を含み、信頼性、有用性、実用性に富み新たな知見を含むことを求める。 「論説」は特定の主題についての独創的で総合的な解析と論考である。 同じ実践の記録が、独創性で勝負できなければ「報告」として有用性で勝負する道がある。 原稿種別の選択は、新規性をどこで担保するかの選択でもある。

新規性を審査から外すことを方針にした媒体もある。 PLOS ONE は、研究を科学的妥当性、方法の強さ、倫理の水準で評価し、重要性の見込みでは評価しないと明言している。 ただし出版基準の最初の二つは、独自の研究であることと、他で出版されていないことである。 既存研究と酷似した研究には、科学的な根拠の説明と既存文献の議論を求める。

この方針は、運用の段階で揺らいでいる。 Spezi らは、PLOS ONE のようなメガジャーナルが新規性や重要性の判断を避け、健全さ(soundness)に絞った査読を採ることを文献レビューで整理した。 続く研究で彼らは16組織の出版者と編集者31名に面接し、実際には技術的健全性を超える基準が編集判断に入り込んでいることを示した。 出版社の側が「掲載に値する」ことを要件に加える場合と、査読者や編集者が従来の基準を持ち込む場合の両方がある。 出版後に共同体が新規性と重要性を評価するという構想にも、出版者自身が課題が残ると見ていた。 Teplitskiy らが学派の近さによる偏りを測ったのも、この PLOS ONE の査読だった。 新規性を問わないと規程に書いても、読む人の位置が評価に入る。

先を越されたら新規性は消えるのか

確かめた新規性が失われる典型は、同じ結果を他のグループが先に出すことである。 Merton は1957年に、先取権をめぐる争いを、独創性を承認で報いる科学の報酬体系から説明した。 Strevens はこの priority rule(最初の発見者だけが報われる規則)を、最初の成功の後の成功が社会にほとんど便益を加えない状況で、研究資源を効率よく配分する装置として正当化した。

先を越された側の損失は計量されている。 Hill と Stein は、構造生物学では Protein Data Bank の記録から先取権の競争とその結果を特定できることを利用した。 先を越された(scooped)チームは、上位誌に載る確率が下がり、被引用が21%少なかった。 彼らは別の研究で、競争が質を下げる機構も示している。 科学的な見込みの大きい題材ほど参入が多く競争が激しいので、研究者は熟成を待たずに急ぎ、その題材の構造ほど完成が早く質が低い。 出版と先取権への関心が薄い職位の研究者が登録した構造では、この関係が弱まる。 こうした低品質の構造を後から改善する費用は、1971年以降で15億ドルから88億ドルと推定されている。 急ぐことで新規性を守る戦略には、質という代償がある。

急がずに先取権を守る手段として提案されたのがプレプリントである。 Vale と Hyman は、先取権を「開示」(発見を世界に公開すること)と「検証」(他の科学者が正確さ、質、重要性を評価すること)の二段に分け、開示をプレプリントで、検証を査読と共同体の評価で行うことを提案した。

雑誌の規程は、この分離を部分的に制度にしている。 PLOS は、並行して得られた類似の結果の後発研究を「scooped(complementary)」として受け付け、他のグループの同時期の論文やプレプリントを新規性の評価に影響させない。 対象は投稿の6か月前までに他者が公表した研究で、その間に自分がプレプリントを出していれば、さらに遡りうる。 PLOS Biology の編集部は、二つのグループが独立に同じ現象を見出すことは結果への確信を高めるという理由を挙げた。 EMBO Press と提携する Life Science Alliance は、投稿日から合意した改訂期間の終わりまでを保護し、プレプリント掲載から4か月以内に投稿した原稿も保護の対象にする。 概念的な進歩の評価では、他者が投稿したプレプリントを考慮しない。 ただし校正の前に出た関連論文は引用しなければならない。 ICMJE の勧告は、プレプリントが後の完全な報告の審査を妨げないとしたうえで、プレプリントの掲載を雑誌に知らせるのは著者の責任とする。

プレプリントを出す著者自身は、先取権を主な動機にしているわけではない。 Fraser らが bioRxiv の著者1,444名を調べたところ、最も強い動機は仕事の認知度を上げることと公開を速めることだった。 出さない理由の中心は、プレプリントを知らないことと、査読前の原稿を公開することへのためらいだった。 どの原稿をプレプリントにするかを決めるとき、著者は質、新規性、重要性を考慮していなかった。

LLM に新規性を確かめさせてよいか

先行研究の確認を LLM に任せる道具は、すでに査読の場に出ている。 LLM が生成した研究アイデアの新規性の評価(Si ら)と、着想から査読までを自動化する AI Scientist(Lu ら)は 新規性はどう作られ、どう名乗られるか:確立戦略の類型 に、LLM による論文の新規性評価のベンチマークは 新規性のある問いはどこから来るのか:四つの座とその組合せの学術的検討 に整理した。 ここで問うのは、LLM の新規性判定をどこまで信用できるかである。

Beel、Kan、Baumgart は Sakana の AI Scientist を評価した。 その文献レビューは単純なキーワード検索に頼っていて統合がなく、新規性の判定が粗かった。 SGD の micro-batching のような確立した概念を含む複数のアイデアが、新規と分類された。 実験の実行も脆く、提案された12件の実験のうち5件(42%)がコーディングの誤りで失敗した。

誤りは逆向きにも起きる。 Gupta と Pruthi は、13名の専門家に LLM が生成した研究文書50件を読ませ、既存研究との類似を探させた。 24%が、方法の一対一対応を伴う言い換えか、既存研究からの大幅な借用だと判定され、その判定は元の論文の著者によって確認された。 さらに32%が既存研究と部分的に重なっていた。 これらの文書は元の研究を引用せず、生成システムに組み込まれた剽窃チェックを通過していた。 自動の剽窃検出器では、こうしたアイデアの剽窃を捕まえられなかった。 LLM の新規性判定は、既知のものを新しいと言う誤りと、借用を隠す誤りの両方を出す。

文献に接地させると、判定は人間に近づく。 Shahid らの Idea Novelty Checker は、キーワードと抜粋で広く文献を集め、埋め込みで絞り込み、観点(facet)ごとに LLM で並べ替える二段の検索と、専門家がラベルを付けた例を使う。 既存の手法より約13%高い一致を人間の判定と示し、観点ごとの並べ替えが関連文献の特定に効いていた。 Liang らは GPT-4 に論文全文へのコメントを書かせ、Nature 系15誌の3,096本と ICLR の1,709本で人間の査読と比べた。 GPT-4 と人間の査読者の指摘の重なり(Nature 系で平均30.85%、ICLR で39.23%)は、人間の査読者どうしの重なり(28.58%、35.25%)と同程度だった。 308名の研究者の57.4%が GPT-4 のフィードバックを有用とし、82.4%が少なくとも一部の人間の査読者より有益だとした。

ただし、ここでの物差しは人間との一致である。 人間の査読者どうしの一致が κ .17 の水準にあることを踏まえると、人間並みに一致することは、新規性の判定が正しいことを意味しない。 LLM の判定は、探索の網を広げる補助としては使えるが、「新規」という結論をそのまま採る根拠にはならない。

論文は何から先に決めるのか

確認の手続きが見えてくると、残るのは、それをどの順序で執筆に織り込むかである。 経営学の Academy of Management Journal(AMJ)の編集委員は、2011年から2012年にかけて「Publishing in AMJ」という7本の論説を連載した。 トピックの選択、研究設計、序論のフック、仮説の根拠づけ、方法と結果の書き方、考察での含意の論じ方、そして質的研究の違い。 連載の並びそのものが、編集者の考える決定の順序になっている。

第1回で Colquitt と George は、多くの不採択の種はプロジェクトの始まりに、どれほどうまく実行しても査読者と読者を引きつけないトピックという形で蒔かれていると書いた。 彼らは効果的なトピックの基準として、重要性(significance、特に社会の大きな課題に向き合うか)、新規性(novelty)、好奇心(curiosity)、範囲(scope)、実行可能性(actionability)の5つを挙げた。 新規性は、書き始める前に決まっている。

一本の論文が運べる新規性は多くない。 Mensh と Kording は、論文を一つの中心的な貢献に絞り、それを題名で伝えることを第一の規則に置いた。 複数の貢献を同時に押し出す論文は、それぞれについて説得力が落ち、記憶に残りにくい。 節、段落、段落の中という三つの規模で、文脈、内容、結論(context-content-conclusion)の順に書く。 時間は題名、要旨、図、アウトラインに割く。 新規性はどう作られ、どう名乗られるか:確立戦略の類型 で見た「生成」と「名乗り」の区別に当てはめれば、名乗りの技術は、生成の段階で一つに絞った新規性を読者に届けるためにある。

書きながら考えるのか、考えてから書くのか

「考えてから書く」が正しい順序なら、執筆は決まった新規性を運ぶ作業にすぎない。 執筆過程の研究は、この前提に異を唱えてきた。

Flower と Hayes は、書くことを、計画、翻訳(言葉にすること)、推敲が線形でなく再帰的に起きる、目標に導かれた認知過程としてモデル化した。 Bereiter と Scardamalia は、記憶から内容を取り出して並べる knowledge telling と、内容と修辞の両面から考えを組み替える knowledge transforming を区別した。 Galbraith の整理では、こうした古典的モデルは、書くことによる発見を、伝わる文章を作る過程の副産物として扱い、修辞上の目標に合わせて考えを調整することに結びつけてきた。

Galbraith はこの扱いに反対した。 書くことで新しい考えが見つかる条件を調べた研究は古典的な説明と合わず、古典的モデルは明示的な思考の役割を大きく見過ぎていて、暗黙の文章産出の過程を軽く見ている、と彼は論じた。 彼の二過程モデルでは、明示的な計画の過程と、暗黙の文章産出の過程が互いに衝突しながら働く。 主張の形は、計画しきってから書くのではなく、書き出す中で見つかることがある。

書く時間の確保のしかたも、見つかる考えの量に関わる。 Boice は、書く量を外から契約で課した条件の書き手を、気が向いたときに書く条件の書き手と比べた。 外的な強制は創造性を妨げず、むしろ促し、気が向いたときに書くやり方は文章の量でも新しく有用なアイデアの数でも劣っていたと報告している。

文単位では、読者の期待に位置を合わせる。 Gopen と Swan は、読者が文末の stress position に締めくくりと強調を、文頭の topic position に視点と文脈を期待していることを示した。 既に出た情報を文頭に置き、新しい情報を文末に置くと、情報はより容易に、より一様に解釈される。 新規性の主張は、段落の中でも文の中でも、読者が新しさを待っている位置に置く。

どこへ、どの順で出すか

投稿先の選択は、どの新規性の基準で読まれるかの選択でもある。 Calcagno らは、生物学の923誌への2006年から2008年の投稿履歴を調べた。 原稿の流れは誌の群ごとにまとまったネットワークをなし、インパクトの高い誌に投稿が集まっていた。 それでも掲載論文の約75%は、最初に投稿した誌に載っていた。 他誌で不採択になって再投稿された論文は、初回投稿で載った論文より有意に多く引用された。 ただし、異なる誌の群のあいだで再投稿された論文は、有意に少なく引用された。 読者の共同体をまたぐ再投稿では、再投稿の有利が逆向きになる。

投稿の順序は最適化問題として定式化されている。 Salinas と Munch は、被引用を最大化するモデルと、それを再投稿の回数か査読にかかる総時間の最小化と釣り合わせるモデルを、生態学61誌の採択率、判定までの時間、インパクトファクターでパラメータ化した。 時間と再投稿の回数にどれだけ重みを置くかによって、最適な順序の先頭は変わった。 Heintzelman と Nocetti は、待てない研究者が誌の質、査読の遅れ、採択確率を釣り合わせる問題を解き、誌の特徴と著者の待てなさだけから計算した誌の「スコア」で最適な投稿経路が決まることを示した。

計算機科学では、投稿先の単位そのものが違う。 Vardi は計算機科学が会議を主要な発表の場とすることを論じ、Fortnow は分野が成熟した今は学術誌に移るべきだと主張した。 Freyne らは、主要な会議の論文が中位の学術誌の論文と同程度に引用され、下位半分の誌の論文を上回ることを示した。 会議の採択率と被引用の相関は弱く、同じくらい厳しい会議でも見返りが大きく違った。 情報処理学会の論文誌は、全国大会、研究会、国際会議での発表を途中経過報告とみなし、二重投稿として扱わない。 会議で先取権を示し、論文誌で完成版を出すという二段の経路が、規程の上で用意されている。

査読への応答は判定を動かすか

投稿した後に新規性を守る場面は、査読への応答である。 Gao らは、ACL 2018 の4千件超の査読と1.2千件超の著者応答からなるコーパスを作り、応答前の査読と応答から最終スコアを予測した。 著者応答は、特に境界線上の論文で、最終スコアにわずかだが統計的に有意な影響を持った。 それでも査読者の最終スコアは、主に本人の初期スコアと、他の査読者の初期スコアとの距離で決まっていた。 彼らはこれを、査読に内在する同調のバイアスとして論じている。

応答書の書き方には、査読済みの指針がある。 Noble は10の規則を挙げた。 概要を示してから査読を全文引用する、すべての査読者に丁寧に接する、責めを引き受ける、応答を単独で読めるようにする、すべての指摘に答える、書式で読みやすくする、各指摘への答えを直接の回答から始める、できるかぎり要求に応える、前の版から何が変わったかを明示する、必要なら二度書く。 日本の学会規程も、応答の機会を限っている。 電子情報通信学会は条件付採録を原則1回とし、60日以内の修正を求める。 情報処理学会も条件付採録を原則1回とし、大幅な書き直しを伴う条件付採録を避けるよう査読者に求める。

応答で動かせる幅が小さいなら、新規性は初読で伝わっていなければならない。 応答書の役割は、査読者が変更を確かめる手間を減らすことにある。

一つの研究を何本の論文にするか

論文の束をどう設計するかも、新規性の担保の問題である。 一つの研究を分けすぎれば、各論文の新規性は薄くなり、重なりは読者の証拠の数え方を歪める。

Huth は、無駄な出版の型に名前を付けた。 一つの研究の結果を2本以上の論文に分ける salami science、同じ材料を続く論文で繰り返し出版すること、ある研究のデータに別のデータを混ぜて、それ単独では出せなかった論文をもう一本作る meat extenders である。 こうした細分化の単位は、Science 誌の記者 Broad が1981年の記事で広めた least publishable unit という言い方でも呼ばれてきた。

重複の害は計量されている。 Tramèr らは、術後の嘔吐を防ぐ ondansetron の試験84件(患者11,980名)を系統的に集めた。 全報告の17%、患者データの28%が重複して出版されていて、相互参照のある重複は一つもなかった。 治療効果の大きい試験ほど重複して出版されやすく、重複を含めたメタ分析は ondansetron の効果を23%過大に見積もった。 von Elm らは、麻酔と鎮痛の系統的レビュー56件が除外した重複出版103本(主論文78本に由来)を調べた。 重複は単純な複写にとどまらず、標本と結果の異同によって6つのパターンに分かれた。 主論文への相互参照のない隠れた重複は5.3%で、重複の64%は主論文と著者が一部または全部違っていた。 著者の一致で重複を見分けることはできない。

出版規範は、分けること自体ではなく、申告のない重なりを問題にする。 COPE は冗長出版を、既に出版された(または他誌に投稿中の)仕事、データ、分析の全体または実質的な部分を、透明性や適切な申告と引用なしに出版することと定義する。 salami slicing は冗長の程度が小さく、引用による訂正で対処されうる。 編集者は重なりの程度、重なりの位置(方法の重複は考察の重複より許容されやすい)、関連論文の申告と引用の透明性で個別に判断する。 ICMJE の勧告は、関連する原稿を投稿状で申告し、写しを編集者に渡すよう求める。

学位の単位で束を設計する場面もある。 Kamler は、博士課程の学生の多くが研究から論文を出すための指導や構造的な支援を受けていないことを指摘し、指導教員との共著を教育の実践として設計し直すよう論じた。 Lee と Kamler は、学位論文の文章を、より広い読者に向けて文脈を置き直す作業として博士教育に組み込むことを求めた。 論文を束ねて学位論文にする thesis by publication について、Mason と Merga はオーストラリアの社会科学系の153本(2014年から2017年)の構成を分析し、11通りの構成の選択を見出したうえで、その規範がまだ定まっていないことを示した。 Merga らが修了者246名に尋ねると、学位論文としての一貫性の確保、時間の圧力、出版過程の管理、指導や大学の支援が繰り返し課題に挙がった。 束ねた論文の新規性は、個々の論文とは別に、束ねる論の側で示すことになる。

確認できることと、できないこと

冒頭の問いに戻る。 「我々の知る限り」が保証できるのは、探した範囲と時期と方法である。 医学の計量は、その範囲を数えずに書いた一文が、答えの出た問いの繰り返しを隠してきたことを示した。 検索の監査は、プロトコルどおりの検索だけでは一次資料の3割しか拾えなかったことを示した。 ここまでは著者の手の内にある。

手の内にないのは、読む側である。 査読者は originality を7種の新しさとして読み、学派の近さで点を動かし、同じ原稿でも κ .17 の水準でしか一致しない。 規程は新規性を他の基準と交換し、新規性を問わないと書いた媒体でも運用で新規性が戻ってくる。 先を越されれば被引用は21%減り、急げば質が落ちる。 この部分に対して著者が打てる手は、判定を揃えることではなく、どの物差しで読まれるかを選ぶことと、開示の日付を残すことである。

執筆の順序は、この二つの側を分けたところから決まる。 新規性はトピックの選択と設計の段階でほぼ決まり、書く過程はそれを一つに絞る作業と、書きながら主張の形を見つける作業を兼ねる。 残る問いもある。 査読者が新規性の欠如と書いた判定のうち、どれだけが先行研究の読み落としや主張の言い過ぎに由来し、どれだけが学派の違いに由来するのか。 その内訳を査読報告のコーパスで測った研究は、今回の収集では見つからなかった。

投稿前に通す確認

ここまでの文献から、投稿前に通す確認を順に並べる。 各段の根拠は脚注に付けた。

  1. 答えの出た問いでないかを確かめる:既存の系統的レビューとメタ分析を探し、なければ小さな範囲で自分で集める。同種の先行研究のうち何割を読んだかを数えられる状態にする。123
  2. 検索の網を二重にする:データベース検索のあとに、後方と前方の snowballing を繰り返し回し、分野の人に尋ねる。「我々の知る限り」と書くなら、探した範囲と時期を本文か補足資料に書く。45
  3. 新しさの種類を書き分ける:近い研究を並べ、自分の新しさが仮説、方法、データ、題材、結果のどれにあるかを一文ずつ書く。方法を既存のものに置き、仮説と結果で新しさを出す構成は、高被引用論文の典型でもある。67
  4. 不採択の上位理由を先に潰す:統計、過剰解釈、測定、標本、問題の提示、先行研究レビューの不備を自分で点検する。査読で「新規性がない」と書かれる判定の一部は、ここで防げる。8
  5. 遠い学派の読者にも差分が読めるかを確かめる:査読者の評価は学派の近さで動き、近い査読者を外しても偏りは消えない。自分と違う学派の読者が読んでも、先行研究との差が読み取れるように配置する。910
  6. 投稿先の規程で新規性の重さを確かめる:新規性が有効性や信頼性とどう交換されるか、原稿種別(論文、報告、論説、サーベイ)で基準がどう変わるかを読み、新規性で勝負するのか別の基準で勝負するのかを決める。1112131415
  7. 競争の激しい題材では開示の日付を残す:プレプリントで開示し、投稿先の scoop protection の範囲と期間(6か月、4か月など)を確かめる。急いで質を落とすことの代償も見積もる。161718192021
  8. LLM の新規性判定をそのまま採らない:LLM は文献検索の補助に使い、既知の概念を新規と判定する誤りと、既存研究の言い換えを見逃す誤りの両方を前提に、近い研究との対応は人が読んで確かめる。22232425
  9. 重なりを申告する:関連する原稿、学会発表、プレプリントとの重なりを投稿状で申告し、必要なら写しを付ける。212612

執筆計画の立て方

書く順序も、同じ文献から組み立てられる。

  1. トピックを5つの基準で評価してから始める:重要性、新規性、好奇心、範囲、実行可能性で評価する。不採択の種はトピックの選択で蒔かれる。27
  2. 中心的な貢献を一つに絞る:題名で言えるまで絞り、ほかの新しさは中心の貢献に仕える位置に置く。28
  3. 早く書き始め、書きながら主張を見つける:下書きは完成した考えの記録ではなく、主張を見つける過程として書く。書く時間は気分ではなく予定で確保する。293031
  4. 題名、要旨、図、アウトラインに時間を割く:節、段落、段落の中を context-content-conclusion の順に組む。アウトラインは研究の途中から書き直し続ける。2832
  5. 新しい情報を文末に置く:既に出た情報を文頭に、新しい情報を文末に置き、新規性の主張を読者が強調を待つ位置に置く。33
  6. 投稿先の順序を重みから決める:被引用、判定までの時間、再投稿の回数にどれだけ重みを置くかを先に決め、同じ読者の共同体の中で順序を組む。会議から論文誌への経路が認められているかも確かめる。3435363712
  7. 初読で差分が伝わるように書く:rebuttal や条件付採録で動かせる幅は小さい。応答書はすべての指摘に答え、何が変わったかを明示する。383911
  8. 論文の束は問いで切り、重なりを申告する:一つの研究を分けるなら研究の問いの単位で切り、データの重なりは相互参照と申告で示す。論文の束で学位を取るなら、束ねる論を別に書く。404142264344

収集の空白

  • 査読報告の文面の分析:「新規性がない」という判定を、査読報告のテキストから理由別に分類した研究。Bordage の医学教育の分析を除き、新規性の判定と理由を対応づけたコーパス研究は収集できなかった。
  • 日本語圏の査読の実証:国内学会誌の査読規程は集めたが、その規程のもとでの採否や査読者間一致を測った研究は収集していない。
  • デザイン研究誌の採否:デザイン研究の学術誌で、新規性、有用性、実践報告の価値がどう比較されているかを実証した研究。
  • LLM 新規性チェックの長期評価:文献に接地した判定が、後から見て正しかったかを追跡した研究。現状の評価はすべて人間との一致で測られている。
  • 投稿順序の分野差:投稿順序の最適化は生態学と経済学の誌でパラメータ化されたものしかなく、HCI やデザインの会議と論文誌の組合せでは検討されていない。
  • 論文の束の効果:一つの研究を何本に分けると被引用や評価がどう変わるかを、重複の害と切り分けて測った研究。

関連ノート

未検証事項

本文の主要主張は、要旨または本文の該当箇所で確かめた範囲で書いた。 次の項目は確認が届かなかったため、本文では使わないか、範囲を狭めて書いた。

  • Chalmers と Glasziou (2009) の「研究投資の85%が無駄になっている」という推計は、Lancet の本文に到達できず(出版社ページ 403、Europe PMC に要旨なし)、本文では使っていない。
  • Clarke ら (2010) の本文の数値(更新した系統的レビューの文脈に結果を置いた報告の数)は本文に到達できず、題名が示す規範の範囲でだけ使った。
  • Boice (1983) の条件間の倍率は要旨に到達できず(出版社が要旨を非公開)、本文では方向だけを書いた。
  • AMJ の連載の第2回から第7回は本文に到達できず(journals.aom.org が 403)、題名の範囲でだけ使った。第1回は掲載された複製で該当箇所を確認した。
  • Whitesides (2004) のアウトラインを研究計画として使う記述は、出版社の要旨と二次転載で確認したもので、原文の頁は照合していない。手順では補足の根拠にとどめた。
  • Bereiter と Scardamalia (1987) は書籍の本文を読めておらず、Galbraith (2009) の要旨が批判の対象にする古典的モデルとしてだけ扱った。
  • Vardi (2009) と Fortnow (2009) は論説の本文に到達できず、題名が示す立場の範囲でだけ使った。
  • Broad (1981) は本文に到達できず、least publishable unit の語を広めた記事という二次文献の記述に依拠した。
  • 電子情報通信学会の投稿のしおりには改訂日の記載がなく、閲覧日(2026-09-26)の版に基づく。
  • コーパスにだけ記録し本文で使っていない文献(Lamont 2009、Cicchetti 1991、Paltridge 2017、Frick 2015/2019 など)の未確認事項は、コーパスの ## 未検証事項 に一覧がある。

参照文献

投稿前の先行研究確認と研究の無駄

  • Chalmers, I. & Glasziou, P. (2009). Avoidable waste in the production and reporting of research evidence. The Lancet 374(9683):86–89. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(09)60329-9
  • Clarke, M., Hopewell, S., Chalmers, I. (2010). Clinical trials should begin and end with systematic reviews of relevant evidence: 12 years and waiting. The Lancet 376(9734):20–21. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(10)61045-8
  • Fergusson, D., Glass, K. C., Hutton, B., Shapiro, S. (2005). Randomized controlled trials of aprotinin in cardiac surgery: could clinical equipoise have stopped the bleeding? Clinical Trials 2(3):218–232. https://doi.org/10.1191/1740774505cn085oa
  • Greenhalgh, T. & Peacock, R. (2005). Effectiveness and efficiency of search methods in systematic reviews of complex evidence: audit of primary sources. BMJ 331(7524):1064–1065. https://doi.org/10.1136/bmj.38636.593461.68
  • Lund, H., Brunnhuber, K., Juhl, C., Robinson, K., Leenaars, M., Dorch, B. F., Jamtvedt, G., Nortvedt, M. W., Christensen, R., Chalmers, I. (2016). Towards evidence based research. BMJ 355:i5440. https://doi.org/10.1136/bmj.i5440
  • Merton, R. K. (1957). Priorities in scientific discovery: a chapter in the sociology of science. American Sociological Review 22(6):635–659. https://doi.org/10.2307/2089193
  • Robinson, K. A. & Goodman, S. N. (2011). A systematic examination of the citation of prior research in reports of randomized, controlled trials. Annals of Internal Medicine 154(1):50–55. https://doi.org/10.7326/0003-4819-154-1-201101040-00007
  • Wohlin, C. (2014). Guidelines for snowballing in systematic literature studies and a replication in software engineering. Proc. 18th International Conference on Evaluation and Assessment in Software Engineering (EASE), 1–10. https://doi.org/10.1145/2601248.2601268

査読者の originality 判定と一致度

  • Bordage, G. (2001). Reasons reviewers reject and accept manuscripts: the strengths and weaknesses in medical education reports. Academic Medicine 76(9):889–896. https://doi.org/10.1097/00001888-200109000-00010
  • Bornmann, L., Mutz, R., Daniel, H.-D. (2010). A reliability-generalization study of journal peer reviews: a multilevel meta-analysis of inter-rater reliability and its determinants. PLoS ONE 5(12):e14331. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0014331
  • Dirk, L. (1999). A measure of originality: the elements of science. Social Studies of Science 29(5):765–776. https://doi.org/10.1177/030631299029005004
  • Guetzkow, J., Lamont, M., Mallard, G. (2004). What is originality in the humanities and the social sciences? American Sociological Review 69(2):190–212. https://doi.org/10.1177/000312240406900203
  • Langfeldt, L. (2001). The decision-making constraints and processes of grant peer review, and their effects on the review outcome. Social Studies of Science 31(6):820–841. https://doi.org/10.1177/030631201031006002
  • Pier, E. L., Brauer, M., Filut, A., Kaatz, A., Raclaw, J., Nathan, M. J., Ford, C. E., Carnes, M. (2018). Low agreement among reviewers evaluating the same NIH grant applications. PNAS 115(12):2952–2957. https://doi.org/10.1073/pnas.1714379115
  • Siler, K., Lee, K., Bero, L. (2015). Measuring the effectiveness of scientific gatekeeping. PNAS 112(2):360–365. https://doi.org/10.1073/pnas.1418218112
  • Teplitskiy, M., Acuna, D., Elamrani-Raoult, A., Körding, K., Evans, J. (2018). The sociology of scientific validity: how professional networks shape judgement in peer review. Research Policy 47(9):1825–1841. https://doi.org/10.1016/j.respol.2018.06.014
  • Travis, G. D. L. & Collins, H. M. (1991). New light on old boys: cognitive and institutional particularism in the peer review system. Science, Technology, & Human Values 16(3):322–341. https://doi.org/10.1177/016224399101600303

投稿先ごとの判定基準(学会規程と soundness-only 査読)

先取権と scooping

LLM による新規性チェック

  • Beel, J., Kan, M.-Y., Baumgart, M. (2025). Evaluating Sakana’s AI Scientist: bold claims, mixed results, and a promising future? ACM SIGIR Forum 59(1):1–20. https://doi.org/10.1145/3769733.3769747 (プレプリント arXiv:2502.14297)
  • Gupta, T. & Pruthi, D. (2025). All that glitters is not novel: plagiarism in AI generated research. Proc. ACL 2025 (Volume 1: Long Papers), 25721–25738. https://doi.org/10.18653/v1/2025.acl-long.1249
  • Liang, W., Zhang, Y., Cao, H., Wang, B., Ding, D. Y., Yang, X., Vodrahalli, K., He, S., Smith, D. S., Yin, Y., McFarland, D., Zou, J. (2024). Can large language models provide useful feedback on research papers? A large-scale empirical analysis. NEJM AI 1(8). https://doi.org/10.1056/AIoa2400196
  • Shahid, S., Radensky, M., Fok, R., Siangliulue, P., Weld, D. S., Hope, T. (2025). Literature-grounded novelty assessment of scientific ideas. Proc. 5th Workshop on Scholarly Document Processing (SDP 2025). https://aclanthology.org/2025.sdp-1.9/ (プレプリント arXiv:2506.22026)

貢献の組み立てと論文の構成

書くことと考えること

  • Bereiter, C. & Scardamalia, M. (1987). The Psychology of Written Composition. Lawrence Erlbaum Associates. ISBN 0-8058-0038-7
  • Boice, R. (1983). Contingency management in writing and the appearance of creative ideas: implications for the treatment of writing blocks. Behaviour Research and Therapy 21(5):537–543. https://doi.org/10.1016/0005-7967(83)90045-1
  • Flower, L. & Hayes, J. R. (1981). A cognitive process theory of writing. College Composition and Communication 32(4):365–387. https://doi.org/10.58680/ccc198115885
  • Galbraith, D. (2009). Writing as discovery. BJEP Monograph Series II: Part 6 Teaching and Learning Writing. https://doi.org/10.1348/978185409X421129

投稿先の選択と査読対応

論文の束と重複出版

Footnotes

  1. Robinson, K. A. & Goodman, S. N. (2011). A systematic examination of the citation of prior research in reports of randomized, controlled trials. Annals of Internal Medicine 154(1):50–55. https://doi.org/10.7326/0003-4819-154-1-201101040-00007 ↩

  2. Fergusson, D., Glass, K. C., Hutton, B., Shapiro, S. (2005). Randomized controlled trials of aprotinin in cardiac surgery: could clinical equipoise have stopped the bleeding? Clinical Trials 2(3):218–232. https://doi.org/10.1191/1740774505cn085oa ↩

  3. Lund, H. et al. (2016). Towards evidence based research. BMJ 355:i5440. https://doi.org/10.1136/bmj.i5440 ↩

  4. Greenhalgh, T. & Peacock, R. (2005). Effectiveness and efficiency of search methods in systematic reviews of complex evidence: audit of primary sources. BMJ 331(7524):1064–1065. https://doi.org/10.1136/bmj.38636.593461.68 ↩

  5. Wohlin, C. (2014). Guidelines for snowballing in systematic literature studies and a replication in software engineering. Proc. EASE 2014, 1–10. https://doi.org/10.1145/2601248.2601268 ↩

  6. Guetzkow, J., Lamont, M., Mallard, G. (2004). What is originality in the humanities and the social sciences? American Sociological Review 69(2):190–212. https://doi.org/10.1177/000312240406900203 ↩

  7. Dirk, L. (1999). A measure of originality: the elements of science. Social Studies of Science 29(5):765–776. https://doi.org/10.1177/030631299029005004 ↩

  8. Bordage, G. (2001). Reasons reviewers reject and accept manuscripts: the strengths and weaknesses in medical education reports. Academic Medicine 76(9):889–896. https://doi.org/10.1097/00001888-200109000-00010 ↩

  9. Teplitskiy, M., Acuna, D., Elamrani-Raoult, A., Körding, K., Evans, J. (2018). The sociology of scientific validity: how professional networks shape judgement in peer review. Research Policy 47(9):1825–1841. https://doi.org/10.1016/j.respol.2018.06.014 ↩

  10. Travis, G. D. L. & Collins, H. M. (1991). New light on old boys: cognitive and institutional particularism in the peer review system. Science, Technology, & Human Values 16(3):322–341. https://doi.org/10.1177/016224399101600303 ↩

  11. 電子情報通信学会. 和文論文誌 投稿のしおり 5. 投稿原稿の取り扱い(5.1 査読の基準、5.2 採否の判定、5.4 条件付採録). https://www.ieice.org/jpn/shiori/cs_5_1.html (2026-09-26 閲覧) ↩ ↩2

  12. 情報処理学会 論文誌ジャーナル編集委員会 (1985制定、2012年4月2日改訂). 論文査読の手引き. https://www.ipsj.or.jp/journal/manual/papers_guide.html (2026-09-26 閲覧) ↩ ↩2 ↩3

  13. 日本デザイン学会 論文審査委員会 (2022年2月12日一部改正). 論文集『デザイン学研究』投稿規定. https://jssd.jp/ja/wp-content/uploads/2022/05/J_rules_1_20220212.pdf (2026-09-26 閲覧) ↩

  14. PLOS ONE. Criteria for Publication; Journal Information. https://journals.plos.org/plosone/s/criteria-for-publication (2026-09-26 閲覧) ↩

  15. Spezi, V., Wakeling, S., Pinfield, S., Fry, J., Creaser, C., Willett, P. (2018). “Let the community decide”? The vision and reality of soundness-only peer review in open-access mega-journals. Journal of Documentation 74(1):137–161. https://doi.org/10.1108/JD-06-2017-0092 ↩

  16. Vale, R. D. & Hyman, A. A. (2016). Priority of discovery in the life sciences. eLife 5:e16931. https://doi.org/10.7554/eLife.16931 ↩

  17. PLOS. Complementary Research(PLOS Biology). https://journals.plos.org/plosbiology/s/complementary-research (2026-09-26 閲覧); The PLOS Biology Staff Editors (2018). The importance of being second. PLOS Biology 16(1):e2005203. https://doi.org/10.1371/journal.pbio.2005203 ↩

  18. Life Science Alliance. Editorial Policies(Scooping protection). https://www.life-science-alliance.org/editorial-policies (2026-09-26 閲覧) ↩

  19. Hill, R. & Stein, C. (2025). Scooped! Estimating rewards for priority in science. Journal of Political Economy 133(3):793–845. https://doi.org/10.1086/733398 ↩

  20. Hill, R. & Stein, C. (2025). Race to the bottom: competition and quality in science. Quarterly Journal of Economics 140(2):1111–1185. https://doi.org/10.1093/qje/qjaf010 ↩

  21. ICMJE. Recommendations IV.D. Overlapping Publications. https://www.icmje.org/recommendations/browse/publishing-and-editorial-issues/overlapping-publications.html (2026-09-26 閲覧) ↩ ↩2

  22. Beel, J., Kan, M.-Y., Baumgart, M. (2025). Evaluating Sakana’s AI Scientist: bold claims, mixed results, and a promising future? ACM SIGIR Forum 59(1):1–20. https://doi.org/10.1145/3769733.3769747 ↩

  23. Gupta, T. & Pruthi, D. (2025). All that glitters is not novel: plagiarism in AI generated research. Proc. ACL 2025 (Long Papers), 25721–25738. https://doi.org/10.18653/v1/2025.acl-long.1249 ↩

  24. Shahid, S., Radensky, M., Fok, R., Siangliulue, P., Weld, D. S., Hope, T. (2025). Literature-grounded novelty assessment of scientific ideas. Proc. 5th Workshop on Scholarly Document Processing (SDP 2025). https://aclanthology.org/2025.sdp-1.9/ ↩

  25. Liang, W. et al. (2024). Can large language models provide useful feedback on research papers? A large-scale empirical analysis. NEJM AI 1(8). https://doi.org/10.1056/AIoa2400196 ↩

  26. COPE Council (2024). Handling duplicated or redundant content (salami slicing). COPE position. https://doi.org/10.24318/RMZj3Nqm ↩ ↩2

  27. Colquitt, J. A. & George, G. (2011). Publishing in AMJ—Part 1: topic choice. Academy of Management Journal 54(3):432–435. https://doi.org/10.5465/AMJ.2011.61965960 ↩

  28. Mensh, B. & Kording, K. (2017). Ten simple rules for structuring papers. PLOS Computational Biology 13(9):e1005619. https://doi.org/10.1371/journal.pcbi.1005619 ↩ ↩2

  29. Flower, L. & Hayes, J. R. (1981). A cognitive process theory of writing. College Composition and Communication 32(4):365–387. https://doi.org/10.58680/ccc198115885 ↩

  30. Galbraith, D. (2009). Writing as discovery. BJEP Monograph Series II: Part 6 Teaching and Learning Writing. https://doi.org/10.1348/978185409X421129 ↩

  31. Boice, R. (1983). Contingency management in writing and the appearance of creative ideas: implications for the treatment of writing blocks. Behaviour Research and Therapy 21(5):537–543. https://doi.org/10.1016/0005-7967(83)90045-1 ↩

  32. Whitesides, G. M. (2004). Whitesides’ group: writing a paper. Advanced Materials 16(15):1375–1377. https://doi.org/10.1002/adma.200400767 ↩

  33. Gopen, G. D. & Swan, J. A. (1990). The science of scientific writing. American Scientist 78(6):550–558. https://www.usenix.org/sites/default/files/gopen_and_swan_science_of_scientific_writing.pdf ↩

  34. Calcagno, V. et al. (2012). Flows of research manuscripts among scientific journals reveal hidden submission patterns. Science 338(6110):1065–1069. https://doi.org/10.1126/science.1227833 ↩

  35. Salinas, S. & Munch, S. B. (2015). Where should I send it? Optimizing the submission decision process. PLOS ONE 10(1):e0115451. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0115451 ↩

  36. Heintzelman, M. & Nocetti, D. (2009). Where should we submit our manuscript? An analysis of journal submission strategies. The B.E. Journal of Economic Analysis & Policy 9(1). https://doi.org/10.2202/1935-1682.2340 ↩

  37. Freyne, J., Coyle, L., Smyth, B., Cunningham, P. (2010). Relative status of journal and conference publications in computer science. Communications of the ACM 53(11):124–132. https://doi.org/10.1145/1839676.1839701 ↩

  38. Gao, Y., Eger, S., Kuznetsov, I., Gurevych, I., Miyao, Y. (2019). Does my rebuttal matter? Insights from a major NLP conference. Proc. NAACL-HLT 2019, 1274–1290. https://doi.org/10.18653/v1/N19-1129 ↩

  39. Noble, W. S. (2017). Ten simple rules for writing a response to reviewers. PLOS Computational Biology 13(10):e1005730. https://doi.org/10.1371/journal.pcbi.1005730 ↩

  40. Huth, E. J. (1986). Irresponsible authorship and wasteful publication. Annals of Internal Medicine 104(2):257–259. https://doi.org/10.7326/0003-4819-104-2-257 ↩

  41. Tramèr, M. R., Reynolds, D. J. M., Moore, R. A., McQuay, H. J. (1997). Impact of covert duplicate publication on meta-analysis: a case study. BMJ 315(7109):635–640. https://doi.org/10.1136/bmj.315.7109.635 ↩

  42. von Elm, E., Poglia, G., Walder, B., Tramèr, M. R. (2004). Different patterns of duplicate publication: an analysis of articles used in systematic reviews. JAMA 291(8):974–980. https://doi.org/10.1001/jama.291.8.974 ↩

  43. Mason, S. & Merga, M. (2018). Integrating publications in the social science doctoral thesis by publication. Higher Education Research & Development 37(7):1454–1471. https://doi.org/10.1080/07294360.2018.1498461 ↩

  44. Merga, M. K., Mason, S., Morris, J. E. (2020). ‘What do I even call this?’ Challenges and possibilities of undertaking a thesis by publication. Journal of Further and Higher Education 44(9):1245–1261. https://doi.org/10.1080/0309877X.2019.1671964 ↩


書いた人:小川 修一郎(Design Researcher / Consultant) 経歴を見る →