Shuichiro Ogawa
English

Notes ・ updated 2026-07-19

光が粒なら、物質は波であるはずだ

証拠が出そろう前に、正しい問いの形だけが決まっていることがある。

1924年、ド・ブロイの博士論文は、まだ誰も測っていない現象の存在をこう予言した。 光は波だと長く信じられてきたが、それが粒子(光量子)としても振る舞うことを、当時の物理はすでに認めていた。 片側だけが認められている。 であれば、と彼は書く。 粒子だと信じられてきた物質もまた、波として振る舞うはずだ1。 運動量 p をもつ粒子には波長 λ が伴う、という一本の式で対称性を閉じた。 実験の裏づけは、まだ一つもなかった。

三年後、その予言は狙われないまま確証された。 Davisson と Germer は、ニッケル結晶に電子を当てる別の実験の途中で、電子がX線と同じ回折像を描くのを見た2。 電子は波として干渉していた。 片側の非対称を反転して閉じた対称性が、後から測定によって埋められたのである。 これは孤立した逸話ではない。 物理学は、対称性とその破れを手がかりに理論を組み立てる作法を、方法として持っている3

この手つきを、創造性とデザインの理論にそのまま持ち込むとどうなるか。 方法はこうなる。 理論で片側だけ認められている非対称を一つ取り出し、それを反転して対称性を閉じる。 盲点は、閉じられていない反対側にある。 姉妹ノート ai-research-gaps-abduction は、AI研究の未踏領域を、前提を反転させる七つのフレームで探した。 本ノートは、その手つきを創造性とデザインの一点に絞り、付加と引き算という一組の非対称だけをド・ブロイの発見法で深く掘る。 方法の初出と定式は ai-capability-relational-ontology に置いた。

創造性の理論が片側だけ認めている非対称

まず、認められている片側を正確に書き出す。

創造性とデザインは、付加として理論化される。 新しい案を生む、要素を足す、機能を加える、選択肢を増やす。 この生成の側に、創造性の名がついてきた。 引き算はそうではない。 除く、控える、作らない、削る。 これらは、生み出された案を絞り込む選択、収束、編集の作業として、生成の後段に置かれる。 引き算それ自体が新しい何かを生むとは、通例みなされない。

この切り分けは、創造性を測る指標に刻まれている。 Guilford が発散的思考の中心に置いた流暢性(fluency)は、一定時間に出せた関連する案のとして操作定義された4。 Torrance の創造性検査もこれを受け継ぎ、流暢性の得点は生成された意味のある応答の総数で決まる5。 案が多いほど流暢性は高い。 引き算は、数えられる案を増やさない。 だから流暢性の目盛りの上では、引き算はゼロか、むしろ数を減らす負の寄与にしかならない。

発想の技法も、同じ目盛りで走る。 Osborn がブレインストーミングに与えた規則の一つは「量が欲しい」であり、量が質を生むという原理を発想の公式ルールにした6。 案を多く出すことが、良い発散の証とされる。 出さないこと、控えること、あえて空けておくことは、この規則のもとでは達成ではなく不足になる。 制作ツールのインターフェースも、要素を足す操作を既定として並べる。 筆を足す、レイヤーを重ねる、機能を追加する。 これらのボタンは目の前にあるが、「作らない」を選ぶボタンはどこにもない。 [証拠水準:状況証拠]

ここに、まだ反転されていない片側がある。

反転すると、引き算が生成の側に立つ

反転してみる。

付加と引き算を、生成と非生成に切り分ける原理的な理由は、どこにあるか。 どちらも、作られる対象の形を変える操作である。 付加は要素を足して形を変え、引き算は要素を除いて形を変える。 結果として立ち上がる対象を条件づけるという役割において、両者は同じ資格をもつ。 であれば、付加だけを生成と特権化し、引き算を「生成の後で案を絞る二次作業」とみなす根拠はない。 引き算は、付加と同じ資格で新しい対象を立ち上げる。

この一歩から、素朴な理解を降りる帰結が出る。 不在、余白、意図的な差し控え、作られなかったもの(未制作物)は、選択の残りかすではない。 ここで否定しているのは「引き算は無意味だ」という命題ではない。 否定しているのは、「引き算はすでに生まれた案を減らす操作にすぎず、それ自体は何も生まない」という命題である。 削られた余白は、そこに何もないのではなく、受け手が意味を差し込むための構造をもつ。 文学の受容理論で Iser が空所(Leerstellen)と呼んだものが、この構造の先例になる。 テキストが埋めずに残した不確定の箇所が、読者の想像を能動的に動かし、意味を生成する装置になる7。 不在は、ランダムな欠落ではなく、周囲の要素が形づくる制約のもとで働く。 引き算は、この不在の構造を設計する操作である。 「何を作らないか」は、「何を作るか」と同格の設計行為になる。 [証拠水準:著者の推定]

これはド・ブロイの一歩と同じ形をしている。 理論が片側で認めている「付加は生成、引き算は選別」を反転し、対称性を閉じた。 閉じた先に現れるのは、付加と引き算を対称な二つの生成操作とみる見方である。

なぜこの盲点は構造的に見えないのか

反転が正しいとして、なぜ主流はそれを見落とすのか。 理由は「デザイナーが引き算を軽んじているから」ではない。 創造性を測り、案を出させ、成果を評価する装置そのものが、付加を既定として符号化しているからだ。

創造性の指標は、付加でしか値をもたない。 流暢性が案の数である以上、引き算の生成性は目盛りに乗らない。 実際、発散的思考の採点では、案の数が多い参加者ほど独創性の合計点も上がってしまう。 Silvia らはこの流暢性汚染(fluency contamination)を実証し、従来の合計方式では独創性と流暢性が相関係数 .80 から .90 で絡むことを示した8。 Benedek らはこれを定量化し、上位案だけを採点する方式に切り替えると相関が .06 以下まで下がることを示した9。 量が質を偽装する、というこの構造は、指標が付加を計量の基本単位に据えていることの帰結である。 Forthmann らはさらに、この加算的な採点設計が「量が増えれば質も増える」という前提を検査に組み込んでいると論じた10

発想の技法も、同じ前提を目的に組み込んでいる。 ブレインストーミングは案の数を最大化することを目標に設計されており、控えることや空けておくことは、この目標のもとでは達成として計上されない。 制作ツールのインターフェースは要素を足す操作を並べ、「作らない」を積極的な選択として提示しない。 どの装置も、付加を計量と操作の既定に据えることで成り立っている。 だから、付加でしか測れない装置の内側からは、引き算の生成性は原理的に見えにくい。 これは、装置の設計仕様がそもそも引き算を計上しないことの帰結であって、使い手の注意の不足ではない。 [証拠水準:状況証拠]

散らばった現象が、一つの見方で束なる

反転が生産的かどうかは、それが何を説明するかで決まる。 付加と引き算を対称とみる見方は、これまで別々に扱われてきた散在現象を、一つの構図のもとに束ねる。

第一に、ミニマリズムと「less is more」である。 Mies van der Rohe に帰される「less is more」も、Dieter Rams の「より少なく、しかしより良く」(Weniger, aber besser)も、削ることが質を高めるという設計思想を短く言い切る11。 主流はこれを美的な好み、あるいは様式の選択として扱う。 反転すれば、削ることは好みではなく、対象を立ち上げる生成操作の一方になる。

第二に、余白(negative space)と emptiness である。 原研哉は、白さ、間、余白を、空虚ではなく満たされる可能性を宿す能動的なデザイン語彙として位置づけた12。 何もない領域が、受け手の解釈を呼び込む器になる。 主流はこれを日本の美学の伝統として個別に扱う。 反転すれば、余白は伝統に固有の技法ではなく、不在を設計するという一般的な操作の一例になる。

第三に、制約下の創造である。 制約が創造を阻むどころか促すことは、実証的に繰り返し示されてきた。 Haught-Tromp は、指定語を含めるという制約を課した作文課題で創造性が上がることを実験で示した[^haught]。 Acar らは145本の実証研究を統合し、制約と創造性の関係が逆U字を描く、つまり中程度の制約が最も創造性を高めることを示した[^acar]。 Biskjaer と Halskov は、設計解空間を根本的に絞る決断(decisive constraint)が革新的なデザインを生むことを、インタラクションデザインの事例から論じた[^biskjaer]。 これらは、選択肢を減らすことが生成に寄与する証拠を並べている。 主流はこれを「制約は逆説的に役立つ」という但し書きつきの現象として扱う。 反転すれば、逆説ではなくなる。 制約とは、解空間から要素を除く引き算であり、引き算が生成的なら、制約が創造を助けるのは当然の帰結になる。 [証拠水準:状況証拠]

これら三つを、主流は美学、伝統、逆説として別々に処理してきた。 反転すれば、これらは一つの操作の別々の現れになる。 そして、三つを束ねる論理は一つに尽きる。 引き算が付加と対称な生成操作なら、削ること、空けること、絞ることは、どれも新しい対象を立ち上げている。 [証拠水準:著者の推定]

反証できる予測を立てる

ここまでは見方の話であり、そのままでは反証できない。 ド・ブロイの一歩が科学たりえたのは、電子回折という反証可能な予測を伴ったからだ。 付加と引き算の対称性も、同じ資格を得るには、付加バイアスの見方では起きないはずの何かを予測しなければならない。

その予測は、二つの検定に分かれる。

一つは、生成性の対称の検定である。 引き算の設計手(削る、控える、未制作を選ぶ)は、付加の設計手と同等以上に解空間を開くはずだ。 これは比較実験で測れる。 同じ課題を、要素を足す操作だけが許される群と、要素を除く操作だけが許される群に分け、生成された解の多様性と質を比べる。 付加と引き算が対称な生成操作なら、引き算群が開く解空間は付加群に劣らない。 付加だけが生成的だという見方が正しいなら、引き算群は付加群に系統的に劣る。 どちらに転ぶかは、まだ測られていない。

もう一つは、装置の付加バイアスの監査である。 現行の発想法と制作ツールは、付加バイアスを系統的に示すはずだ。 これは方法とツールの監査で検定できる。 発想技法の採点規則、創造性指標の計量単位、制作インターフェースの操作の既定を数え上げ、付加を計上する装置と引き算を計上する装置の非対称を測る。 流暢性汚染の実証(前掲89)は、この監査を創造性指標について部分的に済ませたものとして読める。 指標が付加を計量単位に据えていることは、すでに数値で示されている。 残るのは、同じ監査を制作ツールと発想技法へ広げ、非対称の全体像を測ることである。 [証拠水準:著者の推定]

比喩が字義になる一点

ここが、本ノートで最も接地の効く場所である。

付加バイアスは、すでに比喩ではなく実測されている。 Adams、Converse、Hales、Klotz は2021年に Nature で、人が問題を改善するとき、有利な引き算の解を系統的に見落とし、付加の解に流れることを、8つの実験で示した13。 レゴの構造を安定させる課題でも、文章を良くする課題でも、旅程を整える課題でも、引き算せよという手がかりを与えないかぎり、人は要素を足そうとする。 引き算の解は、認知の努力を余分に要する。 だから、思いつかれないまま見落とされる。 付加への偏りは、人間の問題解決に実在する。

その後の研究が、この偏りを一段深く掘っている。 Neroni らは潜在連合テストで、人が付加の概念に正の価値を割り当て、付加を引き算より安全で機能的だと暗黙に感じていることを示した14。 Juvrud らは3課題を再現し、この見落としが年齢と文化と課題で変動することを示した15。 付加バイアスは、意識的な判断より下の、連想の層で働いている。

ただし、対象を取り違えてはならない。 Adams らが測ったのは、問題解決における付加バイアスであって、デザイン理論における生成操作の対称性ではない。 人が引き算の解を見落とすことを示したのであって、引き算が付加と対称な一級の生成操作であることを示したのではない。 記述された事実は「引き算は見落とされる」であり、本ノートの主張は「引き算は生成的である」だ。 この二つは別の命題である。

この区別が、ド・ブロイの構図をそっくり再現する。 付加バイアスは、片方の領域(問題解決の認知)ですでに実測された。 これが「光量子」にあたる。 対称性が告げるのは、ならば生成操作の理論の側でも、引き算は付加と対等な地位をもつはずだ、という予測である。 これが「物質波」にあたる。 実証された付加バイアスは、デザイン理論の対称化を狙って得られたものではない。 狙われないまま片側を埋めた、という点まで、電子回折の構図に重なる。 対象を、問題解決の認知から生成操作の理論へ移す設計だけが、まだ埋められていない片側として残っている。 [証拠水準:状況証拠]

新規性はどこにあり、どこにないのか

反転が魅力的に見えるときほど、既出との境界を厳密に引かねばならない。 本ノートの主張の多くは、すでに部分的に存在する。

付加バイアスの実証は、既にある(前掲131415)。 だが対象は問題解決の認知であって、デザイン理論の生成操作ではない。 引き算が見落とされるという記述にとどまり、引き算が付加と対称な生成操作だという理論的主張には踏み込んでいない。

制約が創造を助けるという実証も、既にある(前掲[^haught][^acar][^biskjaer])。 だがこれらは制約を肯定的に扱う一方で、制約(=引き算)を付加と対称な生成操作として定式化してはいない。 制約は但し書きつきの逆説として扱われ、生成操作の一方には格上げされていない。

引き算の美学も、既にある(前掲1112)。 ミニマリズムも余白も、削ることの価値を語ってきた。 だがこれらは美的な主張であり、認知実験の裏づけも、付加との形式的な対称の論証も伴わない。 「引き算が良い」という美学的主張は、本ノートの新規性ではない。

流暢性汚染の実証も、既にある(前掲8910)。 創造性指標が付加を計量単位に据えていることは、数値で示されている。 だがこれは指標の内部の測定問題として論じられており、付加バイアスが指標、ツール、評価を貫く系統的な非対称だという構図には束ねられていない。

以上を踏まえて、本ノートの新規性は、次の二点に厳密に限定される。

第一に、理論的対称化である。 付加バイアスを認め、制約や余白の価値を認める既存の議論の多くが、引き算を但し書きや美学の位置にとどめるのに対し、本ノートは引き算を付加と対称な一級の生成操作へ格上げし、不在と未制作をフィルタリングに還元されない構造として置く。 第二に、方法論的監査である。 創造性指標、発想技法、制作ツールの付加バイアスを、指標の内部問題としてではなく、装置を貫く系統的な非対称として測る監査を立てる。

この二点は、公開されている調査の範囲では、これを明示的に主張した先行文献が見当たらない。 最も近い Adams ら2021年でさえ、付加バイアスの記述にとどまり、生成操作の対称性へは進んでいない。 ただし、探索が網羅的でない可能性は残る。 [要一次検証]

そして、この二点は確証された事実ではない。 生成性の対称の比較実験と、装置の付加バイアスの監査という、二つの確証実験を待つ、反証可能な仮説である。 [証拠水準:著者の推定]

閉じずに残す一つの問い

ド・ブロイの対称性は、電子回折で閉じた。 本ノートの対称性は、まだ閉じていない。

問題解決の側で付加バイアスが実測され、片側の光量子はそろっている。 生成操作の理論の側でも、引き算は付加と対等なはずだ、と対称性は告げる。 だが、告げることと、示すことは違う。 引き算の設計手が付加の設計手と同等以上に解空間を開くか、その比較実験がどう組めるか、生成された解の多様性と質をどう測るかは、本ノートの手の届く範囲を超える。 確証されれば、付加だけを生成とみる創造性観は反証される。 反証されなければ、引き算はやはり生成の後段の選別作業だ、という見方が生き延びる。

創造性を測る目盛りは、いまも案の数で引かれている。 その目盛りの上で、削られた余白と、作られなかったものは、ゼロとして通り過ぎていく。 ゼロとして通り過ぎるという一点にこそ、この仮説が仮説である資格がある。 どちらに転ぶかは、まだ測られていない。

関連ノート

参照文献

方法の出典、および各主張の証拠として実在を確認した文献を DOI/URL つきで示す。 書誌の一部が未確定、または本文到達が未達のものには [要一次検証] を付す。

方法(対称性完成という発見法)

  • de Broglie, L. (1924). Recherches sur la théorie des quanta. 博士論文、パリ大学。(原論文PDFへの直接到達は [要一次検証]、構図と審査の構成は複数二次源で確認)
  • Davisson, C. & Germer, L. H. (1927). The Diffraction of Electrons by a Crystal of Nickel. Physical Review 30(6):705–740. https://doi.org/10.1103/PhysRev.30.705
  • Stanford Encyclopedia of Philosophy. Symmetry and Symmetry Breaking. https://plato.stanford.edu/entries/symmetry-breaking/

片側で示された付加バイアス(光量子)

創造性指標の付加バイアス(監査の一部)

  • Guilford, J. P. (1967). The Nature of Human Intelligence. McGraw-Hill. (本文到達は [要一次検証]、流暢性の定義は二次源で確認)
  • Torrance, E. P. (1966). Torrance Tests of Creative Thinking: Norms-Technical Manual. Personnel Press. (本文到達は [要一次検証]、採点定義は二次源で確認)
  • Osborn, A. F. (1953). Applied Imagination. Charles Scribner’s Sons. (原書内の該当頁は [要一次検証]、規則は二次源で確認)
  • Silvia, P. J. et al. (2008). Assessing Creativity With Divergent Thinking Tasks. Psychology of Aesthetics, Creativity, and the Arts 2(2):68–85. https://doi.org/10.1037/1931-3896.2.2.68
  • Benedek, M. et al. (2013). Assessment of Divergent Thinking by Means of the Subjective Top-Scoring Method. Psychology of Aesthetics, Creativity, and the Arts 7(4):341–349. https://doi.org/10.1037/a0033644
  • Forthmann, B., Szardenings, C., Dumas, D. (2021). On the Conceptual Overlap between the Fluency Contamination Effect and the Chance View on Scientific Creativity. The Journal of Creative Behavior 55(1):268–275. https://doi.org/10.1002/jocb.445 (本文はペイウォール、[要一次検証]

制約と余白(束ねる散在現象)

  • Haught-Tromp, C. (2017). The Green Eggs and Ham Hypothesis: How Constraints Facilitate Creativity. Psychology of Aesthetics, Creativity, and the Arts 11(1):10–17. https://doi.org/10.1037/aca0000061
  • Acar, O. A., Tarakci, M., van Knippenberg, D. (2019). Creativity and Innovation Under Constraints: A Cross-Disciplinary Integrative Review. Journal of Management 45(1):96–121. https://doi.org/10.1177/0149206318805832
  • Biskjaer, M. M. & Halskov, K. (2014). Decisive Constraints as a Creative Resource in Interaction Design. Digital Creativity 25(1):27–61. https://doi.org/10.1080/14626268.2013.855239
  • Hara, K.(原研哉)(2007). Designing Design. Lars Müller Publishers. / (2010). White. Lars Müller Publishers.
  • 「less is more」(Ludwig Mies van der Rohe に帰される標語)/ Rams, D. の「Weniger, aber besser(less but better)」(帰属は二次源で確認、一次出典は [要一次検証]

不在の構造(先例)

  • Iser, W. (1978). The Act of Reading: A Theory of Aesthetic Response. Johns Hopkins University Press.(原著 Der Akt des Lesens, 1976, Fink。本文到達は [要一次検証]
  • Jansson, D. G. & Smith, S. M. (1991). Design Fixation. Design Studies 12(1):3–11. https://doi.org/10.1016/0142-694X(91)90003-F (既存例への固着が付加的探索へ偏る一源泉。本文はペイウォール)

未検証事項([要一次検証]

本文および参照文献で書誌が未確定、または本文への到達が未達のものを集約する。

  • de Broglie (1924) 原論文PDFへの直接到達(構図と審査の構成は複数二次源で一貫確認)。
  • Guilford (1967)、Torrance (1966)、Osborn (1953) の本文への直接到達(流暢性の定義とブレインストーミング規則は複数二次源で一致確認、原書の該当頁は未確認)。
  • Neroni et al. (2024)、Forthmann et al. (2021) の本文詳細(ペイウォールにより abstract と書誌のみ到達)。
  • Iser (1978) の本文への直接到達(空所の概念と書誌は複数二次源で一致確認)。
  • 「less is more」および Rams の標語の一次出典(帰属は複数二次源で一致確認、一次発話源は未確認)。
  • 「引き算=付加と対称な一級の生成操作」を明示した先行文献の不在(公開調査の範囲では見当たらないが、探索の網羅性は未保証)。

Footnotes

  1. de Broglie, L. (1924). Recherches sur la théorie des quanta. 博士論文、パリ大学。審査は1925年に行われ、審査委員に Langevin、Perrin、Cartan、Mauguin が名を連ねた。光の波動性と粒子性の双対を物質へ拡張し、運動量と波長を結ぶ関係を提示した。原論文PDFへの直接到達は [要一次検証](構図と審査の構成は複数二次源で一貫確認)。

  2. Davisson, C. & Germer, L. H. (1927). The Diffraction of Electrons by a Crystal of Nickel. Physical Review 30(6), 705–740. https://doi.org/10.1103/PhysRev.30.705 電子回折を実証し、ド・ブロイの物質波仮説を(当初は狙わず)確証した。

  3. Stanford Encyclopedia of Philosophy, “Symmetry and Symmetry Breaking”. https://plato.stanford.edu/entries/symmetry-breaking/ 対称性とその破れが理論構成の発見法として働くことの概説。

  4. Guilford, J. P. (1967). The Nature of Human Intelligence. McGraw-Hill. 知能構造モデルで観念的流暢性を「1試行あたりに生成された関連する案の総数」として操作定義した。本文ページへの直接到達は [要一次検証](定義は複数二次源および同時代の書評で一致確認)。

  5. Torrance, E. P. (1966). Torrance Tests of Creative Thinking: Norms-Technical Manual. Personnel Press. 流暢性を、刺激に対して生成された解釈可能で意味のある応答の総数として採点する。本文への直接到達は [要一次検証](定義は検査解説の複数二次源で一致確認)。

  6. Osborn, A. F. (1953). Applied Imagination. Charles Scribner’s Sons. ブレインストーミングの4規則の一つに「量が欲しい」を置き、量が質を生むとした。原書内の該当箇所の正確な頁は [要一次検証](規則と原理は複数二次源で一致確認)。

  7. Iser, W. (1978). The Act of Reading: A Theory of Aesthetic Response. Johns Hopkins University Press. 原著 Der Akt des Lesens (1976, Fink)。テキストの空所(Leerstellen)が読者の想像を動員し意味生成を担うと論じた。本文への直接到達は [要一次検証](概念と書誌は複数二次源で一致確認)。

  8. Silvia, P. J. et al. (2008). Assessing Creativity With Divergent Thinking Tasks. Psychology of Aesthetics, Creativity, and the Arts 2(2), 68–85. https://doi.org/10.1037/1931-3896.2.2.68 加算的な独創性得点が流暢性と .80〜.90 で相関する流暢性汚染を実証。 2 3

  9. Benedek, M. et al. (2013). Assessment of Divergent Thinking by Means of the Subjective Top-Scoring Method. Psychology of Aesthetics, Creativity, and the Arts 7(4), 341–349. https://doi.org/10.1037/a0033644 上位案採点で流暢性汚染が .06 以下に下がることを定量化。 2 3

  10. Forthmann, B., Szardenings, C., Dumas, D. (2021). On the Conceptual Overlap between the Fluency Contamination Effect in Divergent Thinking Scores and the Chance View on Scientific Creativity. The Journal of Creative Behavior 55(1), 268–275. https://doi.org/10.1002/jocb.445 加算的採点が「量が質を生む」前提を検査に組み込むことを論じる。本文への到達はペイウォールにより [要一次検証] 2

  11. 「less is more」は Ludwig Mies van der Rohe に帰される標語(起源は詩人 Robert Browning の1855年の詩とされる)。Dieter Rams の「Weniger, aber besser(less but better)」は「良いデザインの10原則」に連なる格言。標語の一次出典への直接到達は [要一次検証](帰属は複数二次源で一致確認)。 2

  12. Hara, K.(原研哉)(2007). Designing Design. Lars Müller Publishers. および (2010). White. Lars Müller Publishers. 白さ、間、余白を、空虚ではなく可能性を宿す能動的なデザイン語彙として展開。emptiness を「満たされる可能性の器」と定義する。 2

  13. Adams, G. S., Converse, B. A., Hales, A. H., Klotz, L. E. (2021). People systematically overlook subtractive changes. Nature 592, 258–261. https://doi.org/10.1038/s41586-021-03380-y 8実験で、人が有利な引き算の解を系統的に見落とし付加に流れることを実証。Klotz は一般書 Subtract: The Untapped Science of Less (2021, Flatiron Books) でこれを敷衍。 2

  14. Neroni, M. A., Crilly, N., Brandimonte, M. A. (2024). Unveiling the Associative Mechanisms Underlying the Additive Bias. The Journal of Creative Behavior 58(3), 388–411. https://doi.org/10.1002/jocb.660 潜在連合テストで、人が付加概念に正の価値を暗黙に割り当てることを実証。本文への到達はペイウォールにより [要一次検証] 2

  15. Juvrud, J., Myers, K., Nyström, M. (2024). People overlook subtractive changes differently depending on age, culture, and task. Scientific Reports 14, 1571. https://doi.org/10.1038/s41598-024-51549-y Adams らの課題を再現し、見落としが年齢と文化と課題で変動することを示した。 2


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